27 街道の盗賊
中世ファンタジーの世界は、生き抜くのが厳しい世界だ。
貧富の差が激しく、殺し合いも戦争もある。
教育も行き届いてないから、盗賊になる人もいるし
盗賊は高級そうな馬車があれば襲う。
盗賊―チンピラ達に囲まれて、今、馬車をガンガンと蹴られているのだ。
「おぃ!出てこいよコルァ!!金出せ!!」
「大人しく出てきたら命は取りゃあしねぇよ!出てきな!!」
ガンガンガン!!
御者の気配は無く、一番に逃げ出しているようだ。
アルマスは剣を構えて外の様子を伺う。
老夫婦とワカは中央通路にしゃがんで伏せる。
「…4人ならいけるな。隠れててね、ワカ。」
「アルマス、大丈夫?」
「若いの、無理せず金より命だぞ。」
にっこり笑うとアルマスは外へ飛び出る。
キンキンと金属音が鳴り、叫び声がワァワアと聞こえる。
魔法で加勢しなきゃ!とプーと目を合わせ、馬車から顔を出す。
「風の精霊さ‥!」
「つっかまーえたっ!おい、剣を置けゴルァ!!!」
!!
ごめん!アルマス。
チンピラ盗賊は4人。
2人はすでに気絶し倒れていて、1人はアルマスと相対して肩を押さえてしゃがんでいる。
そして最後の1人ツンツン頭のチンピラに首をつかまれ、ナイフを顔の近くで光らせている。
「おい!俺はどうなってもいい、馬車の中の人とその子には手を出すな。」
カラーン
剣を前へ投げる。
間髪入れず、アルマスの前にいた華奢な男がアルマスを殴る。
「!!」
「おい!この辺は警備がうるせぇから早く片付けるぞ!」
「…はい、兄貴ぃ。」
女?女声。
アルマスを殴ったのは女盗賊らしい。
幸い、アルマスは顔を殴られたけど微動だにしてないようだ。
「おめぇら馬車から全員出ろ!早くしろ!死にてぇのか!!男はこっち向くなよ!」
馬車から全員出て、持っている貴金属やお金を差し出す。
女盗賊は仲間2人を馬車に放り込んで御者台にのぼり、逃げる準備をする。
男盗賊はお金の確認をしながら袋に入れている。
「おい、こいつも置いてけ。」
ワカの首から下げているヒモを目ざとく見つけられ、巾着袋を取られた。
ギルマスさん達のカンパがぁ…。
あ、あとその中には惚れ薬が3つ入っていた。
「ん、この実は見たことねぇな?」
「それダメ!それ食べちゃ…」
しまった!これ完全にフリになってる!?
男盗賊は意地悪そうに笑う。
「どーーなるんだァ!?アン!?ケケケ、…ごくん。あー?何だこれ、味気ねぇ。」
あー。
---
「そのまま手を上げて逆方向に歩け!」
「いいか、警備の奴らに言ったって無駄だからな?」
ワカ達4人はバンザイをしながら街道を逆方向にゆっくり歩く。
「そのうち馬車が通るから乗せてもらうんだな!神のご加護を!!」
今回はご加護が無かったな、アーッハッハハ!!
と笑いながら、ガラガラ盗賊たちは去っていった。
「はぁ…。」
アルマスは立ち止まり、老夫婦に頭を下げる。
「すみません、かえって危ない目に合わせてしまいました。お金も取られてしまい…。」
夫婦は顔を見合わせる。
「それより君、すごく腕が立つじゃないか。あいつら驚いていたよ。ハハハ。」
「貴方、口が切れているわ。これで拭いてちょうだい。」
優しく笑うと、おばあさんは刺繍を打っているハンカチを渡してくれた。
「私達は、教会都市へ辿り着けばツテがあるからどうとでもなるけど、あなた達は大丈夫?」
「はい、私もこうなれば古い友人を頼ろうと思います。」
「そう…。落ち着いたら訪ねにいらっしゃい。私達はそこに滞在するから。」
おばあさんは紙切れを渡してくれた。
それを見たアルマスは、うっ、と驚く。
「マクファーソン家の方でしたか…これは大変失礼致しました。」
「いえいえ、大した事ないの。私達はもう東へ隠居してる身なのよ。」
「そうですか。では、必ずお訪ねさせていただきます。」
アルマスの態度から見て、貴族の関係かなと思いながらも
口から何も言葉を出す気になれなかった。
殴られたのもお金を取られたのも全部私のせいだ…。
『お前ほんと鈍くさいし色々巻き込まれるし運も悪いな。』
全くフォローもしてくれないし
むしろトドメを刺しに来る妖精の所為でもあった。
逆噴射先生のお言葉を読んで
これからは解像度を落として話を進めていきたいと思いました。
今まで文章が冗長だったかもしれない。




