第拾陸話 最終決戦
ついにここまで来た。緋色は作戦の全貌を確認しながらそう思った。
明日、二月十三日。真の敵を殺す。クローン体何て物ではなく、本体を殺す。
「準備はいいか?明日、俺がダスボの部屋に入って魔術で心を食う。みんなは周りの反抗してくる部下たちを抑えていてくれ。それと、俺が負けた場合にも備えておいてくれ。」
「了解。」
明永は壁と向き合って、我関せずと言った感じだが、実際にはきちんと話を聞いている。
「とは言え、自壊者共はクローン体でしょ?間違えて殺しても仕方がないよね?」
健が自壊者を殺そうとしているので、三上がゲンコツして止めた。
「健。俺たちは別に部下になることを誓った訳じゃない。だが、最低限のことは聞き入れろ。手を組んでいるんだから、自壊者を殺すなんて断じて駄目だ。」
「ありがとうございます。三上さん。健、本当に誤った場合はいいけど、故意にやったら駄目だぞ?」
「何で亮介には敬語で僕にはタメ語なんだよ!」
不服そうに言っているが、そんな事はよそに緋色は栄光と健って似てるなー、と考えていた。
「重要なのは空間把握能力だ。この部屋に入れないためには、AルームとBルームとCルームの道を塞ぐしかない。そして、もっと重要なのは、Tルーム。ここはダスボの部屋と唯一隣り合わせになってる。直接入ることは出来ないけど、会話を聞かれたら…援軍が来る可能性がある。作戦開始時に急いで殲滅するしかない。」
緋色が地図を開いて指差しながら言う。
「じゃあ、Aルームは僕と亮介が乗り込んできた天界者を装って討伐すればいいんだね?」
「Tルームだけね。他の自壊者は食い止めるだけだ。でも戦っちゃいけない相手が一人いる。」
「?」
「石嶌 頼光だね?」
「そう。人類最強の、石嶌将太さんの実の兄だ。強さは下とは言われているものの、将太さんによると実際には曖昧らしい。自壊者が一番手薄な日を選んだとはいえ、頼光さんは常に基地にいる。戦闘になったら逃げるか、複数人で戦って。…まあ、そんなとこかな。」
数分後、緋色が外に一旦空気を吸うために出ていくと、栄光が話し始めた。
「緋色くんは自分では言ってなかったけど、相当ボスと戦うのに緊張してる。だから戦ってる最中は部屋には入らないであげてね。」
これは建前である。そう実際には──────
当日緋色はダスボと対面していた。
「何の用だ。織田緋色。」
そう、最終決戦が始まったのだ。
第漆話 【終】
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