第弐話 自壊魔術
「天…界者…?」
「自壊者と敵対する組織で、『自壊魔術』を使う自壊者に対して、天界者は『天界武術』を使う。」
「どちらの術も人によって能力が異なる。だが、重要なのはここからだ。」
「『自壊魔術』は身を滅ぼす。」
栄光は緋色を見ながらそういった。次の瞬間後ろから声が聞こえた。
「自壊者を発見。攻撃します。」
遠くの小声のはずなのに何故かハッキリと耳に届いた。
「ちょうど、天界者が来たみたいだ。よく見てな。」
そう言うと、軍隊のような格好をした兵士が銃撃をしてきた。だがその直後、栄光から大量の手が生えた。
「自壊放出 阿修羅!」
笑みを浮かべ、栄光は軍隊を吹き飛ばした。
「俺は後藤栄光。君の名前は?」
「織田 緋色。変な名前だろ?」
「いや…どっかで聞いたことあると思って…記憶違いだよね。多分。」
緋色は驚いた顔をして、黙った。
「とりあえず、こいつらはとどめを刺す。」
「そ…そんな!そこまで簡単に殺さなくても…!」
「ん?ああ、殺さないよ。こいつらも俺もクローンだよ。」
「クローン!?」
「自壊者のボスと天界者のボスの能力で、こういった奴らもクローンになっている。だからさっきのごつい天界者は自分の基地に脱出したんだ。」
「けど、クローンがある間本体は保管所で寝ていて、意識は無い。」
「な…何だ、てっきり殺すのかと思った。」
場所は変わりここは天界基地。明るすぎて眩しい天界基地に脱出してきた、ごつい男と呼ばれる『戸嶋 喜一』は、ビールをグイッと口に含んだ。
「全く…あと少しだったのだが…」
喜一は自壊者の情報を持っている後藤栄光に近づいたが、途中で気が付かれ撃破された。
「まあ、少しの間でも保った喜一はよくやった方だよ。」
白髪の爽やかイケメンと言った様子の男、『神野 健』はソファに座る喜一の後ろから話しかけた。
「大丈夫。自壊者は俺が皆殺しにする。」
大体の様子が分かった緋色は家に帰り、風呂の中で考えていた。
「自壊者…天界者…魔術…武術…分かんなあい!」
「緋色静かにしなさい!もう中学二年生じゃないのよ!」
扉越しに緋色の母が叫ぶ。
のぼせそうになり、風呂の境目を掴んで出ようとする。ピシッと言う音で急いで手を離した。
──────ああ、俺はもう人間じゃないんだ
夜になって布団の中に入っても、眠りにつけなかった。
次の日は学校を休んだ。母には風邪気味と伝えていた。バレないうちに二階の寝室から飛び降りて、外に出る。
「結構信頼されてないと思ったけど、来てくれるんだ。優『しいたけ』だね。」
こいつギャグしか言わないな──────
緋色は今更そんなことに気づいた。とりあえず無視することにしていた。
「時間が無い。早く教えろ。」
「口が悪いなー。自壊者の力を抑え込む方法でしょ?そんなかんたんじゃないよ?」
「簡単、簡単じゃないとかの話じゃない。やるんだ。」
こうして緋色の自壊制御特訓が始まったのだ。
第弐話 【終】
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