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あかないキミの、異能世界  作者: 竜世界
ProgressⅥ-MAGICAL NIGHTMARE-
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第67話 その炎は悪夢をも喰らう

 統合五日目フィールド内の一室にて。


 ピンクのツインテールを揺らしマゼンタの宝石を嵌めたステッキからピンク色の魔法を放っていた少女が息絶えてから、共に戦っていた透明度が高いシアンの大剣などを揮っていた青髪ポニーテールの少女が亡くなるまで()(ほど)掛からなかった。


 そんな光景を生み出したのはこの部屋に出現した最上位エネミー……その姿を述べるならば先ずは巨大な二足歩行の爬虫類という情報からだろうか。


 鋭い鉤爪の生えた前足と後ろ足はどちらも発達しており四足歩行も可能だが前足は手としても機能する形状……尾は立派に伸び、背中からは大きな二つの翼が。


 頭部もかなりのサイズを誇り角も生えているが……主な形状はティー・レックスとよく似ている為か大型肉食恐竜(ぜん)とした印象が目立つ。


 最早「ドラゴン」と呼ばれるに相応しい様相を為す体躯だが、外見を更に言及すれば所々で皮膚が(ただ)れて骨が剥き出しの箇所が散見……と言うには多めか。


 その部屋に飾られた油絵は主に石造りの遺跡が描かれていたが、獰猛な咆哮が程なく響き渡った頃、二人の魔法少女――ファーリーピンクとニアリーブルーは既に生を終えており、それによって一人の少女が眠りから目覚めた。


 閉じていた銀色の瞳を(おもむろ)に開くや静かに体を起こし……少し前まで繰り広げられていた光景を少女は振り返る。


 今回見た夢は魔法少女二人の共闘が続き、やがて入った部屋で遭遇した最上位エネミーに太刀打ち出来ぬまま共倒れで終わった。


 それはつい先程までフィールド内で実際に起きていた内容と同一……初めに魔法少女二人が現れ、最後には一人以上が死ぬ。


 そんな夢の中に登場する魔法少女達を多少は干渉出来る条件で自分の比較的周辺に投影するのが少女の能力と言えるのだが……出現する魔法少女達は生じた段階で実在するキャラクターとして、その世界で行動を始める。


 能力によって生成されるのでは無く、能力が発動する度に特定の人格と記憶及び能力を持つ存在が出現する……この為、魔法少女達自身は能力の生成物としてでは無く、「能力を持った実在する人間」という位置付けが事実となる。


 銀眼少女は今ガーデンにいる為、暫く経ってから眠ればガーデン内にファーリーピンクとニアリーブルーが出現するわけだが、今回のようにフィールド参加意志を示した状態で眠れば魔法少女らがフィールド内に出現するよう強化される。


 ベージュ素材に青い染料でも足したかのような色合いの髪を長く伸ばした少女は僅かな呻き声と共に軽く伸びをし、冷蔵庫からお手製のミックスフルーツジュースを取り出してコップに入れるやそこそこのペースで飲み干す。


 それじゃあ、みんなにもこのジュースを持って行こうかな。


 そう思った少女はジュースの入ったコップをかなりの人数分トレイに乗せ、いつものようにパジャマ姿のまま自室を出る。


 目的の部屋に辿り着くや防音設備により直前まで聞こえなかった爆音すれすれの派手で賑やかな旋律が少女の耳に飛び込んで来た。


 今ネットで人気急上昇中のバンド『ミーティアブラスト』が目の前で生演奏という贅沢な光景を他所(よそ)に、パジャマ姿の少女――ミランダ・ナスタルシェは気さくな声で話し掛ける。


