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あかないキミの、異能世界  作者: 竜世界
ProgressⅢ-THIRTEEN-
20/67

第20話 その告知は、薔薇をも刺す

「まさかお前と共闘する日が来るとはな」

「レイヴンのリーダーを倒すまでだ。その後は今まで通りだぜ」


 今回のフィールドマップ、石造りの古代遺跡の広場にて。


 ダンディライオンとダイオードのリーダー二人及びそのメンバーたちが石畳の上を歩く人影への奇襲をすべく待ち構えていた。


「しっかし、レイヴンのリーダーの姿を捉えた画像何てよく手に入りやしたね」


 メンバーの一人の発言に対し、ダイオードのリーダーが言う。


「まっ、俺様がちょっと本気を出したって事さ」


 実際には匿名によるメッセージの添付画像から得た情報だったが、目の前の人影はまさにその通りの姿だった。


 深紅の薔薇を彷彿とさせる色合いを基調とした全身ローブ姿……ヤギの頭蓋骨をモチーフにしたピンクゴールドの仮面の表面には至る所に茨が巻き付いているかのようなレリーフが模様を為す。


 この外見で女性という情報を読み取るのは難しいが、この深紅のローブ姿を待ち構えるメンバー達に至っては全てが男性だと一目で判るだろう。


「俺が能力で仕掛ける。それが総攻撃の合図だ」


 ローブ姿の女性が更に一歩踏み出した瞬間、彼女の目の前に岩石が集合し人型を為したかのような全長三メートルに迫るもの……「ゴーレム」という概念に該当するものが出現し、同じものが背後にも。


 二体のゴーレムが標的を挟み撃ちする様を見て男性八名からなるメンバーの士気は高揚……雄たけびを上げながら各々の能力の生成物で深紅のローブ姿の女性に襲い掛かる。


 こいつぁ、俺の能力の出番も無しに終わるかもな。


 そう頭に浮かべたダイオードのリーダーの能力はチャージ式……その場に留まる必要がある固定砲台型だが十名の中では最も威力のある広範囲攻撃を繰り出せる。


 そんな能力のチャージ状況がまだ五パーセントも進んでいない頃だった。


 ローブ姿の女性を取り囲むように飛び掛かっていた八名が一瞬にして切り刻まれ奇襲に参加した十名の内、生存者は二名という状況になった。


「おいおいっ!」


 ダンディライオンのリーダーがそう叫んだ次の瞬間、彼の心臓部分をくり抜くかのように穴が開き、程なく地面に損壊した心臓が落下。


 これで生存者は残り一名になったかに思えたが……ダイオードのリーダーの首から上部分が今し方離れた為、それは間違いだろう。


 今回生成されたゴーレムにはコアが存在せず、耐久値を削り切るまで活動し続ける代物だったが、能力生成の供給源が断たれた今、各々の結合部分が崩れて行き、それぞれの岩石が地面へと落下するのを待たずに途中で消えて行った。


 そんな一幕があったゲームが終わった翌日。


 レイヴンのリーダー『ローズハート』もいるガーデン内の全参加者に情報が発信され、その情報を見た者全てが目を見張った。


 このような事例は今までに無い。いつものように表示されたウインドウの中に見た事の無い情報が連なっている……今日のフィールドが全員強制参加条件で発生し帰還した時点で、告知した全てが適用されていると言うのだ。


 中でも動揺をもたらしたアナウンスの一文は、これが候補として圧倒的か。


――このガーデンの管理レベル引き上げ。


 連れて来られた当日の説明は用意された音声を流すだけで済まされ、ゲーム参加を拒否し続けても最下位を取り続けても一切のペナルティーが発生しない。


 このゲームは本当に管理されているのだろうか?


 そんな疑問を抱いていた参加者には(さぞ)や衝撃的だった事だろう。



 ProgressⅢ読了ありがとうございます。


 よければブックマーク、相応と思った評価ポイント、感想の検討……お願い致しま……他の事も書こうかな。ちなみにツイッターのフォローよりもフォロー外からのリプライ大歓迎です。


 実はここまでがProgressⅡの予定でしたが6話から20話……15話分あるのは問題視した方がいいかなと思った結果、第12話で綺麗に区切れる事が発覚。


 そして最初の下書きでは22話まで書いてProgressⅣの構成は流石に勢いじゃダメだなと一旦立ち止まって、投稿作業を開始した次第……ここまでの後書きも本年七月末に書いたもの。


 ProgressⅣは何話構成になるのかなぁ……存分に構想します。


【2021.08.22追記】

 章の文字をProgressに直す修正により上記の文が2021年7月末に書いた下書きと言えるか怪しくなりました。

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