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ハズレと笑われた『罠』スキルの俺、実は超激レアな最強スキルでした  作者: シマリス


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ガルーダ戦⑥

黄金の翼を広げ圧倒的な威圧感で滞空していたガルーダは、まるで時を止めた石像のように固まっていた。

小脇に抱えたアイスランスからは水滴がしたたり、ガルーダの鋭い眼光は一点を見つめたまま動かない。


「……ねえ、様子がおかしくない? あいつ、急に止まったよ」


佐々木が杖を握りしめたまま、困惑した声を上げた。如月もまた剣を構えたまま一歩も動けずにいるガルーダを注視し、隣に立つ悠太の横顔を覗き込む。


「悠太くん、これ、もしかしてあなたの仕業なの? 完成したって、一体何を……」


その問いに答えるように、剛田が大きく息を吐きながら盾を地面に突き立てた。


「おい、まさか、さっきの無茶な誘導……あれが全部このための準備だったってことか?」


「ああ。協力してくれてありがとう。一か八かだったけど、うまくいって良かった」


悠太は肩で息をしながら、乱れた呼吸を整える。その視線の先には、ガルーダを取り囲むように不可視だったはずの幾何学的な紋様がぼんやりと浮かび上がっていた。


「これは最近覚えたばかりの新しい罠なんだけど、実戦で使うのは初めてで……。だから、確信が持てるまで時間がかかってしまった。罠の名前は『ピクトグラム』。ここに足を踏み入れた瞬間から構築を始めてた」


--------------

『ピクトグラム』

取得スキルポイント:500

対象数:1

設置時間:即時

(効果)

九枚の死神の描かれたカードがランダムに散りばめられ、指定された対象が全てのカードを起動すると死の宣告が始まる。

--------------


「新しい罠? でも、悠太くんの魔素はさっきの攻撃でほとんど残ってないはずじゃ……」


如月の指摘は正しい。ピクトグラムの消費魔素は250。悠太の残存量から捻り出せる限界に近い数値だが、威力そのものに対して消費量は驚くほど少ない。


「この罠は発動が難しい分、魔素の消費量は抑えられるんだ。ガルーダが回復した時点で七枚はすでに起動していた。あとは、右手前と左奥。誘導はガルーダ自身にその残り二枚を踏み抜かせ、罠のスイッチを押させるための手段だった」


「自ら、スイッチを……」


佐々木がいまだ動かないガルーダを見上げながら呟く。

自分たちが命懸けで逃げ回っていたあの時間は、ガルーダを処刑台へと歩ませるための着実な誘導だった。


その時、ドーム内の空気が凍りつく。


ゴーン、ゴーン、ゴーン……


どこからともなく、体の芯まで響き渡る重厚な鐘の音が一定の間隔で鳴り出した。

一回鳴るごとに、ガルーダの周囲の空間は色が抜け落ちるように澱んでいく。


「何だ、あれ? 上を見ろ! 何か来るぞ!」


剛田の叫び声に全員が天を仰いだ。

ガルーダのさらに上空、地上から優に五十メートルはあろう天井を突き抜け、その巨大な影は降りてきた。


それは黒いボロ布のようなローブを纏い、身の丈を超える巨大な大鎌を手にした漆黒の死神。


金縛りにあったガルーダは、絶叫することさえ許されない。その黄金の瞳に映るのは、自分の背後に音もなく降り立ち、大鎌をゆっくりと振り上げる「死」そのものだった。


「……う、あ……」


声にならない呻きがガルーダの喉から漏れたあと、鐘の音が止まった。


死神には躊躇も憐憫もない。


無慈悲に振り下ろされた一撃が黄金に輝く怪鳥の首筋をまるで絹を裂くように通過した。


一瞬の静寂。


次の瞬間、ガルーダの頭部は音もなく胴体から離れ、巨体は黒い霧となって霧散していった。


空を支配し地をも圧倒した王者の誇りは、一滴の血も流すことなく消滅していく。

地面に落ちた頭部は着地したとたんに今まで見たこともないほど巨大で禍々しい輝きを放つ魔石へと変わった。


死神は仕事の終わりを見届けるように鎌を収めると、再び天井の奥へと消えていった。


「信じられない。あんな、あっけなく……」


如月は呆然と呟き、剣を鞘に納めることさえ忘れ立ち尽くす。


剛田は腰を抜かしたようにその場に座り込み、佐々木は震える手で眼鏡を直した。


静寂が戻ったドームの中で、五人はただ、ガルーダがいたはずの上空と転がっている巨大な魔石を見つめ続けていた。


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― 新着の感想 ―
息の合う仲間が欲しいな!
今まで下準備して罠に嵌めて勝つ、って感じだったのに急にバトルものお約束の修行パートもなくいつ身につけたかわからない新技での勝利か あの嫉妬猿の中身詰め替えたのかってぐらいの急な変貌といい、作風がどんど…
後出しじゃんけんで勝った状況を見せるには、もう少し文章を工夫して状況の説明をしておいてくれないと、いきなりすぎて、アレ?もう勝つシーンに来たのかって思ってしまうよ。 仕方がないのだろうけれど、あっさり…
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