「お、やってるねー」


 ボーカル、ギター、ドラムの三名で構成される三人の少女たちはミランダの入室に気付くがセッションを中断する事は無く、激しい曲調から成る音楽は最後まで続き、


「こんにちわ。マラーヤさん」


 野生感溢れる癖毛を見せる真珠髪を長く伸ばしたボーカル担当の少女がミランダを登録名(エントリーネーム)で呼んだ。


 (もっと)も、この場にミランダの本名を知る者はおらず彼女自身も最後に本名を用いたのがいつ頃だったか思い出せぬほどマラーヤとして日々を送って来た……であれば以降はこのパジャマ姿の少女をマラーヤと呼ぶのが適切か。


「こんにちは……ウォーミングアップに()くような曲じゃないんだよなー、これ」

「盛り上がってこー! マラーヤちゃん、おっはよー!」


 ギター担当のネオンイエローのサイドテール少女とドラム担当にしてピンクゴールドのツ―サイドアップ少女に続き、当のマラーヤも発言する。


「ジュース持って来たよー……ふわぁ、疲れた」

「マラーヤちゃんの能力……大変だよね」


「普通に眠るには、こうやって能力が解除された直後しか無いからねー……体は休まるけど」


 以前から同じグループのメンバーであるドラム少女――登録名『アンデス』にそう返すマラーヤ。


 眠る事で能力が発動する為、マラーヤは本来見る筈の夢を見る事が出来ず、寝ている間も主に魔法少女二人が殺し合わぬよう意識に干渉し続ける必要が……精神的な疲労は取れずに蓄積する一方となる。


 能力が使用不可能になる時間は「どれくらい発動が持続し、どのような状況で夢が終わったか」で幾つにも分岐……最低値は二時間だが特定の段階まで到達すれば再使用までの時間が半減するなどもあり、その都度異なるも同然。


 今回は三時間程度に留まったが、その時間が経っても眠っていた場合は例え本来の夢を見ていたとしても発動可能となった瞬間途絶え、魔法少女の夢が始まる。


「んー……やっぱり皆さんがどういう能力をお持ちか、知っておいた方がいいですよね」

「まぁ、もう少しゆっくりさせてよ……次は何を演奏するのかな?」


 愛称のマイの方を常に名乗るボーカル担当が発言するやマラーヤがそう返したのは目覚めてから今暫くは(くつろ)ぎ……安寧の時間を味わいたいからか。


「じゃあトリッキーな曲調の中から……」

「嫌な予感がする……まぁ弾ける曲だけど」


 マイの宣言を受けギター担当の少女がそう(こぼ)し、直ぐに始まったセッションはその曲の難易度とは裏腹に見事なもの。それから纏まった時間が流れた(のち)


「こーんにち、わぁー……」


 一旦は鎮まり掛けていた部屋の中で緊張感の無い声が響いた。


 塗ってからまだ日の浅い漆器質感のような色合いによる赤紫と栗の皮を混ぜたような色相を湛えた長い髪は至る所で癖が強めの為か、ふわふわとした印象を放つ。


 そんな瞳がピンクゴールドの女性に対し、マイは視線を一点同然に注ぎながら、こう思っていた。


 我が目を疑うってこういう事かぁー……ずっと眺めてたら一曲作れそうなくらいのオーラ放ってる気がして来る。本当にそこに、あるんだよね……?


