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第27話 パンツ返せ


 カチャカチャと外側扉から鍵を開ける音が聴こえてくる。


 そして、俺はいそいそと七宮がさっきまで着ていた制服の上着を着て、七宮は俺がさっきまで着ていたメイド服にそでを通していた。


 お互い顔は恐怖で怯えている表情をしている。


「……どうすんだよ。七宮。俺の幼馴染み様が完全にニコニコ笑顔でぶちギレてんだぞ。どう責任取る気だし?」

「ど、どうするもなにも。も、もう逃げられないし。ていうか、藍ちゃんがあんなに怒ってる顔見るの初めてなんですけど」



「あれれ~? 可笑しいなぁ。なかなか開かないんだね。この扉」


「ひぃ!!」


 お互い恐怖で怯えている。それくらい扉の向こうの藍の圧は怖い。


「ど、どうしようし。建宮っち。取り合えずウチとキスするし?」


 コイツは何を言ってんだ? アホの娘なのか? いや、アホの娘か。


「お馬鹿さんか。こんな状況でするわけないだろう。アホギャルメイド。凄く似合ってるぞ」


 そして、俺も何を言ってんだ? 可笑しくなってるのか?


「マジィ? た、建宮っちに褒められたし~! ウハァ~!」


 ウハァ~! じゃねえよ。顔を赤らめて喜んでんな。スカートがヒラヒラしてパンツ見えそうになってんぞ……


「なんて事を考えて場合か。逃げる方法は?……窓からか!」


 なぜ、こんな状況で俺は、怒る藍さんから逃げる選択をしてしまったのだろうか。妖怪のせいかもしれないな。


「た、建宮っち。天才だし?……逃げるし逃げるし。鬼嫁の藍ちゃんから逃げようし」


 コ、コイツ。楽しんでやがる。〖どうせ普段から仲の良いウチには藍ちゃんは甘いから何もしないし。その代わり、建宮っちは藍ちゃんにプチ殺されるし? 可哀想だし〗とか思ってんだろう。


「どうせ普段から仲の良いウチには藍ちゃんは甘いから何もしないし。その代わり、建宮っちは藍ちゃんにプチ殺されるし? 可哀想だし」


「な、七宮。お前~! 俺が妄想で考えた。台詞せりふをそのままそっくり言うんじゃない!」


 俺がそんな風に叫んだ瞬間。ガラガラと俺達の最後の希望だった開かない通路の扉が開かれてしまった。


「「ひぃ!!」」


「わ~い! やっと開いたよ。ゆー君。七宮さん。それで? なんで私に隠れて上半身を脱いで抱き合ってたのかな? するなら3人でって誓い合ったよね? 七宮さん」


 どんな誓いを立て合ってんだ。凄い気になるんだが。いや、今はそれ所じゃない。


「ち、違うだし。藍ちゃん。これは……そう! 建宮っちと相思相愛ってやつ? みたいな?」


 そして、七宮。お前は何を言ってんだ。静かにしとけ。


「ん~? 相思相愛? あれれ? そんな言葉。この世界に存在したのかな? 憎悪私怨の間違いじゃないかな?」


 そして、藍さんは相思相愛と言う言葉を否定し、憎悪私怨なる新たな四字熟語を語り始めた。駄目だ。今日の藍さんも平常運転で可笑しくなってるぜ。


「……もう駄目だ。暴走して可笑しくなった藍に俺達はプチ殺され……る?」


 あれ? ふと思い出したが。そういえば、俺、パンツ履いてないぞ……変わりになんで藍の体操着を履いてたんだ。


 七宮は俺の制服を奪った。


 そしたら藍は? 俺から何を奪った?


 そんなの簡単だ。俺の幼馴染みの藍さんは……履いていたパンツを奪ったというだよな?


「フフフ……ゆー君。七宮さん。お仕置きはツボ押しフルコースにしてあげるからね」


「あ、藍ちゃん。違うんだし。悪いのはウチだけで。建宮っちは、ウチの事をエッチな目でしか見なかっただけだから許してほしいし」


 うるさい。七宮。余計な事を言ってうるさい。


 しかし……藍のヤツ。怖い笑みを浮かべて、そろそろと俺達の前ににじり寄って来てるが……


「フフフ。ゆー君……」

「所で藍さんよ。俺のパンツどこにやった?」


 俺がそう藍に聞いた瞬間。藍は体を硬直させた。


「……フフフ……ふぇ?……ゆ~君のパンツ? な、なんの事か……な?」


 藍は同様しながら、自分のスカートをおさえている。そして、藍の顔は徐々に赤くなっていく。


「……お、お前まさか?」

「へ? なんだし? ウチ等、藍ちゃんにお仕置きされるんじゃないん?」

「いや、形勢逆転した。今から俺達が藍をお仕置きする方にな」

「?……どういう事なん?」

「こういう事だ! こら! 藍、俺のパンツを返すんだ。今、直ぐに」


「ふぇぅ……や、やだ。ゆー君……これは私のだもん。ぜ、絶対に返さないんだからね」


「あ! こら! 待て! アホ藍~!」


「だ、駄目なの~!」


「な、なんで今度は藍ちゃんとの追い駆けっこが始まってるし~?」


 藍はお尻を抑えながら俺達の前から逃走した。


 そして、俺達は藍を追い回し始めた。


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