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目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜  作者: 楠ノ木雫
第一章 異世界に続く穴に入っちゃった!

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◇3 令嬢

 あれから毎日毎日シモン先生さんが来てくれて。


 何回も熱は出したけれど、その時は神官様、ラピエス様が処置してくださった。そのたびにメルティアナさんが血相を変えてアルバートさんと飛んでくるのだけど。落ち着いてほしいんだけど自分が余裕ないから無理なんだよね。



「……ん?」


「いかがしました、お嬢様?」


「……これって?」


「ニレスタのサラダです。こちらはレスタンですよ」



 知らない料理で驚いてしまいますよね、と言われたけれど……サラダという名前は地球と同じ。けど、レスタン? 何か焼いたやつ? と思いつつ食べてみると……なんか、食べた事のない味。当たり前か。いつも洋食っぽい見た目だけれど、全くよく分からない。


 でも、この味を言葉で表すのはちょっと難しいかも。


 ちゃんと美味しい……とは思えない、んだよなぁ。正直には言えないけど。住まわせてもらって、私の為にせっかく作って用意してくれた食事だもん。だから頑張って全部食べてはいる。


 食材だって、野菜とかも全然形も名前も違う。これからここで生活していくんだから、色々とこちらの事を覚えなきゃいけない。


 幸いな事に、文字は普通に読めた。文字も言語も不思議な事に簡単に書けるし理解も出来ちゃって結構驚いてはいる。頑張って覚えなきゃって思ってたんだけど、全然要らなかったなぁ。お勉強とかって自信なかったから助かりました。


 でもこれってどういう仕組みなんだろう? もしかして妖精さんのお陰、とか?


 それと、この世界には〝魔道具〟というものがあるそうだ。教えてもらったけれど、私には家電製品なんじゃ? という感想が出た。この異世界には電気がないから、魔道具で補ってるって事ね。


 その魔道具には〝魔石〟というものが入っていて、魔力が入っているらしい。それをエネルギーとして動かしているみたいなんだけど、魔力は込められた分だけしか使えないため、全部使い切ったら交換しなければならないらしい。何というか、充電式の電池みたいな感じなのかな?



「お嬢様、こちらでよろしかったでしょうか」


「はい! ありがとうございます!」



 マリアさんにお願いしていたのは、とある本だ。この世界の異世界人のことが載ってる本。


 結構新しい本だから、最新版なのかな、これ? そんな事を思いながら本を開いてみた。あ、あった!


 この異世界に初めて来た人は…………えっ。



「せっ聖女っ!?」



 初めて異世界人がこの星に来たのは、約200年前の事らしい。19歳の女性で、しかも聖女だったらしい。


 聖女って言ったら、ファンタジーとかで出てくるすごい人の事だよね。癒しの力とか、そういうすごい能力を持った女性。


 彼女は、以前あった不作の地を聖女の祈りで生き返らせたそう。この世界に恵を与えてくれたと書かれていた。今作物などが盛んみたいだけど、それは彼女のお陰らしい。


 でも、結婚話で凄い事になってしまい逃げてしまったそう。


 ……まぁ、異世界人だし、ね。しかも美人さんだったらしいし。


 そして、二人目。


 約170年前にいらっしゃった21歳の男性だったらしい。神聖力を使える神の遣いだった方で、人々を癒す力をもって人々を癒したそう。


 ……あれ? 最初に来た聖女様と一緒?


 この人は、国々にある神殿を作ったらしく、そこにいる神官様は彼の子孫らしいけど……



「……ん?」



 これ、もしかして、美化されて書いてある……? 色んな怪我などを治してあげていたみたいだけど……ここまで神殿を作るためには、だいぶお金が必要だよね。この下に書いてある神殿、いっぱいあるし……


 まぁ、平民さん達には無償で怪我を治していたみたいだし……ちょっと待って、平民さん達? じゃあ、貴族のご令嬢とか、他の人達は?


 ……あ、まぁ、疑ってるわけじゃないし……ラピエス様親切な人だし。


 彼は子宝に恵まれ、というか奥さんが3人もいて子供を沢山作ったそう。


 奥さんが3人って……いいの? ま、まぁその世界での常識とかそういうの分かんないしね。


 その子供達は彼の神聖力を受け継いでいて、大人になると他の国々に向かわせたそう。


 と言っても、子供達を向かわせるにあたって、約束事をしたそうだ。これから来る異世界人を歓迎する事。以前アルバートさんが言っていた国々の決まり事はその時に決まったそうだ。ありがとうございます。


 さてさて、三人目の方は、約80年前にいらっしゃった25歳の男性。彼は料理が好きだったようで、保護された国の料理を見直して美味しい料理を広めたそう。だから、料理革命を起こした人だと書いてあった。



「……料理、かぁ……」



 一体どんな料理なんだろう。スフェーン王国か……ここからだと一つ国をまたいだ先にあるのか。この国にその料理って入ってきてるのかな?


 食べてみたいかも。だって、料理革命でしょ? きっと美味しいよね。


 80年前で26歳だったという事は、もし生きていらっしゃったら106歳のおじいちゃんだってことだよね。どうなんだろう。もし生きていらっしゃったら会ってみたいかも。


 その方は、これからいらっしゃる異世界人の為に、この星に名前を付けるよう提案したらしい。その方が説明もしやすいし、分かりやすいと思ったのかもしれない。異世界人の故郷の星にも名前が付いているかもしれないし。


 そして四人目。約40年前にいらっしゃった21歳の女性。となると、今は61歳?