 ギター担当のサリーの心境を覗いてみれば。


 うっわ、うっわぁ……声を出さないので精一杯。女性の胸ってこんなに大きくなるんだ……マイは歌い続けてるしサリーも手を止めずに弾き続けよっと。


 動揺は少なからずあったが体は演奏を継続。アンが手を止めるか検討しているとマラーヤが応対する結果となった。


「おかえりー……その曲おわったら紹介するね」


 その言葉を受けマイはこう返し、他の二名も発言して行く。


「じゃ、一番難しい所が終わったらそこで止めて、落ち着いたら最初から」

「りょ、了解……」

「あのパートをあとでもう一回かー……頑張るよ!」


 そして素人が聞いても変則的で慌ただしい曲調と思わざるを得ないパートを終えるや宣言通り三人の演奏が一斉に止まる。


 程なく新たに入室して来た女性の元に三人がほどよい距離まで来るとマラーヤがルプサのメンバー――山代(やましろ)嶺愛(みねあ)の紹介を始める。


「歌ってたのがマイ、ギターがサリー……アンの事は憶えてるよね? ヤーマ」

「こんな元気で可愛い子、わすれないよぉー……ひさしぶりー」


 彼女もまた登録名の方を使い続け、最早偽名を名乗っているという自覚は無いも同然……そんなヤーマの発言にアンが素早く軽快にドラムを叩きながら返す。


「バンドに誘われてドラム叩いてる! おっひさー!」

「見ての通り、こないだ言った序列は一位……でもこう見えて年齢は」

「じゅうよんさーい。ディスタンスは、すぺりおるー」


 マラーヤに続きヤーマがそう言うや、突然マラーヤは気落ちした様子になり、


「……さっきは何も出来なくて、ごめん」


 スキュラとの戦闘の際に光ゴーレムを作成するも充分なサポートが出来なかった件に触れ、謝罪の意を述べた。


「あの男の人ってー……周囲のものを掻き集めて、ゴーレム作るしか出来ないんだよねー?」

「強いのもいるけど、出し方がね……」


 落ち込んだ声でマラーヤがヤーマにそう返すと、アンが会話に入って来る。


「マラーヤちゃんの能力って思った通りに行かない時多そうだよね。えーと、眠ってる間に二人の魔法少女が現れるんだっけ?」

「そうそう……二人の魔法少女の思考を少しは誘導出来るんだけど、直接は動かせなくてー」

「その二人の行動内容で直接操作出来るキャラが新しく出現するんだけど……そこにも問題と言うか……」


 ヤーマの発言に続き、マラーヤは元気の無い声で呟いた。


「二人の魔法少女が戦った時間とその内容と結果に応じて出現するキャラが違う」

「キャラが現れる前に魔法少女のどちらかが死ねば目、覚めちゃうんだとか」


 マラーヤの沈んだ様子を他所にアンがいつもと変わらぬ調子でそう言ったからか突如として場違いな空気が流れたような状況に。


 災厄の王の復活を目論む男性はファーリーピンクとニアリーブルーが「共闘」している時間が長い時に出現し、男性が儀式する現場に駆け付け、時間稼ぎに生成するゴーレムの撃破が長引けば『デモンシード』が世に現れる。


 そのデモンシードが孵化するような事態となれば誕生するのが災厄の王で、その力は凄まじいもののマラーヤは一切操作する事が出来ない。


 ゴーレムを作成する男性は自律的に――自らの記憶と人格を基に行動するが、その全ての言動や思考への介入は常に可能。


「でも、自分の意志で目を覚ます事が出来なくて……あの子たちは出会ったら殺し合うくらい仲が悪いから広いマップでは出会わないようにしたり、狭いマップなら共闘を続けさせたり……それでも上手く行かない時だって少なく無い。二人の視界はどっちも取得出来るんだけどさ……」


 そこまでマラーヤが言うとマイが見解を述べる。


「基本的に魔法少女二人が殺し合う光景を眺める事になる……そんな感じでしょうか?」

「うん……」


 意気消沈するマラーヤの声色に今度はサリーの声が続いた。


「さっき出てたっていう男性キャラは自由に動かせるんですよね?」

「その男性は最終的に凄いのを呼び出せるけど、それで出たキャラって操作出来ないから暴れ回る光景をただただ眺める事しか出来なくて。それを寝る度に見る羽目になるんじゃないかって毎回不安で。こんなの、もうさ――」


