第拾肆話 石嶌将太
エンジェルズも残り数名になっていった。
栄光も自壊放出し、圧倒してきた頃、一歩も動いていない軍人がいることに緋色は気づいた。
「誰だ…あいつ」
「まさか…!」
いつも平然な顔をしている栄光が初めて焦りを見せた。
「緋色くん。あいつが戦いを始めたら絶対に戦っちゃいけない。すぐ逃げないとだ。」
「何でだ?あいつもエンジェルズじゃないのか?」
「あいつの名前は石嶌 将太。人類最強とされている男だよ。天から龍が現れても自壊魔術を使わずに倒せると言われている。」
緋色はゾッとした。それ程までに強力な人間がここにいるというのだ。
「…というかあいつ天界者じゃないのか?」
「あいつは自壊者だ。おそらくね。あいつの能力を見た事がある人間が居ない。」
石嶌の目の奥から射抜くような眼光がみえ、それだけでその場から一ミリも動けなくなった。
「大丈夫。君たちが脱出したら僕が時間を稼ぐ。その間に本体で逃げ…」
言い終わる前に栄光の腹を腕が貫通していた。
「…は?」
「っ…!」
目の前には石嶌の姿があった。
「…」
何も話さず黙りこくっている。緋色が見ているこの一秒の間にも石嶌は緋色のことを殺すことが出来る。そう思うと逃げ出したいのに、動けなかった。
「お前が…石嶌か…!」
「…」
黙って頷いた。逆に緋色は驚いた。これ程に強い男が何故エンジェルズに留まっているのか。
先程まではエンジェルズを明永が止めていたが、今はエンジェルズも明永も石嶌を見て、止まっている。
「狙いは…何だ…!何故殺さない…!」
「………退屈だ。」
石嶌はボソッとそう言うと、緋色を担いで、外に出た。
「っ…!何だ!?お前!?」
「…」
そのまま保管所に行くと、緋色と栄光の本体も担いで歩き始めた。
ちなみに栄光の本体は意識があるのでめちゃ戸惑っている。
「え!?石嶌!?え!?」
「何かこいつ俺らのこと連れ去ろうとしてるんだよ!!」
「………大人しく。」
またボソッとそう言うと、基地の外に出た。そして詠唱を始めた。
すると、気づいた時にはある一室にいた。周りの壁は土が固められており真ん中には机がある。
「………地下室だ。………座れ。」
三人が席に着くと、秘書のような男が話し始めた。
「石嶌様は非常に人見知りなので、私からお話します。継承者について、私たちは聞きたいのです。」
「継承者はダスボ…」
「いえ、その先です。」
秘書の男は途中で遮った。何かを知っているかのような目で緋色を見ると、緋色は継承者について話し始めた。
第拾肆話 【終】
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