地下牢の調査
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自分が目覚めた部屋に到着したリョウマたちは、次の具体的な動きを決めていた。
「まずはみんなの力をつける事と人員を増やすために、ダンジョン内を周回。魔物を倒して、この最下層に死体を集めて欲しい」
リョウマはスケルトン2体とボーンバット1体を1つのチームとした。
残ったスケルトンには、別の指示を出す。
「お前と俺は、ダンジョン内の調査だ。もしかしたら何か使えるものがあるかもしれないからな」
指示を受けたアンデットたちは、それぞれ任されたことを遂行するために行動を起こした。
そしてリョウマとスケルトンも動き出す。
「何かがあるとしたら最下層のフロアだ。ここを隈なく調べるぞ」
地下牢は下層ほど強力な者が捕らわれていた。
さらには機密文書等の保管場所としても使われていたため、何か残っていないかとリョウマは調査することにしたのだ。
まずは、文書や本などが保管されていた資料室へと足を運ぶ。
「大したものは残ってなさそうだな・・・」
ほとんどのものが風化しており、とても読めるものではなかった。
唯一読むことが出来たのは、地下牢に捕らえられていたものの特徴や罪状などが書かれた資料。
リョウマは『レベル3資料』と書かれた、最下層に捕らえられていた者に関する資料を手に取る。
そこにはリョウマをはじめ、数々の者の名が記されていた。
・・・
バム
魔族
不法侵入罪
レベル3
リョウマ
人族
反逆罪
レベル3
ヴォルア
人族
集団強姦致死罪
レベル3
ギ・ド・ダレス
巨人族
反逆罪
レベル3
・・・
「ダレスって確か・・・」
実はリョウマと同じ罪を背負って捕まったものがいた。
もともと奴隷として帝国に連れてこられた人だったが、数々の戦果を挙げることで一般人になれた優秀な人材。
しかし、リョウマと同じように帝国に騙されて捕まってしまった。
このダレス逮捕をきっかけに、強大な力を持つ者たちが殺されたり捕まったりするようになったのだ。
だからこそリョウマはこの人物を覚えていた。
「この冤罪事件を防いでいれば、俺が捕まることもなかったのかもしれないな・・・」
『レベル3資料』以外に読めるような資料はなかったため、リョウマたちは資料室を退出。
その後は罪人たちを捕えていた部屋の中を確認していくことにした。
レベル3の罪人は数十人ほど。
帝国の規模から考えると少ないかもしれないが、基本的にレベル3の罪人はすぐに処刑される。
例外的に処刑することが難しい場合にレベル3に監禁されるのだ。
リョウマが処刑されなかったのは、国民人気が高すぎたため。
そんな人物を処刑してしまえば帝国に対する不信感が高まることを恐れた上層部が、レベル3に監禁することとした。
部屋を確認して回っていたリョウマたちだが、ほとんど何も残っていなかった。
あったとしても罪人が着ていたと思われる布切れのみ。
罪人の骨すら風化してしまい、残っていなかったのだ。
「よくリッチとして生まれ変われたものだ」
自らの奇跡に感謝しつつ、最後の部屋へと赴いた。
罪人の名が書かれたプレートには、『ギ・ド・ダレス』の文字。
他の部屋よりも遥かに大きい扉を開けて、中を確認する。
「・・・おいおい、マジか」
他の部屋には骨すら残されていなかったが、そこには巨大な死体が倒れていた。
肉体はところどころ溶けている部分はあるが、ほとんど原形を留めた状態だったのだ。
—————死霊魔法の使用が可能です。使用しますか?
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