第参話 清水果子
「やる気は十分!特訓は一週間だよ!心してかかれ!」
鼻の穴を広げ栄光は言う。
「じゃあまず簡単な物からだ。昨日みたいにレンガを砕かずに、持ってみて。こんな風に。」
栄光はいとも簡単にヒョイとレンガを持ち上げ、三つ拾ってお手玉までして見せた。
「それぐらい余裕でしょ。」
緋色はレンガに手を近づけ持とうとするが、触れた瞬間豆腐のようにボロっと砕けた。
「げぇっ!こいつはむじぃッー!東大受験以上のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!」
「ふざけてないでちゃんとやりなさい!」
「あんたに言われたかないわ!」
その日は掴めはしても、すぐ落としてしまう。といった様子だった。
「これで終わるけど、ひとつ言っていないことがあった。重要なことだからね。天界者にバレるなとは言ったけど一般人にもバレちゃいけないからね。そういえば、もう九時だし、母親にも気づかれてる時間だろうね。ちょっとまっててね。」
そう言うと栄光は鞄の中をゴソゴソとあさった。
「『テレポート機器』!これは人をテレポートさせられる機械だよ。これで記憶を改ざんさせられる僕の仲間を呼ぼう。」
矛盾していることは置いといて緋色は、聞いた。
「なんで一般人にバレちゃいけないんだ?」
「真の平和から遠ざかってしまうからさ。」
そう言うと、テレポート機器を使用し、仲間が召喚された。
「また余計なことしたのか?」
「違うよ!話すと長いから言わないけど。」
「よく分かってるじゃないか。」
そう言うと女は家に近づいてインターホンを鳴らした。
「はーい。えっと…配達ですか?」
「違います。すいませんが少しの間眠ってください。」
女は丁寧な口調でそう言うと、頭を人差し指でコツンと触った。すると、緋色の母はその場に倒れた。
「これでいいか?栄光…と、誰だお前。」
ヘッドホンを耳から首に動かし、緋色に聞く。
「僕は織田緋色です。昨日自壊者になって…」
「昨日!?お前何があったんだよ!?」
「何か転んで死んだらしくて…それを生き返らせる為に…」
「ったく…栄光アンタだろ!自壊者にしたのは!」
「そうだけど仕方なかったていうか…」
「お前ボスが許したのも珍しかったから良かったものの…!」
「えー、この度は後藤栄光がこのような事件を起こしてしまい…」
「ふざけんな馬鹿野郎!」
「えと…そんな自壊者になるってまずいんですか?」
「ああ!生きづらいなんてものじゃない!お前も一日経って分かっただろ!?」
「確かに…」
こんな日々が一生続くと思うと、緋色は気が遠くなった。
「というかあなた、名前は何ですか?僕は織田緋色。」
「私は清水 果子。自壊軍の副幹部長だよ。多分長い付き合いになるから覚えておきな!そう言えばお前、基地には連れていったのか?」
「まだだよ?今から行くか?」
「そうした方がいいな。緋色の母も明後日くらいまでは寝ているからな。」
「基…基地!?」
こうして緋色は基地に行くことになったのだった。
第参話 【終】
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