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55 デリーン城

デリーン城。

中央山脈を背にリングヒルの街を見下ろす丘の上にそびえ立つ、白亜の城塞じょうさい

街から丘へ続く馬車一台分ほどの広さの道をうねりながら登ると、お堀と跳ね橋がある。

橋の下には3メートル程の小川。その先には城門と門番が立つ。


宿が手配してくれた馬車にワカとブリジットはローブ姿で乗っている。


「まず礼拝へ行きます。そこに姫もいると思いますわ。貴方は付き人な感じでお願いしますね。」


こくり、と頷く。

付き人…タオルか何かで汗を拭いたりしたらいいかな。


門の前で馬車が止まるとブリジットが顔を出す。


「ごきげんよう、皆様。」


門番の兵士はおおっと驚き、後ろの兵士へ門を開けるよう指示する。

「ブリジット様!今日は礼拝に?何時頃舞台へ上がるのですか?」

「今日は巫女様の歌が聞けるんですね!僕これから交代だからラッキー!」


門番用の小屋から数人兵士が出てきて、ブリジットと握手する。

ブリジットはニコニコと笑いながら、そろそろよろしいかしら?と馬車を進めた。


「顔パス?」

「オホホ。城にはワタクシのファンクラブもありますのよ。」


アイドルか。

さすがだなぁ~と思いながらも、

跳ね橋は夜になったら上がって入れなくなるのかな?とか、門の横の小屋は門番が数人いるんだな、高い登れそうもない城壁だな、とかプーと確認しながら進む。

プーとは城へ入って魔法もかかってなくて安全そうなら、別行動で色々探りを入れてもらる予定にしている。


門を抜けると広場のように大きく開けていて、右手に馬車置き場と建物、左手奥には教会や塔などが見える。中央正面には大きな丸い花壇と噴水、宮廷庭園、その奥には背の高いお屋敷、居館パラスがある。

外から見たら守りの固いいかめしい城塞じょうさいって感じなのに、中にはいると貴族のお屋敷って感じの優雅なお庭だ。


馬車を降りると、奥の建物から兵士が数人出てきて、ブリジットと何か話をしている。

一人兵士が付き添い、もう一人はお城の方へ。

お付きのお手伝いさん風にあまり前へ出ず、大人しく連れ従って礼拝堂へ向かった。



---



「~♪~♪♪~♪~」


城内の教会の礼拝堂は、広さこそ無いものの豪華絢爛な内装で、床はフカフカの赤い絨毯、宝石が光るシャンデリア、ステンドグラスの窓が計算された光を招き入れ、壁中に繊細な彫刻があしらわれ、柱の彫像は金や宝石で飾られている。

中央には祭壇のような舞台があり、そこには美しい女神と金色の鳥たちが空を飛んでいるような彫刻が壁一面に配置されていた。


その、金ピカ豪華な舞台でブリジットは朗々と神へ捧げる歌を歌っている。

人数は半分くらいの、40人程席が埋まっていた。

相変わらず声量すごい。


舞台袖とかは無く、後ろの端の席から静かに見学していた。

中央一番前に座っている数人の服が物凄く豪華で、あれが王族の方たちなのかなぁと思いながら見ている。

周りの席も避けるように空いているし、数人護衛っぽい騎士で周りを固めている。

中央に白髪交じりの男性は王様で、その向こうに年配の女性はお妃様かな。

逆側には若い青年と少女と子供。王子様達とリノン姫?

王子達も姫も栗色の髪。

姫は腰まである長いウェーブがかった髪をしていて、お姫様みたいだ。


そうこうしているうちに、歌は終わり、場が静まりかえる。


…パチ


パチパチパチ


ワー!!!


「ブラボー!!」

「最高ー!!」


王様の拍手を皮切りに、一斉に拍手喝采が響く。


ブリジットのファンの兵士達も歓声を上げていた。泣いてる人も結構いる。

はしゃいでいる兵士は、騎士風の人に睨まれてシュンとなったりしていた。


ブリジットは教会にいるより外のほうが、すごく崇拝されてるんだな~

教会を出たくなる気持ちわかるかも。


ブリジットは舞台を降りると、騎士の一人の手を取り、付き添われて退出していく。

慌てて追いかけて礼拝堂を出た。


「…ふぅ。」


さっそく、疲れた感じのブリジットに汗ふきタオルを差し出す。

うん、付き人として完璧。


「あの舞台、夏は地獄のように暑いんですのよ。あー暑い暑い。」


ブリジットはタオルで仰いでいる。

夏が近づいているから、昼間は日が差すと暑いよね。


「ブリジット様、お部屋で冷えた飲み物でもいかがでしょうか。」


執事とメイドが数人迎えに来た。

ブリジットはこちらを見てウインクすると。


「今日はリノン姫の…ご都合はどうかしら?」


「はっ。リノン様もそのつもりでおられます。」


「では、そちらでいただきましょうか。」


優雅な所作で歩きはじめると、ササッと道が開き、行列が出来る。


すごい。なんかすごく高貴に見える。

神聖に見えなくもない。

なんとか自分も姿勢を正して、気付かれないように控えめに、立地を観察しながら付き歩いた。


指輪の王女、リノン姫。

どんな人なんだろう。

全然進んでない~ですが、もうしばらくお付き合いください。

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