第捌話 一ニ三 四五六
敵が誰なのか。その答えを緋色はようやく見つけ出せた。敵は天界者のボス、栄光に聞いたところ名前は「一二三 四五六」という。
「とにかく、天界者に会うしかないな。」
「意外と天界者は近くにいるもんだよ。路地裏とかに行くと、大抵攻撃してくる。」
そう栄光に聞いたので、路地裏で歩いていたが、ふと緋色は思った。
俺は天界者に勝てるのか───?
強い魔術とは言え緋色はまだ覚えたてだ。もう少し精度を上げてから戦った方がいいに決まっている。そんな事を思っている間に、背後から天界者が襲ってきた。
間一髪で蹴りを避けられたが、危なかった。
「当たったと思ったが、避けられたか…」
そう言うとごつい男は構えた。
「天界放出 鋼」
男は低い声でそう言うと、拳が段々鋼のように硬化して、ゴツゴツしてきた。
「ふんっ!」
緋色は中学生の時にやっていた空手がここで役立った。腕で攻撃を防いで、男の腹に強烈な一撃を入れた。空手は大会に出るくらいには強かった。高校生で辞めたが。
だが、それでも腕が爆散した。緋色は今気づいたが、クローン体は痛みを感じない。
「大したことねぇな!でも、いいよ乗ってやる!」
緋色は腹だけの力を抜いた。腹の奥ではなく、表面だけを。
「自壊放出 人喰い!!」
そう言うと、驚いたことに腹部に完全に口が現れた。相手を嘲笑うように、ニヤリと笑っている。
攻撃しようと突撃してきた敵に、口の中の舌が巻き付く。
「舌っ!?」
舌は体の奥深くに溶けていった。敵の体内で何かに巻き付くと、体の中から引っ張りだし、よく噛んでそれを食べた。
【ウ…マイ】
口は更にニヤリと笑って、消えた。
「くそ…不覚…動けん…!」
「基地の場所は何処だ?脱出はさせないぞ。」
挑発に乗るかのように、脱出しようとしたが、上から押さえつけて脱出させないようにした。
「物理かよ…!」
「指折るぞ?はよ吐け。」
緋色は冗談で言ったつもりだったが少し怯えていた。痛みは無いが、自分の体の指が折れるのは何となく嫌な気分になる。
───何か申し訳ない。
「基地の場所の明確な位置は俺も分からん。だが南極にあることは知っている。自壊基地と対を成して…」
「やっぱりいいや。あのさ…」
そう言うと緋色は男の首を掴んみながら、腹の口で体の大部分を食った。
「まさか…!」
「一緒に強制脱出すればいいじゃん。」
「やめろおおおおお!」
次の瞬間、男は強制脱出した。
第捌話 【終】
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