『承』(間咲担当)
※新たな使用ワード
無し
※スペシャルワード
『喜怒哀楽』の怒
一方その頃、あの世では。
「ふうん、やっぱり殿は大人気なんだなぁ」
「オイ光秀、どうかしたか?」
「あっ! 殿!」
光秀と呼ばれた男は、かの有名な明智光秀である。
そして殿と呼ばれた男は、日本一有名な武将と言っても過言ではない、あの織田信長その人であった。
「い、いえ、何でもありません」
「何だよ~、教えろよ~」
「何でもないですってば」
「も~、教えないとくすぐっちゃうぞ。こちょこちょこちょ~」
「ちょっ!? や、やめてくださいよ殿! う、うひゃひゃひゃひゃ」
「こちょこちょこちょ~」
「うひゃひゃひゃひゃ。マ、マジでやめて」
「こちょこちょこちょ~」
「やめて。やめ、やめ」
「こちょこちょこちょ~」
「やめてって言ってんでしょうがッ!!! この尾張の大うつけがッ!!!!」
「っ!!」
光秀は突如ブチギレた。
光秀は普段は温厚だが、キレると怖い男なのだ。
「あんたはいつもそうだよッ!! そんなんだから私に焼き討たれたんだぞッ!?」
「ご、ごめん……」
信長はシュンとしてしまった。
意外とメンタルが弱い男なのだ。
「お、怒ったか、光秀?」
「……いや、まあ。それ程は……怒ってませんけど」
「本当か!」
信長は瞬時に顔をほころばせた。
凹むのも早いが、立ち直るのも早い男なのだ。
「ふぅ~! 光秀ふぅ~!」
「ちょっ!? 殿!? ウザ絡みしてくるのはやめてくださいよ!」
「うへへへへへ、こちょこちょこちょ~」
「はあっ!? あんたマジか!? や、やめてッ! うひゃひゃひゃひゃ」
「こちょこちょこちょ~」
「うひゃひゃひゃひゃ。マ、マジでやめてってば」
「こちょこちょこちょ~」
「やめて。やめ、やめ」
「こちょこちょこちょ~」
「やめてって言ってんでしょうがッ!!!!! もう一度本能寺行くかッ!!!?」
「っ!!」
こんな遣り取りを、この二人はもう、何百年も続けているのであった。
間咲さん
スペシャルワードをクリアしました。