 マラーヤは僅かな間を置いた末に、こう続けた。


「悪夢だよ」


 リネーム前の能力名はマジカルナイトメアだったけど……何で。


 そう心の中に浮かべ、更に続いた言葉と感情は口から出ていた。


「何で。女の子同士が殺し合う夢を見なきゃいけないの……あんな力があっても動かしたくないよ」


 それは会話に出ていないキャラへの言及も含んでいた。


「悪夢……」


 不意にその言葉を呟いたマイは潜在意識の中で(うごめ)いていた新曲の構想が大きく動き出したような気分に陥る。


 突然、深く考え込むような仕草さえ見せるマイに一同は戸惑い……沈黙が形成された末に第一声を発したのはマイだった。


「すいません! ちょっと部屋に籠ります! サリー、アン。話の内容、あとで教えて!」


 そう言うとマイはその癖毛により野生感溢れる真珠のような色と光沢を放つ後ろ髪をなびかせながら慌ただしく自分の部屋がある場所目掛け駆け出した。


 マジカルナイトメアは使用者が見る特定の夢の内容を現実世界に反映させる為、ディスタンスが高位(スペリオル)になるという事実に辿り着くのは容易(たやす)いが……今のマイには見向きもされない話題だろう。


「あ、えーとね。マラーヤちゃんヤーマちゃん……これはね」

「インスピレーション。降りて来たってヤツですね」


 アンが何とかその場を取り(つくろ)おうとする中、サリーは自らの見解をそう述べた。


 その後はマイ不在のまま会話が続いたが……当のマイは自室に着くや立体動画を再生する領域を確保し、動画サイトを開くと個人・企業を問わず「悪夢」をテーマにしたと言える曲の動画を検索しては次々と再生して行った。


 マイが知るだけで何十曲にも及ぶ件数を巡回する中で何か引っ掛かる映像や歌詞があれば再生場面を戻したり、通し再生を繰り返したり……「悪夢」から得られるイメージを自らの頭の中へと徹底的に注ぎ込むべく、その作業を続ける。


 手元には平面ウインドウを開き、何か浮かんだら即座に文字を打てるよう待機。


 この作業を終えた時、マイは新曲の歌詞を書き連ねたが、まだ完成には程遠いといった感触。


 もう少し寝かせようと思いながらマイは別の……本来の新曲の構想を再開させる事にし思考を巡らせ始めていた。


 マイがそうなった時刻の情報よりも、統合五日目のフィールド内を眺めよう……時間の言及を他所にしても場所が色違いの部屋である為、その候補は限られる。


 その部屋のエネミーは既に倒され、中にいる参加者を見れば少女が(ひと)り。


 少女の目の前には鍵の掛かった大きな両扉があり、丁度開き始めたばかり。


 白とライムグリーンの二色が交じる至る所が巻き気味の長い髪……髪の裏側と言える部分にも緑部分が目立ち全体的に半々の割合のようで白の方が多い。


 そんな髪を有する少女は消耗していないも同然だったが鬼をモチーフにした仮面デザインのような顔上半分を覆う金属光沢の兜だけは事情が違う様子。


 兜の色はパープルゴールド……特殊な素材が使われているわけでは無く、先程の最上位エネミー二体との戦闘により、ここへ来て根を上げるのも当然だろう。


 別部屋の最上位エネミーから入手した鍵により開き始めた扉がその少女が通れそうな隙間が出来た辺りで、亀裂音を静かに立て始めていた紫の鬼面は大きく割れて落下したが……壊れる度に購入している少女にとっては気に留める事では無い。


 体型が背丈を含めそこそこある少女の背にはソリッドのクリスタルから成るバスタードソードがあり、こちらは損傷が無いも同然。


 そして少女は扉の向こうへと進み、扉が閉じると共に音も無く消えて行ったのだが……この日、鍵が掛かった扉を開けた参加者は先程までパープルゴールドの兜を被っていた少女――『サーティーン』だけだった。



 ProgressⅥ読了ありがとうございます。よければブックマーク、相応と思った評価ポイント、感想の検討、お願い致します……今回の後書きの文字素が多いのは項目数が多いからなのか、それとも――


