第拾参話 金の槍
明永を撃った軍人はライフルを持って緋色を狙った。
「織田緋色。捕獲対象。」
そう言うと、ダダダッと緋色に弾丸を連射した。足、腕、腹を三回ずつ程撃たれた。
「っ…!」
緋色はこの軍人に見覚えがあった。栄光と初めて会った時、森の方向から栄光を狙っていた軍隊の一人だ。
そのまま果子が撃たれ、脱出した。
「天界放出 金の槍!」
そう叫ぶと、三上の腕がみるみる槍のように尖っていき、金色に輝いていった。
「緋色さんを、連れていかせはしない!」
ライフルをリロード中の軍人に攻撃しようとするも、ライフルの銃床で頭を殴られ、一瞬で倒された。
「馬鹿だね、君たち。」
扉の奥から来た健が隙をついて、軍人の腹に一発殴りを入れたが、特に怯むこともなく、背中に連射され、強制脱出させられた。
ちなみに心喰団の脱出先は自壊基地の保管所に変更されており、保管所に戻った後はボタンを押してクローン化する仕組みになっている。
「あとは、僕だけかー。」
「後藤栄光。討伐対象。」
リベンジに燃えた軍人はライフルを今までの誰よりも早く向けたが、狙いを定めた時には栄光に腹を殴られ吹き飛ばされていた。
「うがあああっ!」
「ちょっとやりすぎちゃった。君反応良すぎじゃない?クローンなのに。」
笑いながら聞くと衝撃的なことを口にした。
「我々天空の使団はクローン体になることは禁止されている。」
「君あの後エンジェルズ入ったの?ごめんねー…気づかなかったー。」
エンジェルズは天界者の管理下の組織で、いわゆる宗教的思想を持っている。自壊者からもエンジェルズに入る者もいる。
「このまま基地に戻っていいよとも言えないしなー。めちゃくちゃ遠いし…」
「同情しているところ悪いが、まだ俺は敵対心を消していないぞ。」
栄光を睨むと、地面をバンッと叩いた。
「エンジェルズッ!」
そう叫ぶと、扉からエンジェルズが数十名が突撃しながら銃を連射した。
「まずっ…!」
数発体に当たったが、致命傷に至る前に背後からエンジェルズが攻撃された。
「自壊放出 地獄之裁主!」
「自壊放出 人喰い!」
エンジェルズに、苦戦しつつも数名を倒した頃、保管所の近藤はある異変に気づいた。
何故ここまで敵が多い?───
そんな時頭の中にある単語が過ぎった。
『継承者』
この一二三の死から、敵の増大まで全ての出来事を継承者が引っ張っているとしたらいち早く倒さなければいけない。
「継承者は誰なんだ。」
第拾参話 【終】
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