エンカウント
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村から出て、ボーンラビットと合流する。
そして地下牢に向かって歩き始めた。
「なかなか面白い出会いだったな」
その時、すぐ近くから聞きたくなかった声が聞こえた。
「GYAAAH!」
「姿は見えないけど、これは近いな! 急ごう!」
リョウマはボーンラビットと共に、走り始めた。
村を出たときよりも雨が強くなり、さらに視界が悪くなる。
足元も悪いため、あまり速さは出ていない。
「気づかれる前に戻らないと」
20分ほど走り抜け、地下牢の入り口が見えてきた。
しかし、何事もなくたどり着くことは出来なかったのだ。。
「・・・最悪だ」
「GYAAAAH!!!!」
リョウマの目の前に現れたのは、真っ赤な体のドラゴンだった。
大きさは成竜クラス。
リョウマの前世であれば余裕で倒せたはずだが、今の力ではかなり厳しい。
死霊魔法によってアンデット化させた魔物からマナを分けてもらっているが、ドラゴンを倒せるほどではない。
「どうするか・・・」
名前:リョウマ
種族:リッチ
レベル:21
スキル:死霊魔法Ⅰ
対峙したドラゴンと戦うのは悪手だ。
ここでリョウマが選択するのは逃げの一択。
地下牢に入ってしまえば増援も見込める。
特にダレスの力は必要不可欠だった。
「雨で視界が悪いのはドラゴンも同じ。まずは隠れてからだ」
ボーンラビットにも指示を出し、木々に隠れて視界から外れた。
そして完全に見失わせるためにドラゴンから離れながら移動する。
「さすがに見つけられないだろ」
「GYAAAAH!」
「おいおい、マジか!」
なんとドラゴンは、木を燃やし尽くすために炎のブレスを放ったのだ。
木は雨で燃えにくいはずだが、炎の勢いが強いためすぐに火が付いた。
「見境なしかよ」
炎のブレスによって何体かのボーンラビットが犠牲になっている。
ドラゴンは何度もブレスを放ち、一体を燃やし尽くそうとしていた。
地下牢の扉へも炎が届いているが、頑丈すぎて変化なし。
数千年もの間、開かずに残っていただけある。
「強行突破で地下牢に行くしかないか・・・」
すでに周囲は炎の海となっており、隠れられる木も少なくなっていた。
今はドラゴンに見つかっていないが、時間の問題と言える。
そこで、無理にでも地下牢に入ることを決めた。
「まずは俺が囮になっている間に、ボーンラビットたちが扉の中に入って異常を知らせて来い! 俺が走るより素早く移動できるはずだ。その後は何とかする」
リョウマはボーンラビットに指示を出し、囮となるべく動き出した。
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