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FUNNYS1  作者: sakasu
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Beautiful murderer

ここは人が寄り付かなくなり、廃墟ばかりの街。

およそ20年前。

まだこの街にはたくさんの人々が行き交っていた。

しかし、ある日いきなり起こった被爆テロによって一瞬にして街は静かさを持った。

誰ひとりとして生き残ることはなかった。

この被爆テロを仕組んだのは秘密組織の会社である‘MINATO’であった。

会社自体が秘密組織だったために政府側は被爆テロ事件の原因を何かしらの事故と

言い張った。

秘密組織である‘MINATO’が何を企んでいるかは

被爆テロ事件が起きてからの20年の間は誰も知らなかった。




今これから200億円を賭けた壮絶な殺人バトル‘Beautiful murderer’が始まる。

被爆テロで破壊された街はこのゲームのために作られた。

これから再び殺人の場へと逆戻りするのだ。







「皆様お集まりいただけたでしょうか?私は司会進行役を務めさせていただく

サノメと申します。どうかお見知りおきを。」

品の良さそうな男はサノメと名乗り頭を軽く下げた。

ここは、街の端に建てられた‘MINATO’の本拠地だ。

ここに集まっている人々は何かしらの理由で大金が必要になった者だ。

俺の名前はシュイ。黒髪で腰までの長さがある。この街から一番遠いい‘アリア’という国から歩いて来た。

俺がこのゲームに参加する理由はただ一つ。

重い病にかかった弟を助けるためだ。弟の病気はお金さえあれば

すぐにでも治せるものなのだ。弟の病気の薬は馬鹿にならない額なのだ。

両親は共働きをし、なんとか薬を買うお金を稼ごうとするがそう運良く儲かる訳もない。

何もしてやれない。俺は悔しさと惨めさを心底感じて住み慣れた国からここへと

足を運んだのだ。

「では最初にこのゲームのルール説明をさせていただきます。

メモをとる方はどうぞご自由に。

このゲームは皆さんご存知の通り殺人ゲームです。

どんどん殺し合いをしていき最後まで生き残った人の勝利です。

武器は銃などの使用は禁止します。

刀などの凶器ならなんでも構いません。

ここまでの説明に何か質問はありますか?」

そこまで話してサノメはあたりを見渡した。

どうやらサノメの説明に異議を唱えるものは一人もいないようだ。

サノメはそのことを確認して再び口を開いた。

「このゲームはグループでプレイしてもらことになっています。

何か異議がある人は挙手でお申しください。」

そう言うや否や一人の大柄で強面だがイケメンの区域には入るグレーの髪の色をした男が

「はいっ!」

と言って手を上げた。

服装は一言で表すと派手だ。首周りにはグレーのファー付きのジャケットが無造作にも飾られていた。

ジャケットの下には布の一枚も身につけていない状態だ。

下はジャラジャラと鎖のついた群青色のズボンを履いていた。

周りの人間がというよりも集まった人全員が一斉にその男を見た。

そんな事は気にしないようでそのまま堂々と手を上げている。

「はい。どうぞ」

サノメは彼の存在に気づき指名した。

「グループってのにまとめられるのも嫌だが、メンバーで勝ったとしたら200億は

みんなで分けろっていうのか?俺は200億全額ないと困るんだ。」

男はおおきな声でそう主張した。

しかしそんな男の気迫にサノメは負けない。

「質問の意味は分かりました。お応えいたしましょう。

たとえグループで勝ったとしても200億円は必ず一人ずつにお渡しします。」

サノメはそう言い切った。

大柄な男は納得したように頷いて上げていた手を下ろした。

「他に何か質問はありませんか?」

再び見渡すが今度は一人もいないようだ。

「では説明の続きをさせていただきます。

グループのメンバーはそれぞれお好きな方とお組みください。

しかし人数に決まりがあり、1グループ必ず4人でお願い致します。

人数は多すぎてもいけませんし少なくてもいけません。

ルール違反が発覚した場合その場で即刻処分させていただきます。

ではこれでルール説明は全てです。

グループに分かれた人からこの会場から退場してゲームを開始してください。

この街の中であればどこにいても構いません。

では、これにて私は失礼させていただきます。」

サノメは再び軽く頭を下げてその場から立ち去った。

俺はすぐにでもメンバーを作るつもりだったがいくら待てども誰も寄り付かない。

会場内からは次々とグループを作った者たちが外へと出て行く。

俺はサッサと会場内を歩いてみる。

しかし皆、俺が横を通ると振り返るのだが話をかけてはくれない。

少し歩いて一人の男が声をかけてきた。

男は長身で緑色の髪の毛をしていて顔にはおでこから鼻の上まで黒光りする

仮面をつけておりどこから外を見ているのか不思議な仮面だ。

白いコートの中は黒いハイネックを着ている。

