第一話 クマ問題
最初の告解は、本編中でも問題として残ったクマ問題である。
うん、素人はクマには近寄らないように!
この深堀では、あくまでクマ問題を論理的に解いていこう
と思う。
あくまでも素人解析なので、実施には専門家が必須である。
では行ってみよう!
まず、クマが、人間を恐れる訳がない!
人間の身体能力は、クマを遥かに下回る。
はっきり言って、人間は野生の獣には敵わない。
これが現実なのだ。
そんなわけがない!
人間を恐れて、今まで鈴なんかで逃げていたじゃないか?
ここが、多分勘違いなのだろうと思う。
人間1人の力は、クマに遠く及ばない。
近代に入って、強力な銃が出現した。
人間側が勘違いしだしたのも、多分これのせいである。
クマが人間を恐れていたのは、事実は今までの経験から
なのではないだろうか?
銃が現れる前、古代から近代まで、我々人間も刀や槍などで
クマと戦っていた。
一人では対処不能だったが、発見した時に複数人の武装した
人間が集まり戦った。
弓矢を使い、毒も使ったはずだ。
クマは単体でも強い。
しかし、人里に下りると、
大勢の武装した人間から追い立てられた。
また、銃の威力が低かったころには、
何頭ものクマを取り逃がしたはずだ。
それでも、一撃の威力はクマに甚大な被害をもたらした。
私が思うには、この争いの経験がクマ側の本能に残っていた。
そう、クマは決して初めから人間を、
怖がっていたわけではないのではないか?
本編でも、重要な項目として語っているが、
人間は里を縄張りとして、被害をもたらす獣たちを狩っていった。
例え、今のような強力な銃はなくとも、
刀や槍、弓矢を使って、
ずっとクマなどの野生生物と縄張りを争っていたのだ。
その経験は、人間が見た目だけで判断できない生物であるという
警戒心を野生動物に与えたのだ。
小さくても、強力な生物に毒蛇などがいる。
人間側も、色々な経験を記録し、
野生生物に対処する方法を確立している。
さて、ここからが問題である。
なぜ、人里に下りてきたのか?
なぜ、鈴が効かないのか?
これについては、はっきり言えることもある。
それは、クマ側の人間と言う存在についての認識が変わったのだ。
今、クマは、私達のいる街に入ってきている。
しかし、すぐに人側から戦う人員が出てくることはない。
本来、他の獣の縄張りに入れば、必ず迎撃がある。
何故か?
それは、自分の縄張りを主張するためだ。
お前には、譲らないし、入ってきたら只では済ませない。
この主張が、野生では当たり前なのだ。
しかし、今の人の街でそんな事は無理だし、
そもそもから、クマたちがどこからどこまでが
人の領域と見なしているかが、私達には分からない。
恐らくだが、今までずっとクマたちは、
人間が駆け付けてくる位置を測っていた可能性がある。
縄張りの探り合いで、彼らは人知れず、
人との間合いを探り続けていた。
そう考えると理解が及ぶのではないだろうか?
そして、人間が対処するとき、私達は銃を使う。
現状、銃で1発2発で終わってしまう可能性が高い。
しかし、強力すぎるため、クマたちは私達の武器を
理解できていない可能性はないだろうか?
私達人間は、様々なネットワークを使い、
高度に発達した情報網を持っている。
しかし、クマにそれは期待できない。
また、人里を襲ったクマは、
例外なく銃による処置がとられる。
私達にとって、クマは退治されたと分かる。
でも、クマ側では、人里に行って行方不明になった
くらいの認識かもしれない。
クマが情報網を持っているか?
確証はないが、あってもおかしくはない。
少なくとも、親クマから子クマへ危機管理意識が、
共有されているはずだ。
今まで人間を恐れていたのだから。
クマに鈴が効いていたのは、
人間の恐ろしさが伝わっていたから。
だが、若い世代は、挑戦を恐れない。
人間もそうだ。
つまり、クマは私達が知らない内に、距離を詰めていた。
そして、その情報はクマたちの間で共有されていたかも、
知れない。
クマが知る情報は、その昔、多人数で襲ってきた人間の姿から
クマを恐れて逃げるか、
被害を齎さない弱い存在へと更新されたわけだ。
そんな中、人間の縄張りに美味しい食物がある。
野生では、力ある者が正義なのだ。
力を示せないなら、奪われても文句は言えない。
これが野生の理論である。
だが、私達は、出てきたクマに対し、確実に処置している。
そう、これは認識の違いである。
そして、私達は、クマの人間に対する情報更新を妨げている。
クマ側は、私達の銃という武器について情報を持ち帰れない。
人間の戦争では、情報を渡さないのは基本である。
しかし、野生の動物相手には、
むしろ誇示しなければならないのだ。
そうやって、人間の縄張りというものを守る。
アメリカでも、グリズリーが人の家に入るとかあるが、
正直、銃の発達で人間を本当に恐れない野生生物が増えている。
だが、武器のない人間は、野生の力ある動物には敵わない。
私達は本来的に強くはない、
そう、これは知られてはいけない情報だ。
しかし、私達は動物たちに
これだけの力があると伝えないといけない。
野生の世界では、そうすることで争いを防いでいる。
私達人間同士でも、それはしているはずだ。
ただ、私達は動物たちより情報を共有する速度が速い。
今、何が必要か?
銃を使うのではなく、クマに痛烈な経験をさせて追い返す。
これが必要なのだ。
これは、実施しても問題ないのか分からないが、
人間の姿とその痛烈な経験を結びつけること。
例えば匂い。
罠に捕まえるのではなく、人形と辛子をまく装置を仕掛ける。
人形を置き、人影を見せて、唐辛子などの痛烈な匂いで追い返す。
これを繰り返すことで、銃を使わずに人を恐れさせること。
音波を組み合わせてもいい。
これは経験的な記憶なので、人影やその音波を記憶して、
クマは再び逃げるようになるはずだ。
今、クマと人間の関係はファーストコンタクトの段階まで
戻ってしまった。
昔の人が築いたクマとの力関係が、今崩れたのだ。
だから、もう一度、人間の力を示さなければならない。
ただし、私達はもう昔のようなことをしなくてもいい。
私達には、クマに痛烈な経験をさせる技術がある。
傷つける必要はもうないのだ。




