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6話 その者の名はユーク

週1くらいの更新予定ですので・・きながにまってくださ><

部屋の中を見回すとどう見ても中世ヨーロッパの王族の一室みたいな部屋だ。

豪華なシャンデリアに天蓋付きの巨大なベッド。


「これ何人で寝れるのよ? パジャマパーティでも開くの?」


一人突っ込みながらベッドにかけられたシーツを触ると、感触がある。

ちゃんと掴めるのに驚き、本当にシーツだった。

ゲームだと聞いていたのだがこれでは本物と変わらない気がする。


コンコン。

部屋をノックする音が聞こえた。


「姫様。案内の者です」


「ど、どうぞ。入ってください」


案内の者が来ると聞いていたので招き入れる。

鍵等はついていないらしく、普通に入ってきた・・・郁子さん!


「郁子さん? なんで?」


「他人の空似です。申し遅れました姫様。

 私はユーク・マイウェーイと申します。

 ユークとお呼びください。」


「何言ってるの?郁子さんじゃないの?」


「姫様が何を言っておられるかわかりませんが・・・

 こちらのゲーム世界での案内を承っています。

 姫様の専属侍女となりますね」


「いやいや、さっきまで話してたじゃない!」


「イエイエイエーイ。お初にお目にかカカリマース」


「ちょ、言動可笑しいから。別人風に言っても郁子さんじゃん?」


可笑しい。あからさまに言動が。


「仕方ありませんね。説明しましょう。これはチュートリアルというものです」


そういう、郁子さん似のユークさん。


「先ほどのようにこの世界には『変な人』が居る可能性があります。

 なので、本名を名乗らないのが常識となります」


どうも、この世界に来る人はまずそう言った教育を受けるみたいだ。

ネットリテラシーやネチケット等の教育を施される。

破ってしまっても問題は無いが警察のご厄介になる場合が多いらしい。


「ですから私もユークと名乗っています」


なるほど。郁子さんと言うのは駄目なんだね。


「あれ?そうすると私はどうなの?」


「ええ、姫様はこのゲームの宣伝キャラクターとなりますので名前が決まっています」


「なるほどね?広告塔の役割的な?」


「そう言う事ですね。まずはこの国から説明ですね。

 前提資料とか読まれてないでしょうし」


バレてるし!


「いやーちょっとは見たよ?でも仮想ゲームの話されてもピンと来なくって・・・」


「姫様はそう言う所ありますからねぇ。

 そういう意味で実際に体験しつつやるのが良いかとクエストを用意しています」


ばばーーん。

目の前にクエストスタートの文字が浮き出てきた。


「え?ナニコレ?びっくりしたんだけど!」


「依頼内容はこれです」


一枚のA4用紙程度の物を渡される。

綺麗な紙ではなく、ちょっと雑な感じが妙に中世的でリアルだ。

触り心地すらざらざらだし。

ただ、文字はちゃんとしていて読むと・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

◇初級おつかいクエスト1

 鏡を探して、自分の姿を確認してみよう。

 クリア条件:特定のポーズをとり高得点を出すとクリア!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「は?」


思わず呆れ声が出たけれど、特定のポーズ?何それ?

ちょっと意味が解らない。


「実際の生活でこんなバカな事してる人はまぁナルシストな人くらいでしょうね」


「それ解ってるならこんな事させなくない?」


「いえ、そこがゲームというものですよ?

 普段はしない事をしてしまう。そう言う場所です。

 そう、本当は男の子なのに心の女の子を特定できないからと言って、

 出してしまうネカマのように!」


私を鏡の前にグイグイと押し出すユーク。


「さぁ、ここでポーズを!」


部屋にある豪華な姿見。実物だといくらするのだろうと思ってしまう程だ。


「ちなみに・・・この部屋の品物はすべて実在しますよ?

 今見てる鏡は確か・・・とある王室の方が使っていた物で2億ドルくらいだったかと」


「豪華すぎるわ・・・・」


「便利ですよね?デジタル再現するだけだとタダですし、

 詳細資料さえ手に入ればなんでも複製可能・・・物欲がなくなりますね?」


確かに・・・いくらでもデジタルで作れてしまうのはどうだろう?