「君いい匂いがするね。」

そう言って長身の男は俺の首筋に図々しくも鼻を擦りつけてきた。

怪訝な顔をするとやっと嫌がっていることに気づいたらしく

口を開いた。

「ごめんねぇ~俺匂いフェチなんだぁ~」

そう言って今度は図々しく俺の首元を撫で回した。

俺は耐え切れなくなり振り払おうと体を少し捻った。

しかし、ある人間の声によって遮られた。

「あぁ!!やっと見つけたっ。この黒髪の男の人はボクが見つけて狙ってたんだよ!」

そう言って現れたのは金髪の男だった。

ピンク色のハートのヘアピンと赤色のハートのヘアピンを交差につけている。

顔は童顔っぽいが身長は俺より高い。

なんか悔しい・・・。

童顔男は俺にひっついていた長身男をはがしとって

今度は自分が抱きついてきた。

「ボクはこの黒髪美人と組むんだ!」

そう言って童顔男はしっしと手で長身男を追い払うように手を動かした。

しかし長身男は引かなかった。

「でも2人だけじゃあルール違反になっちゃうよぉ~。だから俺もグループに入れてよぉ~」

そう言って童顔男がひっついていない方に長身男はひっついた。

結局二人から逃げきれずにあと一人のメンバーを探すハメになった。

『なんで俺がこんな変態と・・・こんなので勝ち進んでいけるのか?』

心でつぶやきながら変態二人の後ろをトボトボとついていく。

結局会場に残ったのは変態二人と俺と先ほど

異議を唱えていた強面男だった。

「君残り物なんだぁ~」

強面相手にビクともせずひょうひょうと長身男は声をかけた。

「残り物って変な言い方すんじゃねーよっ」

強面男は長身男を軽く睨んでいる。

そんなことも気にしない童顔男もまた軽く口を開いた。

「しょうがないねぇ~こんなごっついのボクの好みじゃないけど

こういう時は[残り物には福がある]っていう言葉をいっちょ信じてみますかぁ~」

強面男は何を言っても変態二人組にはかなわないと感じたのか俺に話かけてきた。

「お前は一番ましそうだな。名前はなんだ?」

「シュイだ。」

短く答える。しかしその無愛想さが気に食わなかったのか

「お前元気がねぇなぁ!こいつらのせいか?!」

そう言って変態二人に指を勢いよく指した。

「人に指さしたらだめだよぉ~」

長身男がそう言った。

「お前が言っても説得力ない。」

俺はつい言ってしまった。

「シュイちゃんが喋ったぁぁっ!!」

『シュイ・・・ちゃん?』

どこぞの金髪少女が立ったときのような大きな声を出してひっついてきた。

「さっきも喋っただろうが・・・」

ぼそっとつぶやくが童顔男はいっさい聞いていない。

どうやらこいつは俺に抱きつく口実が欲しかっただけのようだ。

俺はもう気にしないようにしようと心に固く決心した。

「お前は?」

「ラオだ」

言い終わると長身男が口を開いた。

「裸王?あ~あ確かにジャケットの中裸だもんねぇ~」

「誰が裸王じゃっ!どんな聞き間違いをしてんだよ」

ラオと名乗った男はここぞとばかりに突っ込んだ。

「お前よくこんな奴らとグループ組もうと思ったなぁ~俺だったらこんな奴ら絶対相手にしねぇもん」

「俺だって組みたくって組んだんじゃない。勝手について来たんだ。こいつらが。

しかも余ってたのがこいつらだったというか・・・」

ラオはなるほどと頷いた。

「確かに誰もこんな奴らと好き好んで同じグループになろうとは思わねえもんなぁ~ドンマイ。」

同情の言葉を投げかけてきた。

「お前もこのチームのメンバーだぞ。」

そう言ってみる。ラオは一瞬固まった。が、次には目を大きく開けて

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?なんでだよ。嫌だっ」

と会場に響き渡るような大きな声を出した。

俺が答えるまでもなく長身男が口を開いた。

「だって会場に残ってるの俺ら4人だけだもん。ドンマイ」

そう言って長身男はラオの肩を右手で軽くポンポンと叩いた。

ラオは言われてあたりを見回した。

案の定広いこの会場にいるのは自分とシュイと長身男と童顔男。

ラオは観念したように肩で溜め息をこぼした。

「僕はセルフィ。よろしくねシュイちゃん♡」

金髪の童顔男は名前をセルフィと名乗った。長身男はセルフィに続いて名乗った。

「俺はクローン。匂いフェチでぇ~す。ちなみに好みの匂いはシュイちゃんです。

よろしく」

俺とラオはともに心のそこからため息をこぼした。





これから殺人ゲームが始まる。

殺さなければ殺される。それが‘Beautiful murderer’という名の

ゲームなのだ。



                                ~続く~



本作品を読んでいただき誠にありがとうございました。

初めてのジャンルの小説でした。いかがでしたでしょうか?

少しでも面白いと感じていただけたのなら嬉しいです。

今後も皆様に気に入ってもらえる作品を作成していきたいと

思っています。

どうぞご贔屓をよろしくお願いいたします。

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