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運命と私  作者: 田中らら
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悪魔の誘い

私は重たい気持ちを引きずって、

1人で家に帰った。


家にいても、会社に行っても、

私は孤独、このまま孤独死するのかな?


私の心は底なし沼に沈んでしまった。


次の日も私の心は沈んだままだった、

底なし沼から這い上がるには時間がかかる。


朝起きてカーテンを開け、

「会社行きたくない!」

と独り言を言って見た。


わかってる、

生きる為に働かないといけない。


私はがんばって仕事に行った。

そしてどうにか1週間を乗り切った。


金曜日、今日がんばれば明日はお休み!

私の心は少し軽くなった。

まさかその金曜日が悪夢の始まりだなんて、

夢にも思っていなかった・・・


その日はお休みが多く、

みんながお昼を食べに外に出ていた為、

オフィスには私と江藤の2人だけだった。


私がコンビニで買ったパンを食べていると、

「最近元気ないね、今夜飲みに行かない?」

と江藤が声をかけて来た。


「えっ?」


この2年間話したことなんてほとんど無いのに、

急に誘われ私はびっくりした。

「江藤さん奥さんいるでしょ、怒られますよ!」

私はやんわりと断った。

「今日はかみさんが友達と飲みに行くっていうから、

俺1人なんだよ、夜ごはん付き合ってよ。」


普段なら断る誘いだが、

家に1人でいるよりましだと思い、

私は江藤と飲みに行くことにした。


江藤は私より10歳年上の当時は35歳だった。

背が高く、見た目は悪くないが、

どこか頼りないイメージがあった。


そもそも結婚しているということで、

恋愛対象として見たことは無かった。


仕事が終わり私たちは別々に会社を出て、

会社から少し離れたところで待ち合わせた。


「小さな会社で変な噂になったら嫌でしょ?」

と江藤に言われたのだが、

本当のところ私は全く気にしていなかった、

ただ同僚と飲みに行くだけなのに、

そんなに人の目を気にする必要はあるかな?と思ったが、

江藤は結婚しているから、噂が嫌なのだろうと思い、

江藤の言う通りの場所で私は待っていた。


少し待っていると江藤が小走りでやってきた。

「ごめん、寒かったでしょ?」


「大丈夫です。」


「おすすめのお店があるんだ、嫌いな料理とかある?」


「無いです。」


職場での頼りない江藤とは違って、

気の利く大人の男性みたいな江藤に、

私は少しドキドキしていた。


つづく

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