表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜  作者: 楠ノ木雫
第六章 カーネリアン王国の夏

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

56/115

◇56 サミットとは


 そんなこんなで、私達は領地でのんびりと過ごしゆっくりと首都に帰ってきた。


 帰りは、あのスラス伯爵家には泊まらず違う所で一泊し帰ってきた。またあの子息に夜来られたらいやだしね。だからリアさんの知り合いのいる方がいる方にルートを変えてくれた。


 それに関してお母様は終始ぷんぷん怒っていた。何とかして宥めたけれど。



「ただいま帰りましたぁ~! お父様! お兄様!」


「おかえり」


「体調は」


「元気です!」



 ナナミちゃん達を途中で降ろして、私達は無事にアドマンス邸に帰ることが出来ました。夜になっちゃったけど、お父様とお兄様がちゃんとお出迎えしてくれました。二人も元気そうで安心安心!



「熱中症で倒れたりしてませんか?」


「私達は日々鍛えているからね、それに毎年の事だから平気さ」



 わぁ! 凄い! 私なんて少し気温が上がっただけでヘトヘトなのに!


 それよりもアヤメは? と聞かれて元気でしたよ、と言いたかったんだけど、すかさずお母様が夏バテだったわと暴露してしまった。もぉ~! 私だけ恥ずかしいじゃないですか!!


 私達は移動ばかりでご飯はまだ食べていない。お父様達も待ってくれていたようで、準備をしてから食堂に行く事になった。しかもメニューは和食料理! 向こうでもタクミ君達の料理を三食食べていたけれど、やっぱりこれが好きなんだよね。



「首都は変わりなかった?」


「あぁ、宮廷医師達は相変わらず忙しそうにしていたがな。暑さで倒れた者達が何人も担ぎ込まれていたよ」



 ……ん? 待て? 王宮の特別医療所属医師様が、一緒に旅行に来てなかったっけ?


 深くは考えないようにしよう。取り敢えず、ごめんなさい。



 領地では、知らない花を見つけた事、初めて海に入った事、市場に行った事などなど楽しかった話をした。


 タクミ君との事は、まぁ、まだ話さなくてもいい、かな? と思いつつ言わなかった。何て言われるか分からないし。



「生の魚も食べたの。とっても美味しかったわ。酢飯、っていうのよね? とっても相性抜群でまた食べたいわ」


「生の魚?」


「はい、私の故郷は島国だったので、よく食べたんです!」



 領地では、近くに海があったから獲れたての新鮮な魚をさばいてちらし寿司にしてくれた。マリアもジルベルトも初めて食べた時には絶賛していたからどうかな? と思っていたけれど、お母様もリアさんも気に入ってくれてよかった。


 では、今度またナカムラ兄妹にお願いしようか。そうお父様が言っていて。お父様もお兄様も気に入るといいな。あ、そういえば今度お寿司握ってくれるって言ってた。楽しみだなぁ。



「そういえば、そろそろサミットが開かれるな。陛下の口からもその件が出てきたよ」


「サミット……今年の主催国はガナリアス王国だったわよね」


「あぁ、だが先日書簡が届きカーネリアンに変更となった。色々と理由は書かれていたが、それは建前で本音は異世界人であるアヤメがこの国に現れたからだろう」


「そう……」


「きっと今度の高位貴族院会議でもこの議題が出てくるだろうな。陛下も予測はしていたが、こうも急な変更とあってはこちらも受け入れ準備で大忙しとなる。来るのは外交官ではなく各国の王族達なのだから普通とは違う。もっと早く伝えてくれればいいものを。

 まぁ、陛下がそれを見越して早く動いてくださっていたからこれで済んではいるがな」


「えぇ、そうね」



 サミット? あ、地球でもあった。確か各国の人達が一つの国に集まって会議をするんだっけ。この世界でもあるんだぁ。なんか、忙しそう。


 でも、私がいるからこの国に開催国が決まった。という事は……



「新しく来た異世界人を一目見てこようと皆思っているのだろう」


「え”っ」



 じゃ、じゃあ、サミット中は私大変な事になっちゃう、とか? 王宮に呼ばれたり、とか? えぇえ!? じゃあ偉い人達に会う事になるって事よね!? さっき来るのは王族達ってお父様言ってたし……ど、どうなっちゃうの!?



「心配しないで、アヤメちゃん。各国の方々の考えがどうであれ、アヤメちゃんに手を出す事は出来ないわ。利用したり、強要する事は禁じられているの」


「え?」


「以前言った通り、異世界人達は妖精達によってこちらの星に呼ばれているのではないか、と考えられている。もし異世界人に何かあったら妖精達が黙っていないだろう。どうなってしまうから分からないからこそ、その行為は決してしてはいけないとサミットで決定されたんだ」


「それに、それを破った罪人のいる国から神官様達が出て行ってしまうしね」


「な、るほど……」



 じゃあ、各国の王族達とそんなに難しい話をしなくてもいいって事? まぁ、話をするのは大変だけど……ほら、縁談話とか。強く言う人達はいないって事よね? 今まではただ軽く話したり釣書とかしか来なかったりだった。それなら、大丈夫?



「私達もいる、だから安心しなさい」


「えぇ、良からぬ奴らが出てきたらコテンパンにしちゃうわ!」



 コ、コテンパン、ですか……え、お兄様、そのカトラリーナイフ持って目をキランとさせないでくださいよ。怖いじゃないですか。そのナイフは降ろしてください。


 お兄様、最近よく表情筋お仕事してくれてますね、私は嬉しいです。


 もうそろそろで行われるサミット。一体どうなってしまうのか全く分からないけれど、こう言って下さるのは、とても心強いなぁ。


 私、この人達と家族になれて本当に幸せだなぁ。


 改めて、そう思った。



 もしよろしければブクマ、評価、ご感想などなどよろしくお願いします。特にご感想やレビューなどがあればとても嬉しいです。励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