18 風が強い夜
「しまったなぁ…。」
アルマスのため息が聞こえる。
毛布をかぶったまま取らないよう厳しく言われてたけれど
プーが逐一解説してくれてるので、何が起こったかはわかった。
「な・・んで…薬が効いてない…。」
ドサッ。
倒れる音。
『あーあ、ロイドってやつ、心臓を一突きだなこりゃ。アルマス強いー!』
「ああ、こんなに直接的に襲い掛かってくるって思わないじゃない?盗賊にやらせるとかさ?」
「失礼ながらアルマス様。死体を確認して、逃げた場合山狩りまでしてくれるまで盗賊達と契約をしていなかったのでは?」
「そうだねぇ、彼には重荷の任務だよね…。」
風が収まるまで、少し眠ろうと灯りを消すとまもなく、
入り口で機会を伺っていたロイドが唸り声と共に襲いかかって来た。
アルマスは、立ち上がると足に仕込んでいた短剣を素早く取り出し
暗い影に深く深く剣を突き通す。
レナが明かりをつけた時初めて、アルマスはロイドだと気付いたようだ。
私は目を開ける前に毛布を頭からかぶせられた。
「そのまま動かず毛布をかぶってなさい!」
「は、はぃい…??」
アルマスとレナは、誰かが見ている気配に気付き誘い出すように寝たふりを初めたようだ。
鈍くさいことに私は何も気が付かなかったんだけど
寝る時に、奥へ奥へ押しやられたのはそれが理由かぁ。
「あぁ、血がすごい。」
「そこの崖から落としてしまうのが良いかと思います。ワカ様に見えないように。」
「そうだね。」
アルマスの気配が消える。
洞窟内をザッザッザッと掃く音がする。
「大丈夫よ。アルマス様の剣の腕は一流でいらっしゃいますから賊になど負けません。毛布はそのまま取らないように。」
「あっ、はい。ロイドさんは…?」
「…見たの?」
「いえっ!見てません!声でそうかなって…。」
ぶるぶるぶる。
ドスが効いた声は、盗賊たちより怖い気がする。
そのまま毛布を頭からかぶったまま、荷物のように抱えられて洞窟を出た。
「もう安全だからしばらく寝ていいよ~。」
「寝れないよ!!」
ははは。と笑う声。
なんか笑ってるけど、
見てないから実感が沸かないけど‥
あれだよね、ロイドさん死んじゃったんだよね?
盗賊とか、殺し合いとかこういうの、普通にある世界なんだなぁ。
手をグーパーさせる。
やっぱりすごく怖かった。




