31 世界一の宝
「クッソ、鼻血とまんね…。」
あのガキに会ってから俺は変わっちまった。
金持ちの乗ってる馬車を上手く襲えて、いつもの様にアジトへ帰ったはずだった。
一人、腕の立つ奴が居たのは計算外だったが―。
タビアが言うには、途中で頭がクラクラするって叫んでぶっ倒れたそうだが、全く記憶が無ぇ。
目が覚めたらデンもファンテも起きてたし、俺がやられたみたいだったじゃねーか。
あれから体がカッカして鼻血はすぐ出るし、
あのガキの事を思い出すと心臓が跳ねる。
ソワソワして落ち着かねぇんだ。
俺は考えた。これは、俺のカンだ。
今まで盗賊家業を続けてきた、俺の第六感だ。
あのガキは特別だ。ものすごい宝を持っているに違いねぇ。
俺の頭が、血が、経験が、全部がそう言ってる、ハズだ。
あいつは見たこともないお宝を隠している、に違いねぇ。
そう、思い出してみたらなんかあいつは特別な感じだった。間違いねぇ!絶対そうだ!
プラチナブロンドの細い、サラサラした髪だった。
目は大きくて、緑で、宝石みてぇだった。
肌は白くて、細い体は・・
んあ~~!ちゃんと食わせてもらってるのか?アレは!?
俺の所に来たら肉でも何でも食わせてやる!!くっそ~~!!
俺の所に来たら…俺の…
「兄貴ぃ。何ジタバタしてるの?目立つよ?」
ドキッ
「いいからちゃんと見張れ!!
今日の昼間、教会に来る可能性が一番高いんだからな!」
タビア。俺が拾ったみなし子。
ガキの頃から兄貴兄貴と慕ってくるのはいいが、いい加減こんな家業から足を洗わせて嫁に出さねぇと。宝が手に入ったら、田舎領主の次男三男あたりに金を積んで嫁に出すか。
この世は金だから。金が全てだ。
だから絶対に手に入れる。あのガキ‥お宝を!
「兄貴!アレそうじゃない!?3人だけど奥の通路から入ってく!」
「教会関係者だったか!つけるぞ!」
心臓がバクバク鳴り出した。
絶対に、絶対にあいつを―…。
短いけど、人称が変わるんで一旦切る感じです。
ブクマありがとうございます。




