希望
黒いさざ波が、寄せては返す
そんな浜辺に 私は一人、佇んでいた。
護るべきものは流され、護られるべきものだけが残った世界
きっと 私たちには 手の届かない現実。
ありがちな同情はいらないのだろう?
何かにつかまりたくて 縋りたくて
逃げ出したくて、ふっと立ち止まる
そうか、逃げ場所は流されてしまったのか、と。
一つ気付いてしまうと あとはもう
ガマンの連鎖に束縛されてしまって
爽やかに吹き抜ける潮風を、憎んだ。
皆、そうやって生きているのだ。
溜めていたもの吐き出して、
吐き出し口を間違えて。
汗で買えるものなら、いくらでも買えばいい。
涙を流せる場所を見つけろ。
それがきっと 私たちに課せられた運命。
希望は小さくてもいい。
今こうして生きていること、
その存在が、
やがて、大きな希望へと繋がってゆく。
被害者の方々に、ご冥福をお祈りします。