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目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜  作者: 楠ノ木雫
第十章 幸せとは

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◇99 働いている皆さんの為に


 別荘から帰ってきてすぐに、お母様とお父様にゴム手袋と洗濯機の話を出した。



「あらまぁ~! なんて素晴らしいの!」


「使用人達は場所によっては手荒れが酷いものばかりだ。水を通さない手袋があればそれは改善される事だろう。洗濯機も、洗濯という仕事はかなりの重労働だからな。洗う作業にも苦労をかけていた事だろう。洗濯機というものがあればかなり軽減される事だろうな」



 隣にいたロレンさんは、もう目を輝かせていた。親子そっくりですね。もうすぐにでも製作に取り掛かります、と作業場に行ってしまったのだ。



「実はね、私の手掛けているホテルにもうエレベーターが導入されたのよ」


「えっ!? 本当ですか!」


「えぇ、とは言ってもまだ人を乗せず荷物だけという事なんだけどね。近々人を乗せられるようになる予定よ」



 そっか、安全のためだもんね。安全装置は3つ付いているって聞いたけど、怪我する人がいたら大変だもん。


 エレベーターがちゃんと使えるようになれば、重い荷物をわざわざ階段を使って運ぶことはしなくていい事になる。第三首都にあるホテルは4階建てだったから、一番上の4回に運ぶのはだいぶ重労働。早くちゃんと使えるようになるといいな。


 それと、この屋敷にも作られる予定見たい。そしたら、皆楽になるよね。楽しみだなぁ。



「エレベーターの他に、洗濯機にゴム手袋。これが実現したら、アヤメちゃんはこの国の労働社会に革命を起こしたって事になるわ。も~ウチの娘はなんて優秀なのよ~♡」


「親である私達は本当に誇らしいよ」


「あ、はは……ありがとうございます」



 ……発明したの、私じゃないんですけど。地球にいらっしゃる偉大な方々が考えて発明したんですけど。まぁ、でもこの国の人達の仕事が少しでも楽になるのであればそれはそれでいいかな。ほら、疲労で大変な事になる事もないだろうし。


 それと、自転車も買わせてくれって言ってくる手紙も多く来てた。販売するつもりはありません、って言ってるのに。そんなに欲しいのか。まぁ馬より自転車の方が乗りやすいのは分かるけれど。


 そう考えると、私がこの世界で作り出したものってこんなにあるんだ、ってちょっと嬉しかった。


 この国に貢献できている。なら、これからも頑張れそう。


 まぁ、王妃様は私がこの国にいてほしいって思ってるみたいだけど。私がまた何か生み出すんじゃないかって期待してるのかな。でもなぁ、なんかそれはそれで複雑な気持ちではある。期待されても私は期待に応えられるほどの能力はない。


 そう思うと、やっぱり王妃様は苦手だなぁ。



 ゴム手袋は、意外と早く完成した。まずは試作品を屋敷の使用人達が使ってくれたのだけれど、本当に絶賛していたらしい。厨房の人達は、お皿洗いの時などに使って手荒れが徐々に治ってきたそう。


 洗濯係の使用人達も、直に触ってはいけない薬に触れるようになったので楽に洗濯が出来るようになったみたい。勿論手荒れも治ってきたみたい。



「お嬢様のお陰ですっ!」


「こんなに素敵なものを発明してくださり本っっっっ当に感謝してもしきれませんっ!」


「ありがとうございますっ!!」



 ここの使用人さん達に、もう会う度会う度感謝の言葉を頂き、さらには泣いてしまう人達も何人かいた。落ち着いて、お願いですから落ち着いて。


 ここまで皆さんが喜んでくださるとは思ってなかったから正直自分も結構驚いている。まぁ、地球では身近にあったものだからなのかな。だから、早く洗濯機も完成して皆さんに使ってもらえる日が早く来るよう願っています。頑張って、ロレンさん!



 もしよろしければブクマ、評価、ご感想などなどよろしくお願いします。特にご感想やレビューなどがあればとても嬉しいです。励みになります!

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