 今回は外見情報に重きを置き、能力に関する記載は簡単に済ませ使用した話数でも添え、ディスタンスは突出(プロミネント)高位(スペリオル)……更に割愛した序列情報に関しては53話が詳しいです。


MeTEAR(ミーティア)BLAZT(ブラスト)の三名~

 24話から27話の範囲で外見情報と能力の使用場面が充実。

 現在の登録名の「現在」とは今回の話数の事です。


・ボーカルのマイ

 本名、舞良角(もろずみ)泉舞輝(いぶき)

 作詞及び自らの歌声を基に作曲し、曲によって決まる順番が異なる。舞の文字が二つもある為、あだ名を決める際にマイしかないと思ったそうな。

 髪は腰以上に伸び、色は24話の通り真円真珠系のパールカラーで癖毛も相まってワイルドな髪型……瞳の色はターコイズブルー。

 現在の登録名は『リペアガンナー』でレールガン挙動をする兵器を生成し強化が進めば機械だけでなく人体も容易く直せるようになる。

 ディスタンスは突出で、テオドールのように物理性の強い能力の生成物なら対象になる場合があり、レールガンの強化段階次第ではテオドールの機体規模の派手な損傷も(たち)(どころ)に直してしまう。


・ギターのサリー

 本名、Natel Salidor[ネーテル・サリドー]。

 曲のイメージが固まったマイと話し合ってギターの旋律を決める。サリーの呼称は半ば偽名がてら使い続けている。

 右眼側サイドテールのネオンイエロー……つまり蛍光色の黄色系。左目側にワインレッドのウィッグを付ける事でツインテールになるが、それはライブ本番限定。

 髪の長さはマイに劣らずあり瞳の色は赤寄りのアメジスト。

 現在の登録名は『アイスデトネーター』でディスタンスは突出。大技さえ使わなければ魔法使いのように氷をMP無限で繰り出せる。


・ドラムのアン

 本名、Angela Fleckerl[アンジェラ・フレッカール]。

 相当な腕前のドラマーでなければ物足り無さを感じない程度の実力は備わってたりする。

 髪はピンクのツーサイドアップなのでまたもロングヘア系で瞳はワインレッド。

 ルプサのメンバーであり現在の登録名は『ANDESU(アンデス)』……元ネタはアンデス(Andes)山脈。

 ある程度の能力の生成物を石化させたり鞭を生成して巨大化させたり伸ばしたり出来るが、ディスタンスは突出止まり。


~ここからはルプサのメンバー~

 ルプサ(LPSA)の元ネタはアルプス(Alps)山脈……以下、現在の登録名で。


CLARA(クララ)

 本名、Claimee Rileman[クレイミー・ライルマン]。

 度の無い金縁眼鏡を掛けているのは自らがルプサのリーダーである事を気持ち程度に示す為、或いは目印。

 アメジストを青に寄せた具合の青紫に黒を混ぜた感じの(あん)(せい)(しょく)の髪を腰以上に伸ばしたウェーブヘア。後ろ髪にある様々な白い髪飾りはメンバーが勝手に着けてきたものを白い品だけ残し、やがて白い飾りだけ着けて来るように。

 18話から登場し、ベクトル付与が限定的に可能なもののディスタンスは突出。

 ベクトルの数値を変える度にコストを消費する為、車を上空まで吹き飛ばす事は得意なのに対し、車のドアを開けてキャリーバッグを持ち上げて席に着地させるなどの細かい操作が大の苦手。

 39話では生成武器がガトリング銃に強化される事が判明し、手の平の正八面体の色によって強化段階が判る。


U(ユー)R(アール)L(エル)……元ネタはウラル(Ural)山脈

 余りにも呼び辛い為、メンバーからは本名の氷芽野(ひめの)麻由(まゆ)からマユ、マユちゃんなどと呼ばれる事態に。

 毛量と髪の長さが要求されそうで、実際その通りなツインテール。

 髪色は38話から抜粋――髪の色がヨーグルトのような質感を放つ白で、髪の長い部分は毛先から数え三割辺りから赤紫色へのグラデーションが始まっている情報は間近でないと厳しいか。

