エピローグ
少年はどうしても知りたい事があった。
それを知る事は、遂にできたのだろうか。その真意を知りうるのは、彼らを理解しようと歩み寄った人達だけである。
少年に教えるはずだった人物は、この世から居なくなってしまった。
その後 彼は出会った人々に大切な事を教わった。
逃げない強さ。
信じることの希望。
辛いことを辛いと教えられなかった環境。辛いと思わなかった。思えなかった。
そんな中で覚えた恐怖に打ち勝つ自信。
未来を変えることが出来るのは、自分自身だけなんだと知った。
そして、かけがえのない存在。
「諦めないで、一緒に生きて」
――僕は、確かに、彼女を愛した。
――いつまでも いつまでも、空から君を見守っている。
何かを犠牲として憎む事も許されなかった二人。お互いを愛することで、すべての憎しみを愛に昇華したのだ。
それが例え信憑性のないものでも、僅かな時間でも、確かにそこには愛が存在したんだ。
もう一度、あなたに会いたい。
だから今を愛する。
いつか笑って再会できるように……。