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第拾漆話 ヒーローだ

作戦当日、全員は保管所に集合していた。


「あと十分したらボタンを押して外に出る。そしたら全員Tルームに向かってくれ。俺は…ダスボを食う。」



十分後、Tルームの頼光は暇だった。


「っかぁー、退屈だなぁー。将太も引きこもっちまってるし、何も起きねぇし…お、」

「誰だ貴様ら!!頼光様、敵襲です!!」

「んなもん見りゃ分かる。下がってろ。」


部下が報告するが、頼光は一蹴した。


「ちょうど…退屈してたところ何だが、楽しませてくれるな?」

「勿論。僕たちが相手をするよ。」

「強そうですねー。でも将太さん以下かなー?」

「フッ…ガキ、覚悟できてんだな?」


『明永&栄光 対 頼光』


一方Aルーム…


「お前ら…天界者だな?」

「Aルームにも、頼光さん以下とはいえ、強そうな人がいるな。」

「とは言え、舐めてもらっちゃ困る。天界者のホコリがあるんでね。」

「俺の名前は新本 蔭(にいもと かげ)。地獄まで持っていけ。」


『亮介&健 対 蔭』



Bルーム…


「不法侵入とは…舐めていますねぇ、あなた方。」

「ここから先は通せない。」

「緊急事態なので、まあ仕方ないでしょう。殺します。」

「やってみろ。須木 煽(すき あおり)。」


『瑛仁 対 煽』



Cルーム…


「アンタ…誰だい?ボスが今狙われてるんだと。どいて頂ける?」

「戦闘要員じゃねぇんだけどな。私は。」

「知ったこっちゃないわ!力づくでどかすまでよ!」


『果子 対 ルキア』



一方…


一本の細いレッドカーペットのような物の先に、一人の男が座っていた。


「何の用だ。織田緋色。」

「俺の名前覚えてくれてんだな。光栄光栄。」


数秒睨み合う。静寂を切り裂くように緋色が口を開いた。


「お前を…殺しに来た。」

「そうか。理由を聞きたいのだが。」

「お前がこの俺の物語の悪役だからだ。」

「自己中なやつだ。」


嘲笑うようにダスボは言った。


「だが、一つ俺は疑問がある。」

「何だ?」

「俺の行動は、お前の目には()()()()()()()()()()


怒りと疑問を抱いた目が緋色の胸を貫く。


「確かに俺は多くの人を自壊者にした。その中には能力によって命を削り、人生が狂った者もゼロではなかろう。だがそれは全て相手の同意の元で行っている。それに、クローン化の際の俺の条件。それを悪と思っているのか?」


緋色は笑いを堪えながら首を振った。


「俺はクローン化の能力を自身に適用できない。なので狙うなと言った。それに貴様、そのことを()()()()()だろう?」

「ああ、そうさ。全て知っていた。」

「本当の継承者も、その目的も、知っていたのだろう?」

「ああ。ああ。ああ。そうさ!全部知ってたよ!」


爆笑しながら緋色は言った。


緋色が平静を取り戻した時、ダスボは聞いた。


「お前、一体目的は何だ?」

「俺の目的…?それはな…」


『人喰い。』


その時、ダスボの頭にはある言葉が()ぎった。


Hiro・Oda(ヒーローだ)』──────


第捌話 【終】

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