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プロローグ 宇宙の重要性の認識
宇宙、それは人類が到達していない唯一の空間。
サラマンドラ社が消滅してから100年、世界は、シルフィード社、グノミード社、オンディーヌ社、カシャレカンヤンゴムリミアンコンド=ワマラ社と、特別行政区画として旧サラマンドラ社領土管理機構の5つに分かれていた。
すでに、この惑星上の最高地点と最低地点は制覇されていた。残る場所は、宇宙のみだった。彼らは、宇宙に新たな市場を開拓しようとして、3社、つまり、シルフィード社、グノミード社、オンディーヌ社が結託し、一時は解散された人類統合会社の仮条約を結び、その1機関として宇宙開発促進機構を作った。しかし、ワマラ社は単独で宇宙に挑もうとしていた。完全に彼らと一線を画するように生きていたワマラ社は、宇宙だろうが彼らと対決することは明確であり、最初から3社は条約に誘おうとしなかった。
宇宙の存在が言われるようになってから、数千年。宇宙の重要性の認識が高まったのが、この数年間。その差は大きいが、古来より、宇宙は羨望の的であった。