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おくりもの




「姫、ご覧ください。つまらぬものですが、今日外出した折にみつけ、あなたに似合うと思って買ってまいりました」



そう言って差し出されたのは、名前はわからないが淡い色合いの可憐で可愛らしい花である。

受け取り、思う。

差し出してるのがあと10歳年上の男ならば、世の女性はきゅんとするんだろうなと。

しかしここにいるのは6歳児なのである。ちなみに外出とは、校外学習(みのまわりのはなやむしをみつけよう)のことである。



「騎士様…勝手にお買い物してはダメではないですか」

「ご心配なく、姫。担任にはバレぬよう細心の注意を払いました」



……やはりお金を持っていってはならなかったのだ。

騎士様(6)は、あの日以来よく俺の寮部屋にやって来る。いかにして来ているのか、まだ俺は自室に児童を連れ込むなと注意を受けたことはない。

そして訪問のたび、彼は毎回贈り物も持って来てくれる。

騎士様は小さなふくふくした手で俺の手を取り、小さな唇を寄せると、うれしくて仕方ないといった愛らしい笑顔を見せた。



「前の世では、明らかにできぬ仲ゆえに、このような贈り物はご法度でした。しかしいまは違う。私は、私の想いを形にしてあなたに送ることができるのが、こんなにうれしいことだとは知りませんでした」



――と言ったのは、やはり6歳児なのであって、いかに大人びた話し方だとはいえ声変わりなど片鱗すら見せない高い声で、そうのたまうのである。

しかし彼はたしかに私の騎士様なのだと、そう思ったら、俺は赤面を止めることができなかった。

私も嬉しいですという言葉は、男子高校生となってしまった俺の羞恥心に阻まれ、どうしても口にできなかった。




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