「それはさておき、鏡の前でポーズです!」


「う、忘れてなかったかぁ」


仕方なく、鏡の前にある自分を見る。

確かに・・・『お姫様』である。

頭にティアラがあり胸元の空いた白いドレスにふわふわの金色の髪が揺れている。


「あのこれって・・・」


「このゲームの特徴の一つです。自分を偽れませんね。

 通常のゲームであればアバター等の『別人』を操作するのですが・・・

 このゲームシステム上不可能なのです。

 フルダイブ技術と言うのは遺伝子情報、ナノマシン情報等医療機器との連携を行い、

 自分自身と全く同じ動きを再現させないと現実との差で弊害が起きます。

 現在の技術ではこの辺りが限界なのでしょうね」


「なんか分かる気がするような?しないような?」


「それはよろしいので、姫様、さぁ、さぁ、ポーズを!」


うーん、しょうがないのでクエストの依頼通り鏡の前でポーズをとってみる。

モデルポーズ的なやつだ。


「さ、これで、終わりかな?」


「姫様。違いますよ。クエストはクリアの表示が出たら終わりなのです」


「えぇ? でもポーズとったよ?」


「ですから、依頼者が高得点と判断していないという事ですね」


「え? ちょっとまって、誰かが点数つけてるの?」


「ええ、この場合は依頼者になりますね。依頼用紙に記載がありますよ。

 この辺りも依頼者の確認を怠ってはいけない要因になります。

 クエストは依頼者が居て初めて成り立ちますので」


「あー、わかるような?わからないような・・・

 って依頼者ユークってユークさんじゃない!」


「私が差し上げたのですからそうなりますね。

 個人的な依頼は誰でも出す事ができます。

 この辺りは色々なギルドで登録。依頼書の発行、依頼金額の支払をする事で出来ます。」


「なるほどね。チュートリアルとしてのお話なんだよね?

 これ、ユークさんの趣味ってわけないよね?」


「・・・・・・・違いますよ?」


心外な!と言っているがその間はなんだろうか。

この人、ちょくちょく私をおもちゃにしたがるから困る。


「とりあえず、どんなポーズならいいのかな?」


「雌豹のポーズで」


「・・・・は?」


「すいません。間違えました。・・・メス〇タのポーズで」


何かの音が鳴り言っている事が少しだけ阻害される。

内容が放送禁止系なのだと推測できた。


「何言ってるかわかんないし!前の雌豹の方がまだましだし!これ健全なゲームだよね?」


「・・・・そうですね。

 ですから先ほどのようなセクハラ発言にはアラーム音が鳴ります。

 警告メッセージも出ます。ひどいとそのまま牢獄行きですね」


「あ、これもチュートリアル?」


「もちろんです。この世界はかなりリアルに作成されています。

 そのため、捕まらなければ投獄されません。

 ただ、犯罪者は頭上にマークが表示されますのでまぁ街に入ってきた時点で投獄ですね。

 行動、言動の履歴がありますので冤罪がありませんし、まぁ犯罪はやめておくのをお勧めしますよ?」


「いやいや、この場合はユークさんがセクハラ犯罪者だよね?私じゃないよね?」


「そんな事よりポーズをとってください」


「わ、わかったわよ。では・・・雌豹のポーズ! にゃ!」


恥ずかしいけど我慢だ。

すると軽快な音と共にクエストクリアの文字が浮かぶ。


「おめでとうございます。こちらが報酬の10コリンです」


「コリン?」


「姫様?どうかしましたか?」


「いえ、どこかで聞いた単位だと思って」


「そうですか、私はコインをモジったものだと思っていますが・・・

 惑星だったり、栄養素であったりするかもしれません。

 まぁ何であれお金の単位ですね。ドル、円、ウォン、ユーロ等と考えてください」


ということで10コリンを手に入れたわけだけど。

掌に乗る小さなコインが1枚。

で、疑問に思うのが・・・これってどれくらいの価値があるのだろうかと。


「これってどれくらいの価値がーーーー」


「日本円換算で大体10円くらいですよ」


言い切る前に言われた。


「安っす!ちょ、だったら円でいいじゃないの?

 わざわざ変える必要性ある?」


それと、ユークの依頼報酬が安すぎる!

恥ずかしかったのに理不尽だ!


「これは世界共通のゲームですので日本人の方だけではないのですよ?

 ですからゲーム共通の単位通貨となるんですよ」


「あ、なるほど、円って言われても日本人だけだね、わかるの」


色々と考えられているなぁ。

というか、外国人かぁどうやって話すんだろ?

私、英語すら怪しいのに。

評価、ブックマークありがとうございます。

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