洗剤を水増しして使うとあとあと大変なことになる
テンションだけで書き上げました。後悔はしていない("´∀`)bグッ!
「はあ、本当に、永遠に魂を浄化する仕事とか、つまらなすぎて女神辞めたくなります……」
私は女神です。女神と言っても、神託とかを授ける系のカッコいい女神ではなくて、主に流れてきた魂の浄化をしています。こういうととても難しそうに聞こえますが、実際の仕事はとても簡単なんです。
まず専用の洗濯機に魂を100個ほど放り込み、洗剤を入れて回します。するとこびりついた人格がきれいに落とされ、まっさらな魂に戻ります。これを太陽神様のお力をお借りしてで乾かします。最後にこれを様々な世界に送り届けます。
魂を新しくつくるのにはとても力がいるので、こうしてリユースしているのです。
「さて、次で今日のノルマは終わりかしら。……はっ!」
どうしましょう。もうあと一回せんた…浄化すれば今日のノルマは終わりというのに、あと少ししか洗剤がありません。なぜさっき気づかなかったのでしょう。一回に必要な五分の一程度しかありません。
今日の仕入れの担当はガブリエルさんだったはずなのですが……棚にも置いていない所をみると、もしかして今日担当と言う事を忘れているのでしょうか。
「今から仕入れに行くにも、業務用スーパーは飛んで30分ほどかかりますし……」
3秒ほど考えた結果、私は洗剤を水増しすることにしました。少ししかないよりは水増したほうが効果がある気がしません?そこらへんに流れていた聖水を入れて、シャカシャカと振ります。……うん、まあ、いいでしょう!
思ったより結構薄くなりましたが、まあ私よりも高位のお方がつくられているようですし、効果は発揮できるはずです。1000年ほど前もこんなことがあった気がしますが、その時は何ともなかったはずなので、多分大丈夫だと思います。
ガタン、ゴトン ピ―――
あっ終わったみたいですね。
洗濯機から魂を取り出して、かごに入れます。一個一個、ちゃんと浄化されたか確かめながら入れます。まあ、今までちゃんと出来てなかったことはないんですけ……ん?
「ん?あれ?ん?え、ちょ、ん?」
ままままままってください。少し嫌な予感はしていました。していたんですケド……
どうしましょう!この魂、自我が強すぎて、薄めた洗剤では浄化できなかったみたいなんですが!
と、とりあえず先輩に相談を……!
「え、ああ、あんたもついにやっちゃったのね。大丈夫よ、この仕事をしてる女神なら一回はやらかすから。ちなみに私も」
「え、じゃあ先輩はどうしたんですか?」
確か、感覚をあけずに浄化すると二度とその魂は使えなくなるって聞いた覚えがあるんですが。
「ふふ、私たちだってバカじゃないわ。こんなことを馬鹿正直に言ったら、上司にしこたま怒られる未来が見えるもの。もちろん、抜け道を探したわ。だれにもバレずに自分の力のみでこの危機を乗り越える方法を」
「ぜ、ぜひ教えて下さい!」
「それはね……」
な、なるほど!たしかにそれなら時間をあけて浄化することができますね!さっそく、やってみましょう。
「タナカさん。あなたは惜しくも17歳という若さで人生を終えてしまったのです」
「よっしゃああああ、転生きたあああああ!」
そう、私が先輩に教えてもらった解決法は、その魂の方を自分の創った世界に生まれ変わらせる、と言う方法です。まあ自分も一応女神ですので魂の浄化が仕事と言えど、世界の一つや二つ、楽勝で創れます。
それにしても、なぜこのサトウさんは自分が死んだことを知って喜んでいるのでしょう?もしかしてこの前耳にした、どえむというやつなのでしょうか。まあそのほうがすんなりと話が進むのでいいのですが。
「これからあなたには、とある異世界に行ってもらいたいのです。そこでは魔王軍の脅威により、民の平和が脅かされています。どうか魔王を倒し、この世界に平和をもたらしてもらえないでしょうか……」
「はい、もちろん。そこに住む人々が困っているのなら、それを見過ごすわけにはいきません。しかし、俺は強い力を持ち合わせていないのですが」
「それは当然、私が授けます」
突然サトウさんが後ろを向いてチートキタ!とか言ってるのですが、チートって何ですかね?
「オーガにも負けない筋力、エルフにも勝る知力、魔族をも超え得る魔力を授けます。どうかその力で魔王を倒し、この世界に平和をもたらしてください!」
「はい!」
そしてサトウさんは粒子となって消えていきました。創った世界を見ていると、サトウさんがさっそく授けた力を使って獣人の女の子を助けている所でした。上手く力も使えてますし、心配いらなそうですね。
「あー、よかった、これで一旦は平気ですね。」
ようやく一息つけました。
<100年後――>
「あっ、またやっちゃいました。一回に選択していいのは100個までなのに、短縮しようとして200個も一気にやったからですね……ん?」
「せっせんぱーい!」
「あら、またやっちゃったの?ならもう一個世界を創って……」
「それが無理なんですよ!」
「え?」
「同じ人をもう一回浄化ミスしました……!」
「……一回下界に堕ちてきましょうか」
この後、彼女はポンコツだという噂が天界全体に広まったという。
そのせいで魂の浄化ミスがバレ、彼女は上司にしこたま怒られましたとさ。
ありがとうございました!