第◆◆◆話
石嶌将太がついた瞬間、緋色の動きが固まった。将太を睨みつけ、口を開けて喰おうとした。
「………戻れ。………緋色。」
剣にも似た黒光りの槍で体を貫いた。
『っがあああ!』
そのまま巨大な穴がどんどん増えていき、体が爆発した。穴から頭まで崩れていき倒したと思った瞬間、再生力が爆発的に上昇し、体が完全に再生した。
「………何?」
『怪物放出 暴喰い』
巨大な牙がむき出しの口になり、『ウヴァァァ!』と叫び威嚇した。
「………強いね。………でもまだまだだよ。」
「自壊放出 刃」
詠唱した瞬間、将太は緋色の目の前まで跳び、目を切りつけた。
『うがァァァ!』
それでもまだ勢いは留まらず、口に近づき「刃」と唱えると、緋色は口から血を吐き出した。
口内を見ると、舌に刃が貫通しており、顔にも大量の刃が現れた。
「…将太!」
到着した頼光と部下たちが目を見張っていた。
「な…!強すぎる!頼光さん!将太さんって…」
「あいつの魔術は「刃」。想像したところに刃を生み出す能力だ。ひとつ生み出すごとに脳が焼けるような頭痛に襲われる。だがあいつ、脳の構造がイカれてやがるんだ。」
「それが人類…最強…!」
その後も将太は大量に刃を生み出していった。
「………っ!」
ずっと攻撃していた将太が突然目から血を流し、倒れた。
「っ!そういえばあいつクローン体になれねえんじゃねえか!まずい!」
巨大な足が将太を狙う。頼光がいち早く向かうが…
間に合わねえ───
その瞬間、怪物の足が喰われた。
「………緋色…!?」
「あの怪物と俺を一緒にされると困ります。」
将太を抱え、緋色が現れていた。血にまみれ、背中からは黒い炎が出ていた。
「健が戦い始めてすぐ、怪物の顔面を殴ったんです。その時頭部の核となってた俺が飛び出しました。それでさっき動けるようになったんです。」
そう言うと緋色は揺れ動く炎を口にマスクのように纏った。
「俺があいつを倒します。その間に誰かに再生して貰ってください。」
火の届かない安全な場所に将太を置き、怪物の顔の部分に飛んで行った。
「元々俺が居た頭部に核があるはず…ならば敢えて…」
黒い炎を両腕に纏い、目を切り裂いた。
『うがあぅうぁあ!』
悶えながら暴れる怪物の白い炎の勢いが少し落ちた瞬間を狙い、脳天を攻撃した。
「出てこい…父さん!」
緋色が排出され、核が不在となった怪物の頭には、全ての元凶であり、継承者を生み出した前天界ボスの『ロナウド・オダ』が居た。
「酷いじゃないか緋色。実の父を引っ張り出すなんて。」
「父さんはお前じゃない!世界をめちゃくちゃにした元凶め!」
緋色の血の繋がった父親はロナウドであるが、実際育てたのは違う父親である。
「それは違うぞ?緋色よ。世界は然るべくしてこうなったのだ。考えてもみろ。」
緋色は怒りが込み上げてきて、思考が回らなかった。そこに全てをぐちゃぐちゃに踏み潰すかのように言った。
「真面目な性格な人間が否定されていないのは何故だ?それは『そう生まれたから』だ。ならば俺だってそうだ。そういう人格に生まれてしまったのだ。攻めるなら俺ではなく、この世界いや、神にでも恨んでおけ。お門違いも甚だしいぞ。」
ニヤリと笑うと、戦闘態勢に入った。
「永遠に喋っていてもつまらん。さあ、戦で勝負をつけようぞ!」
第◆◆◆話 【終】
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