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第拾弐話 天空の使団

この中で一番速く攻撃したのは明永だった。

明永は特殊な肉体構造をしていた。そのため使える魔術は三種類ある。

一つ目は『地獄之門番(ケルベロス)』、

二つ目は『地獄之使(デーモン)』、

三つ目は『地獄之裁主(エンマダイオウ)』。

閻魔大王はクローン体の活動時間制限が設けられ、三分間となる。だがその代わりに、パンチで街一つ吹き飛ばすような強靭な肉体を得ることが出来る。


ケルベロスの能力で、スピード特化型になった明永は敵全員の腕を切り落とした。

天界者は天界武術を使うので、文字通り「武」の攻撃を多くしてくる。なので戦略的に腕を最優先に狙う。


「意味ねえんだよおっ!」


チャラチャラした男(班句 露津苦(ぱんく ろっく))は切られた腕など無視し、頭を大きく振りかぶって明永に頭突きした。

間一髪のところで腕でガードしたが、当たっていたら致命傷などではすまず、強制脱出させられていただろう。


「危なかったですねー。これで左腕は使い物になりませんー。」

「戦えるような状態じゃなくなれば、脱出してもいいよ。保管所は近いから直ぐに戦いに復帰出来る。」

「舐めないでくださいー。まだケルベロスしか使ってないんですよー?」


はっきり言って緋色は不安だった。明永は強いが、まだ子供だ。本体が狙われた時が危なかった。それに、クローン体とは言え、本体であれば死ぬような傷をおわせたくなかった。


「俺がケリをつける。」


体全体からオーラを発し、空間全体を「喰場(くいば)」にした。そうすることで、心を食らう攻撃においてガードを貫通し、一撃与えれば勝ちという状態に持ち込める。


「ナンダ?コレハ?」

「まずはお前からだ。」


金髪の外国人ウォール・ナイトのむき出しになった悪心を、牙をむいて喰らう。緋色のその様はまるで飢えた狼のようだった。

ナイトは脱出した。


「全く…愚かな者だ。」


先程まで怯えていた女(光莉 凛(ひかり りん))は能力発動後突然きつい性格になった。

凛は大剣をもって緋色に突撃した。


「お前がボス枠かよ。」

「緋色さんー。僕がやりますー。」


間に割り込んできた明永は、短剣をおもいっきり凛の背中に刺し、「僕の勝ちですー。」と笑った。


「く…そ…」


そう言うと凛は脱出した。


「あとは貴方だけですー。」

「知らねえよお!勝負ってのは俺が勝つために出来てんだよお!」


露津苦はそう言うと頭を大きく振りかぶって、緋色に頭突きした。だがスピード負けし、心を喰われた。


「覚えとけえ!」


露津苦は脱出した。


「まあ、中々やるやつらだったな。」

「一度脱出しましょうかー?怪我しましたー。」


そんな事を話していると、明永が突然撃たれて倒れた。


「明永!!」

「自壊者一名討伐。残り六名も討伐します。」


軍人のような男が緋色を見ていた。


第拾弐話 【終】

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