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52 王都の夜に3

ドンッ!

こ、これはあの有名な壁ドン…!


クイッ。

こ、これはあごクイでは…!?


「俺のこと好き?…ヒック。」

ああ、ただの酔っ払いか…。



---



ふらふらのアルマスに捕まえられて、狭い路地裏の影へ追いやられる。

両手で顔の左右を壁ドンされ、両足も左右に配置されてガッチリ囲まれ

身長差があるので、お互いしゃがんで、しゃがみ壁ドンみたいな格好になった。


…。

アルマスの顔が近い近い。


「俺のこと好き?…。」

ホンット酒癖悪い…。

クイッ、とアゴを持たれて顔が上にあがる。


「好き?」


「うー…好き。」


恥ずかしすぎて顔が真っ赤になる。

うつむくことも、顎クイのせいで許してもらえない。

これは何プレイなのか。


「もっかい。」


え?


「もう一度。」


酔っぱらいと思ってワガママ放題言って…。


「も~…。好き。」


「…もっと。」


「うぅ…好き。」


もー終わり!と言おうとしたら唇をふさがれる。


「…。」


唇がやわらかい。

ちょっとお酒の匂いがする。

ドキドキして、

胸がキューッと締め付けられて、苦しい。


好き。

色んなことがあっても、この気持ちで乗り越えられそうな気がする程、

強い気持ち。


ぎゅっと抱きしめ合う。



…さわっ。


ん?


ローブの中にアルマスの手が…


「わわ、ダメダメ!」


中はワンピース1枚だけで、下着とか着けてないから!

アルマスから離れようと、両手で押し返す。…がびくともしない。


アルマスの左手は、そのまま足元から服の中を滑り上がり

背中を直にサワサワ触れられている。

右手は身体を支えながら、頭を撫でている。


くすぐったい…けど気持ちいい…ような…うー困る…。



アルマスはそのまま好き放題に触りながら話し始める。


「この国は子供を大事にする割に、捨て子が多くて。」

「教会に預けるのが一般的なんだけど、教会まで行くことが出来ない家庭が、たまに誰かの家の前に置き去りにしたりすることもあるんだ。」


昔にも一度あってね。と、アルマスは続けた。


「領主の敷地内に入るなんて、見つかったら処罰されるし中々あることじゃないから滅多に無いことなんだけど…。」


「その、子供はどうなったの?」


「ああ…冬のことでね。見つけた時には亡くなってた。」


「そうなんだ…。」


「だから最初に会った時は、君のこと捨て子かな?と思ったよ。ひどく痩せてたし。」


多分、レナもギルマスさんもそう思ったんだろうな。

すごく優しくしてくれたから。


「でも、僕の頭がおかしいのかもしれないけど、一緒にいればいるほど君は子供に見えない。

 控えめな大人の女性に見えてくるんだ。」


気をつけようと思ってたのに、あまり子供っぽい言動してなかったよね。

やっぱ不審ふしんがられるよね…。


「ロリコンって言われたけど…。」


付け足して言うあたり、ロリコン呼ばわりを根に持っているかもしれない。



「それで、本当に王都に親戚がいるの?僕は何を手伝える?」


ああ、来た。


何て言おう。何て…。


でも、酔ってるならこの際、言ってしまってもいいかな。


「王都に親戚はいないの。でもやらなきゃいけない事があるの。でもアルマスは巻き込みたくない事で…。勝手だけど、しばらく見ないふりをして欲しい。んだけど…。」


…今の本当の気持ち。

おつかいのことは言えないけど、嘘はつきたくない。巻き込みたくもない。


「…。」


アルマスの顔が近づいてくる。近い近い。


「ワカからチュウしてくれたら言うこと聞いてあげる。…ヒック。」


こんのぉ…酔っぱらい!!


チュッとキスをすると、アルマスはフフッといつもの優しい笑顔で笑った。


「これから毎日チュウしてくれる?」


「もう、酔い覚めてるでしょ!?絶対!!!!」



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