 彼女は大の動物好きだったらしい。保護された国では、野良の動物が沢山いたらしくて扱いも酷かったそうだ。だからたくさん保護したらしい。


 その中には、とても綺麗な毛並みの動物もいたらしい、その毛で綺麗な織物を作ると瞬く間に人気が出たそうだ。その異世界人の故郷独特の編み方があるらしい。


 それから、その国に法律を作ったらしい。動物保護法という名の法律だ。動物を守るために作られたのだとか。40年で動物の法律を作ってしまうなんて凄い人だなぁ。



「なんか、日本の歴史にそんな人がいたような……? 誰だっけ?」



 まぁ、それはさておき、どの方もとても優れた方々で、この星に貢献しているみたいで凄いな。


 でもさ、これって異世界人の事が記載されてる本でしょ? そしたら、私も書かれちゃうのかな。うわ、恥ずかしいな。というか、私何もできないから書くこと全然ないよね。


 不作の地を生き返らせることも出来ないし、人々を癒す神聖力なんて凄いもの持ってないし、料理だってちゃんとしたもの作れないし、動物は好きだけど法律だって変えるほどの力は持ってない。


 なんかごめんなさい。


 私の知っている事と言ったら……スマホとか、ネットワークとか? あと移動手段として車に、バスに、電車とか。あとは……音楽とか、ファッションとか? でも詳しくは分からない。恥ずかしいなぁ。


 どうしよう、凄く不安になってきた。




 それからしばらくして、シモン先生が完成した薬を持って訪ねてきた。


 とりあえず、超絶に苦かった。とっても。ここでは薬は液体らしい。錠剤とか、粉薬とかじゃなくて。だからどうやってもこの苦さを回避することが出来なかった。



「お嬢様、こちらをどうぞ」


「あ、ありがとうございます……」



 飲んだ後に甘いおやつを食べて苦さを和らげてはいるけれど、それでもやっぱり苦手である。この苦さってどうにかならないのかな? でも薬学とか全く知らないから文句は言えない。ごめんなさい、頑張って飲みます。



「お嬢様、良薬口に苦し、ですよ!」


「うぅ……」



 そうは言うけれど! でも苦いのは苦いの!



 そんな私の頑張りが実を結んだのか、いや、その言い方は間違ってるか。苦労して作ってくれたシモン先生の頑張りもあって日に日に熱を出す事が少なくなり息苦しさなども無くなっていった。とってもスッキリしていて、本当にびっくりしてる。


 という事は、ここは地球よりも医療技術が進んでるって事だよね。技術面の違いもあるけれど。でも、本当に、こちらに来られてよかったって思ってる。


 ママに会えたなら、報告したい。ママ、私ここまで良くなったよって。ママ、こっちに来られないかな。なんて事も思ったけれどそれは難しいよね。


 それと、私を拾って下さったアドマンス夫妻にも感謝したい。このお医者さんを呼んでくださったのはお二人だ。衣食住を与えてくださったのも、このお二人。まるで、娘のようによくしてくださった。


 何か、恩返しが出来るのであればお返ししたいな。こんな私に何が出来るか分からないけれど。


 そう思っていた時、お二人が揃って私の元へやってきた。



「あのね、アヤメちゃんに私達から提案があるの」


「提案、ですか?」


「そうだ。二人で話し合ったんだが、君をアドマンス家に迎えたいと思ってな」



 ……え? アドマンス家に、私を……?



「私達の娘になってくれたら、とっても嬉しいわ」


「実は、私達には25の息子がいてな。だが……」



 公爵様はそう言いかけると、隣のメルティアナさんと顔を見合わせてから二人同時にため息を吐いた。


 どういった意味のため息なんだろう、これ。



「生意気で全っっっ然家に帰ってこない子なのよ。ほんと、困った子でね。それに比べてアヤメちゃんは可愛いし優しいし良い子だし礼儀正しいし。だからいっその事このまま娘になってほしいわ、って思っちゃって」


「どうだ? 私達としては大歓迎なのだが」



 娘……アドマンス家の……この人達の……家族に? 私を?



「実は私、向こうにママがいるんです。あ、でも、パパは知らなくて……」


「生まれ故郷に?」


「はい」


「それならなおさら、アヤメちゃんを歓迎したいわ。大事なアヤメちゃんを、ぜひ私達に任せてもらいたいの。どうかしら」


「君の第二の親になれると嬉しい」



 そこまで、言って下さるなんて。初めての事だから、戸惑いもあるけど、ここまで助けて下さった方々からのお願い。そして何より、家族として迎え入れたいと言って下さってる。


 甘えても、いいだろうか。



「……こんな、手のかかる私でいいのでしたら、よろしくお願いします……!」



 その返答に、お二人は顔を合わせて微笑み、私の手を取ってくださった。



「手がかかるなんて言わないで。自分達の子が健やかに、伸び伸びと過ごしてくれる事が私達の幸せよ」


「そうだ。これからも、元気な姿を見せてくれると嬉しい」



 こんな事初めてでどうしたらいいのか分からない。けど、今の私はとても嬉しくて、涙が出そうだ。



「あ、あの、その、息子さんの意見を聞いてから決めなくて良かったんですか?」


「そんな事気にしなくていいさ」


「どうせ、俺に聞かなくても、それはもう決定してるのでは? って真顔で言ってくるに違いないわ。聞くだけ無駄よ」



 ……一体息子さんはどんな人なんだろう……全然帰ってこないって言ってたけど、そしたら会うのいつになるんだろうか……凄く、心配だ。

 


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