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8 建国記

『いっておくが人間のことは知らん。』


「…ハイ(その辺はアルマスさんに聞きます)。」


ロウソクの灯りが消えそうに揺らめいている中

ベッドに横になりながら、頭を整理している。


妖精王が私の魂を妖精の子供の体に入れたのは

妖精の国と人間の国をつなぐあの黒い扉を、無事に抜けるために呼び出したんだそうだ。


具体的には、肉体を持った姿で抜ける為なんだそうで

妖精がそのまま扉を抜けると、今のプーの姿のように精霊化してしまい

ヒトやモノに干渉することが出来なくなってしまうんだそうだ。


風をおこしたり、火を操ったり、精霊が出来ることは可能みたい。

精霊ができることってのがあまりピンとこないから

何が出来るかはその時々に聞いてみようかな。


何故、私なのか?って思ったんだけど

上手く呼び出せそうだったからとかプーは曖昧な返事だ。


同じ世界同士で魂を抜いたりすると神様同士でもめるらしく?

他の世界の魂を呼び出してみたら成功したって感じらしい。

異世界でも十分問題だと思うんだけどなぁ…。

私の世界の神様は怒ってくれなかったんだろうか。


そう、普通にこんな話をしているけど

この世界は、神様も、妖精や精霊も、魔法も普通に存在するらしい。


神様が一番偉い存在で、世界に3柱存在してて

妖精王はあれでも妖精の世界の神様らしい。

…ピンクの頭してたけどあれ神様だったんだ…。


あとは人間の神様と黄泉よみの国の神様が存在してるそう。


私の記憶も無いし、魂が元の場所に戻れるかも妖精王次第らしいけど

今はその、おつかいってやつをやり遂げて妖精の国に帰らないと交渉も出来なさそう。


それで、そこまでして人間の国にどんな用事があるのかってことなんだけど。


『妖精王が昔、人間に渡した指輪を取り戻すんだ。』


「へぇ~、指輪を?」


『昔は世界を自由に行き来できたんだけど、その時仲良くなった娘に王が指輪を渡しちゃったんだけど、力が大きすぎて大変なことになって。』


「大変なこと?」


『人間の神様を倒しちゃって。』


「…えっ?」


『なんでそんな愚かな事をしたか知らないけど、神様の加護のない世界は天災や戦争や魔物が暴れだしたりで荒れに荒れちゃって。

 扉に力が無くなって、世界同士も行き来出来なくなったから妖精王もどうにもできなくて。』


そうこうしている間に、指輪の娘が大陸北部に魔物を追いやり

人が住む南側を平定して、この国を作りあげたんだそうだ。

これが今の王国の建国神話らしい。


「な、なんと…。」


『200年くらい前の話だな。』


「じゃあその指輪もってる子は?」


『死んでる。でも指輪は代々王家が引き継いでるそうだ。』


「えっと、そんな危ない指輪を私が取り返すの?その、お城に行って。」


枕元に座ってるプーは足をぶらぶらさせながら少し光っている。


『んー、もう力は残ってないって聞いてるけど、大丈夫だろ。』


「な、なんでよ!そんないい加減な!」


斜めに下げているポシェットをごそごそ探る。

ニヤッて笑った。

小さくてかわいいくせにニヤッて。


『まだ沢山惚れ薬はあるから。』


絶対使わせないし!

それにあんまり効かなかったじゃん!



まだまだ全然聞き足りなかったけど

夜はゆっくりと忍び寄り


いつの間にかぐっすり眠っていた。




挿絵(By みてみん)

設定などです。画像入れれました。

そろそろ旅に出たい。

地図は Inkarnate - Maps で作りました。

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