58 指輪の姫3
「お前、これが見えるわね?」
鳥かごの中には淡い光を放つ、そう、小さな妖精プーがそこに居た。
「プー!」
姫はカゴをテーブルの上にドンッと置く。
『…!!…!』
プーは何か叫んでいるが聞こえない。
な、なんでこんなことに…?
「いい?こいつの命を助けたいならお姉さまには何も言わない事。」
姫の表情は先程と比べて急に偉そうな厳しい顔つきになる。
「聞いてるのっ!?」
「はいぃっ!」
ひえぇっ。と目をつぶる。怖い人だった…!
「あのね‥そんなに怖がると私が悪者みたいじゃない!
子供の扱いなんて知らないんだからっ。命までは取らないわよ。」
ぷんすか怒りながら姫は話を続ける。
「貴方も、この指輪を取り返しに来た妖精王の使いなんでしょう?」
「何でそれを…。」
「そりゃあ、代々妖精たちが何度も取り返しに来てるもの。悪いけどお断りしてるわ。…でも…。」
「でも?」
「大陸の西の魔女を討伐する条件でなら返してもいいわ。」
「西の魔女?」
「あそこさえ平定されればもう危険はないから、返してもいい。」
姫は鳥かごをコツコツ叩きながら、こちらを見下して話す。
「これは大切じゃないの?処分してもいいわけ?お前に選択肢はあるの?」
…。思わずムッとする。
「今すぐその鳥かごから彼を出して。話はそれからだよ。」
大切な仲間のこと、処分とか言われて完全に頭にきた。
「ふ、ふん。そんな口をきける立場?今すぐお前を捕まえたっていいのよ?」
「私は捕まらないよ…。」
「ふん、やっぱりその緑の目、人間じゃないわね!」
周囲を見渡す。
光の精霊は沢山いる。植物の精霊も薔薇の花瓶に少しいる。
…。
「この城には魔法をいくつもかけてあって、捕まえた妖精達は全部、1階の植物園に全部閉じ込めているのよ。
も、もちろん普通の手段では逃げることは出来ないんだからっ。」
人質ならぬ、妖精質…。
どうしてやろうか、このお姫様。
ふつふつと、怒りがこみ上げてくる。
「そ、それと私には、指輪をはめている間は魔法が効かないんだからねっ!」
リアン姫は少し焦っている…?
「じゃあ、試してみる?光の精霊よ…」
「あーっ!待った待った!わかったわ!」
リアン姫が鳥かごを突きつける。
あれっ?いいの?
「部屋をめちゃくちゃにされたら困るからよ!こっちの条件は言ったんだからね!
明後日の魔女の討伐隊に加わるなら、手配させるし…。」
「…大体あなた達妖精は、一度あげたプレゼントを取り返しに来るとか、常識が無いわけ!?
どうしても返して欲しいのなら普通、こっちが頷くような条件や同等品を頭を下げて持ってくるのが普通じゃないの??」
…はい、それはもっともです。
「それを私ばっかり悪者みたいに、何度も何度もアンタ達は忍び込んできて…!しかもみんな偉そうな態度でっ!
そりゃお城に魔法をかけて守りを固めたくなるってものでしょ?」
…はい、それはそうだし、忍び込んだ妖精を捕まえるのもごもっともだな。
「わかったなら、さっさと帰ってちょうだい!こっちだって大変なんだからねっ!!」
姫が手を鳴らすと、執事達が部屋に入ってくる。
うーん、千載一遇のチャンスではあったけど、
魔法を使って無理矢理奪うのも、なんか違う気がしてきた。
魔女の討伐隊に加わるならと、集合場所と日時が書いた紙も持たされる。
色々考えてるうちにプーの入った鳥かごを持ったまま、お城から追い出されてしまった。
中々手強いけど、どうしようか?
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ちょこちょこ更新ですみません。




