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目が覚めたら異世界でした!~病弱だけど、心優しい人達に出会えました。なので現代の知識で恩返ししながら元気に頑張って生きていきます!〜  作者: 楠ノ木雫
第十一章 冬が来る

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◇105 エバニス料理


 貴族の者達は、噂好きだ。


 その為、何か小さな噂が出てくると瞬く間に社交界に広まっていくのだ。



「聞きました? あの【なかむら】の噂」


「〝秘密のメニュー〟の事ですか?」


「そうそう。婚約者であるアドマンス嬢だけの秘密のメニューがあるらしいんです。確か……〝お茶漬け〟だったかしら」


「あら? 私が聞いたのは、〝フレンチトースト〟でしたわ」


「もしや、その日その日で変わるのでしょうか」


「あらまぁ、ではその日その日のご令嬢の気分でご用意しているのね。では、毎回料理でご機嫌取りをしていたってことかしら? ご令嬢を料理で落としたという噂は間違っていなかったという事ですわね」


「まぁ、ご令嬢は知らず知らずにこちらに来てしまいきっと悲しい思いをしていたでしょうから、故郷の料理を食べることが出来て安心なさった事でしょうし、その気持ちを利用したのでしょうね」


「なるほど、それなら理解できますわ」


「あ、そういえば今巷で流行ってる〝エバニス料理〟。きっと令嬢はいくつも食されている事でしょうね。あれは中々食べられませんから、羨ましいです」


「そうねぇ、皆さんとても美味しいと言っていらしたから、私も食べてみたい気持ちはあるのですが、中々ありつけられないんです」


「一体どんな味がするのでしょう、気になりますわ」




 私の事を悪く言うのは別にいい、でもタクミの事で悪く言うのはやめてほしい。とは思っても中々収まらないのは困りものだ。



「エビが足りない?」


「そ」



 今日も【なかむら】に赴きお昼ご飯を食べようとしていた時だ。エビが足りない、とは一体どういう事なのだろう。



「ここカーネリアンじゃ魚介類はあまり食べられていないだろ? だからいつもメニューには魚介類の料理を入れていたんだけど、でも最近人気が出てさ。それがエビ料理だったんだ」


「ねぇ、もしかして〝エバニス料理〟って言われてるやつ?」


「そう、それ」



 私達の知ってるエビはエバニスって言うんだっけ。


 確かに、社交界で噂になってる料理だ。



「俺らはいつも違う隣国から魚介類諸々は仕入れてるんだけど、エビとなるとそんなに多くは用意できないんだ。だから数量限定にしてるって事」


「なるほど……」


「それでだ、アドマンス公爵様と夫人にお話があるから、一言お願いしてもいいか? ちゃんと手紙は送るから」


「お父様達に?」


「あぁ」



 お父様とお母様にお話……エビ? エビを確保するって事だよね。どうして、アドマンス家? あ、そういえばこの国で唯一の港があるのはアドマンス領だったっけ。もしかして、そういう事?


 いや、でもアドマンス領とここじゃだいぶ距離あるよね?


 色々と頭を回転させながら、私は作ってくれたエビフライをもぐもぐ食べたのだった。すっっっっごく美味しかったです。



 と、いう事でその2日後、タクミとナナミちゃんは私達の屋敷に来訪してきたのだ。



「実は、お願いがあるんです」


「ほぅ、お願いか」


「アドマンス家の領地で獲れるエバニスをこちらに分けて頂きたいんです」


「確かに、最近エバニス料理が大人気だからな。不足するのも分かる。もしや、急速冷凍魔道具を使う気かな?」


「はい、それが一番かと思っています」


「急速冷凍魔道具?」


「あぁ、アヤメは知らなかったな。よく漁で使われる魔道具だ」


「水揚げされた魚介類を一気に-30℃から-50℃の低温で急速冷凍すると長期保存が出来て遠くの場所まで運ぶことが出来ます」


「カーネリアンだと港がアドマンス領だけだから、中々魚を食べる機会がなくてね。だからそういった魔道具は発展しなかったんだ」



 へぇ、そんなものがあるんだ。知らなかった。



「分かった、ではウチの領地の者に声をかけておこう。すぐに、とはいかないから少し待っていてくれ」


「本当ですか! ありがとうございます!」



 やったぁ! これでエビは確保だ!


 今数量限定でお店にエビ料理を出してるみたいだけど、これなら来店したお客さん皆に振る舞えるって事よね! 良かったぁ。



「確か、明日はお店の営業日だったかな。実は私達もあまりエバニス料理を食べた事がなくてね、何よりアヤメが美味しいと絶賛してくるものだから食べたくなってしまったよ」



 まぁ確かに話はしたけれど、エビフライがとってもとっても美味しかったですって話したけれど。でもお父様、それまさか明日行く気じゃありませんよね。お仕事は? お仕事はどうしましたか?



「あー……」


「あの、申し訳ありません。明日は、昼営業はお休みにさせて頂く事になっているんです」


「え?」



 昼営業はなし? 明日は定休日じゃないよね?

 


「実は……今朝城の役人がウチに来まして……明日妹と二人で城に来るよう言われたんです」



 え、し、城!? 何で!? 城って事は、じゃ、じゃあ呼んだのは王様か王妃様!? ど、どんな用件で呼ばれたんだろう……ま、まさか何か言われてお店畳まされたり、しないよね……? いや、でもそれは考えすぎ? だって、今貴族の中で有名になってるし……



「そうか、陛下が……分かった、残念だがまた今度だな」


「申し訳ありません」



 一体どんなことを言われてしまうのだろうか。

 

 不安で仕方なかった。



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