第壱話 自壊者
トドメを刺されたごつい男は上空に飛んで行った。
「え!?」
思わず声が出てしまった。ジャンプなどで飛べる距離では無い。
「あ?」
バレた。メガネの男は近づいてくる。殺される、そう思ったが、優しく話しかけてきた。
「ごめんごめん。どう説明しよう…まあ、別に誰かが死んだ訳じゃない。あー何と言うかまあ、ロボットみたいなものだ。」
怯えて逃げ出そうとすると、すってんころりん転んでしまった。そのまま頭をうちつけた。
「…え?」
メガネの男、「後藤 栄光」は混乱した。見るからに分かる死。
「すーっ…俺のせいだなあ…ボス、どうにかならない?」
そう言うと栄光は服に搭載された腕時計のようなものに話しかけた。すると、3Dのように赤髪の男が映った。
「どうにかするとなると、「自壊者」にするしかないぞ。」
「仕方ない。そうしてくれ。」
栄光がそう言うと赤髪の男は、数分して徒歩で来た。
「車で来てくれればよかったのに。ほんと、車で来るまで待ってたのに。」
「黙れ。で、その男はどこだ。」
「ここ。」
栄光が指を指すと、赤髪は何やら軽い儀式のようなものを行ってから緋色に札を貼ると、体に溶け込んでいった。
「あと、数分すれば生き返るだろう。」
「さんきゅー。ボス。」
「さらばだ。」
そう言うと赤髪の男は暗闇に消えていった。
数分後緋色は目を覚ました。
「痛た…死ぬかと思った。」
「いや、死んだんだよ。」
「へっ?」
理解不能だった。死んだんならなぜここにいる?
「落ち着いて聞いてね。君は生き返る代償に「自壊者」というものになった。」
「…あー!何か寝てる時に聞こえた!」
「だから、死んだんだって。」
何を言ってるのか分からないが、何か自分でも体から溢れるオーラのようなものを感じていた。
「えっと…じゃあそれが本当だとする。なら俺は何か変化があるの?」
「立ち上がってそこのレンガを握ってみな。」
立ち上がろうとすると、コンクリートの地面がミシッといった。寝起きの空耳だろうと思い、レンガを握ると、バキバキのボロボロに砕けた。
「…ん?」
「レンガは普通壊れんが今の君は自壊者になって力がめっちゃ強いから壊れるんだよね。」
とりあえずギャグは無視して、他の物も触ってみるが、やはり簡単に壊れる。
「全部発泡スチロールでしたードッキリとか?」
「だから、「自壊者」になったんだってば。」
「そ…そんな某東京漫画みたいなことが…!」
理解せざるを得なかった。確かに転んで頭を打った覚えもあった。現実逃避したくて、色々言ってはいたものの、自分が1番わかっていた。
「でも、絶対にこのことをバレるなよ?」
今までは優しい朗らかな顔で話しかけてきたが、突然厳しい顔になった。
「何で?」
「バレれば、「天界者」に殺される。」
第壱話 【終】
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