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第二話

堀を挟み、安芸国虎が城壁から叫んだ。

「貴様ァ!お姫様風情が、夜討ちで勝ったつもりか~!」

怒号は虚ろに響いた。彼の背後には、すでに脱走兵と降伏者が入り交じっている。

城下の農民も逃げ出した。

元親は槍を水平に構え、視線だけで応えた。

頭の中にはただ、勝利の手順だけをなぞるような冷ややかさしかない。

三日後‥。

安芸城の本丸は煙に包まれていた。

火を放ったのは、国虎の近衛兵だった。

主君を裏切ることへの恐怖よりも、元親に闇討ちされ晒し者にされる恐怖が勝ったのだ。

瓦礫の中から引きずり出された安芸国虎は、鎧も焼け焦げ、それなりにケガもした。

それでもなお、彼は最後の虚勢を吐いた。

「わしは……蘇我の血筋ぞ!分かってんのか土佐の田舎武者が!」

元親は一歩、二歩と近づいた。

「昔の名前で食っているタイプだな」

国虎が顔を上げた瞬間、元親は静かに指パッチンで合図すると兵が駆け寄り、国虎を縄で縛り上げる。

「生け捕りにせよ。殺すにはまだ早い」

父・国親が馬上で微笑した。

「息子よ。お前、初陣にして敵将を生け捕りか。戦の申し子だな」

土佐を統べる新たな獣の誕生を感じていた。



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