第一章 2
次の日…
「さあさあ!デッセージ部に行くよ!」
と当たり前のように僕の席にやってきて手を引っ張り催促するももか。
「僕一言も入るって言ってないんだけど。」
しかし、ももかは
「昨日夢でいっしょに入部しにいったもん!あれは正夢だもん!」
と、さも自分は全く間違ってないかのように暴論を唱える。しかも手を引っ張る力が割と強い。
「僕は行かないから!」
手を振りほどき、走ってその場を後にする。去り際に寂しそうなももかの顔が見えた。
わたしはデッセージ部に向かいながらなぜはーちゃんは部活に入るのをあんなに嫌がったのだろうと考えていた。
(はーちゃん、昨日の部活体験でやった模擬デッセージ楽しそうにやってたと思ったのになー。
はーちゃんがいっしょにいてくれたからわたしはいろいろなところで安心して楽しめた。だから今度はわたしがはーちゃんを楽しめるようにしてあげたいと思ったのに……)
「ももかちゃん!来てくれたんだーさあはいってはいってー」
「っ!?」
ふいに後ろから部長に声をかけられた。いつの間にかデッセージ部の部室についていたんだ。
「ん?どうかした?」
「いえ!なんでも…ありません…」
「今日ははるきくんは?」
「いっしょに来ようと思ったんですけど逃げられちゃって…」
「そっか…でも明日は来てくれるよ!」
そうだよね!明日は来てくれるよね!
「すいません!なんか暗くしてしまって。」
「ももかちゃんは入部するってことでいいんだよね?」
「はい!よろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくね。」
今まで気づかなかったけど部室にはゆうさくくんを含め10人ほどの人がいる。みんなデッサンをしているようでとても集中してるように見えるなぁ。わたしもあんなふうになれるのかな。
「はい。一回デッサンストップ!」
何故か部長が部員を集めた。
「今から新入部員争奪!デッセージ対決をするよー!」
「「「うぉー!!」」」
何が始まるんだろう。
「今日は完全下校時間も近いし、当てるのは新入部員のももかちゃんとして、ルールは10分5人でお題は後で伝えるよ。ももかちゃんはここに座ってねー」
と部長の指示した方を見ると…
「なんでこんなに豪華な王様みたいなイスが?」
「まあまあとりあえず座って座って。」
「はぁ」
座ってみるととても心地よく眠気が誘ってきて……
「も…ちゃ…ももかちゃん起きて。」
「ん…」
とても眠い…
目が冴えてきて部長が見え…
「あっすいません!寝てしまって。」
王座みたいなイスに座って寝ちゃったんだ
「それは気にしないで。じゃあももかちゃんこの5枚の絵から連想できるものは何?」
5枚の絵に描かれていたものはコーラ、看板、レジ、お菓子、漫画だった。わたしにはその関係性がわからなかった。
「すいません、わかりません。」
絵を描いたらしい5人が残念げな表情を見せる
「じゃあこっちの5枚は?」
こっちの5枚はたくさんの人、エレベーター、宅配ボックス?、たくさんの郵便受け、自動扉が描かれていた。
「マンションですか?」
「せいかーい!ということで、勝ったスターチームにももかちゃんには入ってもらいまーす!」
「「「「やったーー」」」」
わたしはスターチームになったのかな?
スターチームにはゆうさくくんもいた。
「スターチームのみなさんこれからよろしくお願いします!」
「さくらぎさんこれからよろしくね」
これからわたしの部活動が始まるんだ!
はーちゃんはどうしているんだろう…