表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/61

48 王都

王都―リングヒルの街。別名「指輪の街」とも呼ばれる。


中央山脈を背にして、西へ西へと広がっている大きな都市。

最東端の丘の上には街を見下ろすようにデリーン城がそびえ立っている。


「この辺からもう全部リングヒルだよ。」


王都リングヒルは、セリドウェンの教会都市と違って壁や境界線は無く、道に沿って延々建物が並んでいる感じだ。東に進むにつれ、背の高い建物や広場が目立つようになる。


まもなく街の中央付近にあるレンガ造りの大きな宿屋に到着した。

止まる時、ヒヒーンと馬が暴れて驚いたけれどすぐに収まり、

今回は車酔いせずに無事にすんでよかった。


「ひとまず1週間この宿を手配してもらったから、王都観光もできるね。」


ドアが開くとアルマスは先に下りて手を引いてくれる。

御者の人も一緒に荷物を下ろしてくれて、一礼をすると馬車は間もなく帰っていく。


木の窓枠にも飾りが凝っていて、3階建てのどっしりとした立派な宿だ。


「それから後は、王都で…家を探すの?」


「不動産屋も紹介してもらってるから、決めようと思えば家はすぐ決まるかもね。」


「…その、親戚のコトが片付いてからでもいいしね。」


そうだった。

王都に行きたいって言い出したのは私で。

ここに親戚がいるからって事になってるんだよね…。


妖精は嘘をつかないって言うけど、

嘘をついたら何か体に悪いことがあるんだろうか?って位に、すごく辛い気持ちになる。


少しうつむいていたら、頭を撫でられた。


「…色々話をして、それから考えようか。」


アルマスは無理に聞き出そうとはしない。無理強いもしない。

いつも私から話をするのを待ってくれているみたいだ。


「あの…私も、アルマスに話したいこと、いっぱいある。」


受け入れてくれるだろうか。

人間じゃない事とか、魔法のこととか。


「うん。いっぱい話をしようね、これから。」


優しい笑顔が、より辛かった。


すべてが終わって、帰ってしまえばそれで終わりだけど。

離れたくないのが辛くて、嘘も辛くて

好きも辛いな。




---




レンガ造りのドータナの宿。

チリーン♪と銅鈴の音が鳴って宿屋のドアは開く。

ホテルのように入り口すぐに受付があり、年配の男性がカウンターで管理をしている。


「セリドウェン教会から承っております。2部屋を1週間、3階でお取りしておりますよ。」


アルマスがチラッとこっちを見る。


ん?


「1部屋にして、あとはキャンセルで返金してもらうのは可能ですか?」


同室…ってそうだよね。お金に余裕もないだろうし。

いいよね?ってこっちを見るから、うんうんと頷く。


「そうですね、明日からの分ならキャンセル扱いで…」


と、その時。


「何を言ってるんですの!?教会から2部屋と伝えていますでしょ!?これでいいんですの!!」


えっ


振り向く。


ええっ!


「ブリジット!?!?」


金髪カール頭、栗色の瞳。



教会にいるはずの彼女がそこに居た。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