第24話 文化祭のメイド服は誰が着る?
《旧校舎 文芸部室》
俺は今、修羅場を見ている。
それは蘭を巡る争いが繰り広げられているからだ。怖い怖い。修羅場ってやつだな。
今日は文化祭の時に着る為のメイド服の試着する日なんだがな……
「雨宮会長から聞いたけど。静華ちゃん、美海ちゃん。私と蘭がデートした抱腹に証拠を集める為に、黎明生徒や先生達の電子機器を停止さてたそうだね」
「「ヒイッ!」」
一ノ瀬が藍か怒った時みたいにニコニコ笑顔で、佐伯と高嶺さんに迫っている。
以前に金髪ギャル3人組がやらかした電子機器ジャック事件について話あっているみたいだな。
「電子機器が元に戻ったら性能が上がったって皆喜んでたらしいけど。2人共とんでもない事を……」
「小春、その話は僕が悪かったんだ。だから、そんなに2人を責めないであげてよ。可哀想だからさ。静華ちゃんと美海ちゃんを許してあげてよ」
「蘭々!」「蘭君」
蘭が3人のやり取りに割り込んだ。なんだ? いつもの軟弱そうに見える蘭じゃないぞ。
クールビューティーみたいに見えるな……いや、蘭はそもそも美少年か。
「ら、蘭! また。そうやって2人を甘やかす気? そんなんだから。毎日毎日引っ付かれるんだよ。元恋人の私の前で!」
「小春が何を怒っているのか分からないけど。元々、小春が静華ちゃんと美海ちゃんに対して、こんな挑発的な動画を送り付けるから悪いじゃないの?」
蘭はそう告げるとぽけっとからスマホを取り出して、動画を再生させた。
ピッ!
『フフ~ン! コホンッ! イ、イ、イエーーイイ!! 静華ちゃんん……美海ちゃんん…いや、コホン……見てるぅ? 私は今、蘭と2人っきりでホテ……』
『ちょっと! 小春。話が違うじゃないか! 今日は水族館に行きたいから着いてきほしいって言われたから着いて来たのに。なんで小春の先輩のホテルに僕を縛って監禁なんて……』
『……蘭。今は挑発動画の撮影中だから静かにしていてね。キスしてあげるから』
『ちょっ! 小春止め……』
ブツンッ!
「キャアアア!! 何を再生してるのよ。蘭! 元恋人にそんな恥ずかしい思いをさせて恥ずかしくないの?」
「恥ずかしさのあまり身体が動かなくなって、何もしてこなかった娘に言われたくないよ」
なんか今度は蘭と一ノ瀬が痴話喧嘩し始めたぞ。いや、蘭と一ノ瀬は元恋人同士だけど。
「は、はあぁ!! 結局。あの動画を後、何もしなかったんですか? 小春さん。私達に言いましたよね? 自慢気に! 私最後まで蘭々をご馳走したって、嘘だったんですか? あの自慢気な態度は嘘だったんですね? 小春さん」
「あの自慢気話が嘘?……小春ちゃん。いきいきしてたから本当がどうが一生懸命確認しようとして、黎明高校のシステムサーバーまでハッキングしたのに全部嘘だったの? 小春ちゃん」
おー、おー、どっちもどっちでとんでもない奴等だ。つうかキャラ濃すぎだろう。コイツ等全員。
「う、嘘じゃないもん。蘭と私はラブラブだもんね。最後までご馳走様してくれたもんね? 蘭」
「いや、してないけど」
「即答?! 酷いよ。蘭、あんなに久しぶりのデートは楽しそうだったのにさ」
「わー! やっぱり。最後まで食べられてないんじゃないですか! 小春、余ちゃったんですか? 蘭に食べられなかったんですね。お可哀想に」
「そ、それじゃあ、今度の蘭君とのデートは私だからね。小春ちゃんは来月まで、蘭に接触禁止例だから」
「はい? そんな約束してないよね? ていうか、蘭は私の元恋人なんだよ? ちょっかいかけないでくれるかな? 2人とも!」
「はぁー?! なんですかそれ? 私は蘭々の幼馴染みで」
「私は蘭君のアドバイザーだも!」
「もう! 3人共静かにしてよ。今日は文芸部の手伝いに来てるだけなんだからさ~! 建宮君助けてよ~!」
蘭が困り顔で俺に助けを求めている。いや、俺も助けてもらいたい側なんだけどな……
「ゆー君とお揃いのメイド服を着るのは私なんだよぉ。七宮さん。白鳥さん。これだけは譲れないからね」
「はぁ~?! ふざけんなし! ていうか。藍ちゃんのそのポヨンポヨンの藍チチじゃあ、トンキのメイド服なんか着れるわけないし。藍ちゃんは当日。サラシ巻いて執事服着るしかないっしょ! ねえ? ぼっちちゃん」
「え、えっと……ポヨンポヨンの藍さんに着られるメイド服が切れて可哀想なので、着るのは控えて下さいね。藍さん」
「へぅ?! 私、ポヨンポヨンだからメイド服着れないの?……うぇぇ! ゆー君! 2人がいじめて来るよ~! 助けて~!」
「あっ!藍チチ。ふざけんなし~! 建宮っちに泣きつくなんて卑怯だし~!」
「た、建宮君から離れて下さい。ハレンチさ~ん!」
なんか文芸部3人娘の方も盛り上がってんな。俺の方に藍が泣きそうな顔で近付いて来て、七宮と白鳥さんが後ろから追いかけてるし。
「ハハハ……本当に蘭はラブコメ主人公みたいな奴だよな。可愛い女の子に囲まれて羨ま……ごがぁ?!……3ヵ所からのツボ押し?! いったい誰が?」
俺がボーッと蘭達のやり取りを羨ましいげに見ていたら、肩のツボに刺激が走った。
「何を1人事みたいに言ってるのかな? ゆー君」
「建宮っち~! 自分のハーレムを自覚しろし」
「た、建宮君。浮気は駄目です…よ、よ!」
文芸部3人娘がいつの間にか俺の後ろに立っており。俺の肩のツボをギュッギュッと強く押していた。ニコニコ笑顔でだ。
「お、お前達、何すんだ? そんな激しくツボなんて押したら気絶す…るぅ?!!」
「うんうん。ちょっと目を離すといつもこうだよね。ゆー君は」
「建宮っち~! めちゃくちゃ肩凝ってるじゃん~! ほぐしてあげるし」
「フフフ、建宮君の身体。マッサージしてあげますね」
「……や、止めろ。お前達。いったい俺に何をする……気……だ?……」
ドサッ!
そうして、俺はツボを強く押された衝撃で意識を失い。起きたらメイド服に着替えさせられていた。




