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ホープ オア ディスペアー -the first tales -  作者: 林檎鮫
第1章 
5/39

#5 ジョウトウ

「てか・・・ベリアル。何か、変な音しないか?」


「ん・・・?そう・・・・?」


リスタは何かの音が聞こえているらしいが、ベリアルには不審な音は聞こえない。


「足音か?それも、複数いる。」


「足音・・・・。何か、聞こえるような・・・・」


微かに連続した音が聞こえた。


「お、おい・・・狼だっ!!ベリアル!!お前の母さんを守るぞ。」


このまま二人で逃げたとしたら、リノとの契約を破棄することになってしまうし、さらには母の命が危ない。だとすれば、戦って退ける他ない。


(昨日、ヤンキーたちを退けたあの力・・・今は、使えるのかな・・・・・・ただ、試すしかない)


『グルルルルッ・・・』


狼が唸り声をあげ、全匹分の咆哮を同時に浴びる。それは耳に響くというより、風として、髪や服を揺らすような感じであった。


「ファスクッッ!!」


リスタによる魔法詠唱。手から解き放たれたオーラが直径1m程の火球へと化し、狼の大群へと襲い掛かる。


『ガゥルルルルッ・・・!!』


軽い身のこなしで火を避けていき、地面に衝突する。


「おりゃぁぁあっ!!!」


前回やったように、狼を殴る。避ける気配もなく、殴打が当たるが、前のように破裂しない。


「お、おい、ベリアル。何やってんだ。」


「使え・・・ない・・・」


昨日の能力が使えなくなっている。というより昨日、どうやって使えたのか、分からない。ただ、無意識に殴っただけだった。


「くっ、しょうがない。ファナクゥッ!!!」


手を横に振り、纏っていた魔力が水滴のように幾つにも分かれ、一つ一つが氷となって狼に襲い掛かる。

数匹、氷が刺さり血が飛び出り、3匹絶命する。


「よし、次っ・・・!!」


『グルルルルッウッ・・・・ッ・・・!!』


二人に飛びかかる。


「うあっ・・・・やめっ・・・」


リスタが腕を噛まれ、牙が肉に突き刺さる。そのまま、ベリアルの母の方へ飛ばされる。幸い、牙に引っ掛かることなく、抜けてくれたので、追撃はない。


「いってて・・・」


「くっ、リスタ・・・・。」


次は、ベリアルに襲い掛かる。それも、十数匹が同時に飛びかかる。押し倒され、動きを封じられる。


「たっ・・・・助け・・・・!」



これから噛まれるという恐怖が襲い、魔力を体中に纏わせる。そして、有無を言わさず狼の鋭い牙が同時に迫る。


――――ガキィィン!!


『ガゥゥウッ!?』


全匹後ろに跳び下がり、口から固形物がぽろぽろと落ちる。歯だ。歯が欠け、歯ぐきから離され落ちる。


「な、何・・・!?何が、起こった・・・の・・・?」


自体が全く飲み込めず、体毛を逆立てている狼たちを見る。


「っっ・・・・ベリアル・・・何だ・・・それ?」


「え!?」


リスタが指さした先は、ベリアル。どういうことかと見ると、自分の体に、魔力で作られた鎧が纏われていた。


「なに・・・これ・・・・私にも、分かんない。」


「と、とりあえず、お前は今、攻撃を受けても多分大丈夫だ!!一気に攻めろ!!」


「良く分かんないけど、上等ォッ!!一匹残らず、お母さんに手出しはさせないっ!!!!」




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