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第3章 宇宙に到着

「宇宙ステーションを作る?」

雄一は、上級役員会議に出席している時の話に、こう答えた。

「それは、可能なのか?」

「無論です」

遠山が言った。

「相田優は、今も訓練中で、いつでも宇宙に飛ぶ事が出来ます。今でも、出発指令を出すことが出来ます」

「材料は?」

「わたくしの省内にある、材料調達庁が、現在の所、収集しています。報告された最新の所では、単独でも宇宙ステーションを建造するには十分以上の量があるそうです」

「だったら、しない意味がないな。逆に、他国に先を越されるほうが怖い」

「では、上級役員会議の統一意見としては、宇宙ステーション建造と言う事でいいんですね?」

直宏が、まとめ上げた。


その意見は、議会に付された。そして、左院では、可決された。しかし、右院では、情報が少ないと言う事で、国家元首及び上級役員会議議長である雪野直宏を国会に召喚した。


「さて、雪野国家元首、宇宙ステーションをなぜ、建設すると言う決断言い立ったのかを教えていただきたけませんか」

「今回のこの宇宙ステーション建設は、全世界に我らの技術力を見せつける絶好の機会であり、なおかつ、我らが、全世界の中で最初に宇宙に到達したということにより、宇宙全土をわが社の領土とする、つまり、領有権を主張する事ができるでしょう。それを宣言すると言う事は、宇宙を我が物にする事が可能と言う事です。そうなると、我らが有利になる事は間違いないでしょう」

「なるほど、では、領有権を主張すると言うのが主目標と言うことですね?」

「そう言う事です」

「では、締約を目指している、宇宙条約については、どう考えているのですか?」

宇宙条約とは、締約国に対して、もしもの時に、援助をする事を目標とした条約であり、それを結ぶ事により、いつ、どこに不時着したとしても救出が可能になるのだった。

「彼らと協議した上での合意になるが、お流れになった際には、我らだけで宇宙へ進出する。常に進化し続ける企業こそ、生き残る事ができるのだ」

彼の言葉は、数年後に刊行される社史の中に刻まれる事になる言葉だった。


国家元首はこれで帰り、採決がされた。結果は、無条件で宇宙開発をすると言う事になった。


この結果に対し、古参の3社、シルフィード社、グノミード社、オンディーヌ社、各社は合同企業を正式に設立、名称は人類統合会社となった。旧サラマンドラ社領土管理機構は、人類統合会社の傘下に置かれる事になった。こうして、世界は人類統合会社とワマラ社の宇宙の奪い合いとなった。


翌年、人類統合会社は正式にワマラ社との一切の関係を解消する事を発表。これに伴い、宇宙条約の話も消えさった。


「これで、人類統合会社を気にせずに宇宙開発を進める事ができる」

閣議にて、直宏が言った。

「その通りです。次はどうしましょうか?」

「早期に宇宙ステーションを建設すべきだろうな。予算の承認は?」

「議会待ちです。しかし、宇宙の関連の法案が何本か通っていますので、もうそろそろ承認が降りる頃と思います」

財務省大臣樋野大介が言った。


事実、3日後に承認された予算に基づいて、宇宙開発が本格的に始まった。


3年後、人類統合会社はようやく人工衛星を打ち上げる事に成功した翌日、宇宙ステーションの最初の部品が宇宙へ届けられたのを皮切りに、1年以内に世界初の宇宙ステーションが建設を終えた。

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