月曜日
ー私立高校附属中学校3年生である中御門にはある欲望があったー
月曜日というのは、学生にとって最も絶望的な言葉であるといっても過言ではない。
少なくとも、中御門はそう考えている。
絶望的と思う理由は通っている学校にある。
一般的に、週の始まりであるその言葉は、同時に五日連続授業への意味するが、
中高一貫校に通う者の場合、ほとんどが六日連続授業であるため、
市立などの中学校以上に忌々しく、ましてや部活に入っていると本当に休みがなく、
入学当初はとても耐えられたものではなかった。
しかし、今中御門が来ている場所は学校ではない。
何気なく窓の外を見ると、暖かそうな朝日が数台の自動車が行きかう道路を照らしていた。
さらにそこから反対側に視線を移すと、列に並んでいる男が見えた。
男の背後には有名なロゴマークが掲げられている。
あのロゴはこの店の頭文字ではなく一号店の外に立っている二つのアーチが
モデルであにしたものだと聞いたことがある。
男は、その細い体からは想像もつかないような大きさのなにかを手に持ちながら、
こちらへとまっすぐに向かってきた。
「お待たせお待たせー」と言う男によって運ばれてきた‘それ’は、
いつも通り、しかし飽きることのない匂いを漂わせている。
この時間帯からこれだけの飯を食べることができるとは流石俺だ、と
自虐的に心の中でつぶやきつつも、自然と‘それ’に手を伸ばしていた。
別に学校をさぼっているわけではない。サボれることならサボってしまいたいが、
サボるだけの勇気も根性も脳内には存在しない。
ではなぜここにいるのか、それは簡単な理由である。
「にしても春休みって終わるの早いよな」
そう、今は春休み中の月曜日の朝である。
「わかる、休み始まる前にある程度宿題やっときゃよかったわ」
「俺休みに入る前日に全部終わったけど?」
「は?最終日に配られた宿題その日に終わらせたの?は?うっざ」
「何事も早めにやるのがいいんだよ」
「にしても早すぎるわ、頭湧いてんの?にしてもポテトうまいわ、食べなよ」
「とか言っておいてどうせほとんどお前が食べるんだろ?」
「もちろんですとも」
そんなたわいもない話を二十分ほどしたあたりでようやく本題に入った。
「それでだ、悠馬。これから自分がすべきことはわかってるか?」
「ああわかってるよ、言わなくてもいいよできるから」
「本当だな?」
「本当だって、本当」
「よし、じゃあ最後だしじゃんじゃん食べるか!」
「おう、どんどんいこうぜ」
赤いアフロの道化師に二回目の挨拶をしたのはそれからずいぶん経った頃で、
その後はゲームセンターに向かってから自らの家へと帰宅した。
ゲームセンターのゲームは運動だと音ゲーガチ勢がよく語ることがあるが、
中御門にとってのゲームも少し、いや、相当意味が違うものの、
それなりの運動に匹敵する。
その日の中御門は、宿題を終えた友人への怒りなど忘れ、
もちろんそれにともなって宿題も忘れ、家に帰るなり早々に寝てしまった。
翌日の焦り具合は言うまでもない。
長期休みの宿題さえ達成できない自分に、こんなことができるのだろうかと、
中御門はまたも焦り、大きな不安にかられることとなった。
どうも、私です。
私ですって言っても違和感がないのは投稿が二回目だからですね。
今回は別に元から書きたいと思っていたものでもなくなんとなく書いていた話です。
なので設定は適当です。まあどれをとっても適当人間ですが。
適当な作家の適当な小説を適当に読むぐらいが暇つぶしとしてちょうどいいです。
とういうことで続編が出たら、ああこいつまだ懲りないのか 程度に思ってください。
それでは、また。