 瞳はオレンジ色でツインテール根元に着けたエメラルドカラーの髪飾りは透明度のあるプラスチック製。

 22話で『有色の炎使い』がナベリウスにいるという情報が明らかになり38話で満を持して登場……かと思いきやルプサ所属。

 碧色の炎と宝石レベルのエメラルド色の透明度のある生成物を駆使して能力を発動する感じ……ディスタンスはやはり突出。


YAMA(ヤーマ)……元ネタは(yama)

 本名が山代(やましろ)嶺愛(みねあ)の為クララはともかく一人だけネーミングルールに反してる疑惑まである。

 56話の最後に添えられ57話で具体的な運用例を見せてますが、56話後書きの通り(うるし)が「塗ってから暗く、時間経過で明るくなる事で色合いが鮮やかになる」という性質がある事を識ってないと髪の説明がややこしい事になる。

 とにかく髪色に関しては赤紫の色相とマルーンカラーを程よく混ぜたのをイメージした上で何か落ち着いた色合い何だなぁ……とでも思っていただければ。

 ベースとなる色相に灰色が混ざって程よくくすめば味のある色合いになるので、それを漆に求めた次第です……瞳の色はピンクゴールド。

 ふわふわとしたエアリーな髪は長くその外見からはお姉さんオーラ……(なお)、今回の話数で最年少疑惑が浮上した模様。

 青磁色の金属を生成するのではなく、この世界の新たな物質として対象を置き換えて暫く維持させ、その性質を常にカスタマイズ可能というディスタンスが高位になる条件を二つも満たしてます。

 この力を揮う上での問題が62話と63話で明るみになり、自分限定の回復性能をメリットとどころか恐怖として認識する事態に。


MARAYA(マラーヤ)……元ネタはヒマラヤ(Himaraya)山脈

 本名は、Miranda Nastarche[ミランダ・ナスタルシェ]。

 アジト内でパジャマ姿で過ごし続けるボクっ娘。ここ最近のルプサは長い間クララとマラーヤだけで出撃を続けて来た。

 ベージュのセーターを程よく青に近付けた感じの髪色でロングヘア勢……右眼側が隠れるくらい前髪が伸びていて、瞳は銀色。

 能力名が『マジカルナイトメア』だった時期があり、ProgressⅥ開始となる43話から能力描写が始まっていた事が今回明らかに。

 寝ている間に二人の魔法少女と条件により分岐するキャラを実際に出現させる為ディスタンスは高位。

 アジト内で寝ていれば自らの体にリスクを負わせる事なく様々な情報収集が可能なのですが今回の話数で判明した通り、夢の内容が悲惨になりがちなだけじゃなく「強制終了出来無い」という大問題がそのまま運用面でのプレッシャーに。

 寝る度に魔法少女が復活し、索敵も斥侯もノーリスクで果たせる……戦闘面だけ見れば夢のような性能を誇るものの寝る度に精神衛生を損なう羽目になるデメリットは平穏な日常を望む者には絶望的で、フィールドに出撃する際は寝る事を余儀なくされます。


~備考と言いますか~

 全員がガチで能力を使えば一大勢力になりそうなルプサですがメンバーのやる気問題以前に53話終盤辺りのクララの心境から描写された「フィールドに出撃して戦い続ける事の意味」問題と54話のように出撃せずにガーデン内で職を得て働き続けても御咎め無し問題。

 出撃モチベがあっても自らの命を危険に晒す機会を増やすだけという事実に気付いてしまえばモチベが湧かないのは全ての参加者に言える事なのかも……そもそも皆「ある日突然ガーデンに連れて来られた」わけですし。

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