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第76掌 八つ当たり

マリアーヌさんにはサブでいてもらうことに決めました。

正直、ここまでキャラがぶれてしまったので、修正できないかな・・・と。(自分の所為)

それに世界を周るのに一編ごとに仲間を増やしていたら大変なことになりますからね。



 最初の強襲から三日が経った。俺達はギルドで依頼を受けたり、ゴロゴロしていたんだが、三日目にハフナーさんから連絡があって再びハフナーさんの屋敷へと出向いた。ちなみに連絡と言っても、伝令の者が来ただけなんだけどね。携帯電話って偉大だよな。


 そんなわけでハフナーさんに呼ばれて来たはいいが、ハフナーさんと一緒に来ていたアルナスさんの隣でもたれかかる様にしてマリアーヌが死んでいる。勿論、物理的にではなく。精神的にという意味だ。


「・・・あの。今回呼ばれたのは王子に関することと姫騎士派の殲滅に関する作戦についてだと思っていたのですが、違いますか?」


「い、いや、合っているのだがね」


 ハフナーさんも精神的に死んでいるマリアーヌにドン引きらしい。アルナスさんも苦笑いだ。


「あの人はどうしたんですか?」


「強襲の日の次の日には一応、言った通りに部屋からは出てきたのだ。しかし、出てきたはいいが、あの通りでな。最終的には様子を見に来たアルナスのそばを離れようとしなくなってしまってな」


 ど、どんだけ~。


「マ、マリアーヌ様?大丈夫ですか?」


 俺は挨拶をしないのも失礼かと思い、声をかける。


「・・・・・・」


「タ、タカキです。あなたの依頼を受けた」


「!」


 俺の名前を言った瞬間、目がカッと見開かれた。こ、怖い。


「あ、あなたのせいで!あなたのせいでアルフォンスは・・・・!」


「あの、アルフォンスって誰ですか?」


 知らない名前が出てきたので周りに助けを求める。


「裏切った執事の名前だ」


 アルナスさんが教えてくれる。


「あ~。あの人か」


「あなたさえいなければこんなことにはならなかったのよ!」


「いやいや、俺をこの舞台に上げたのはあなたでしょう」


「違うわ!あなたのせいなのよ!」


 イラッ。話を聞けよ。どうも、好きでもない相手には沸点が低くなっているのかもしれないな。


「違う。お前のせいだ」


 ドスを聞かせてマリアーヌに言い放つ。勿論、威圧スキルも使っております。


「!」


 思いっきりビクッとなるマリアーヌ。横にいるアルナスさんまで連動してビクッとなってるよ。


「元々スパイだったことを見抜くことも出来ず、自陣に取り込むことも出来なかった。そして結果裏切られた」


「うぅ・・・」


「そして裏切られたことを他人のせいにして怒鳴り散らす。王女様としてこんなんでいいんですかねぇ?」


「うううるさい!」


「しかも、俺の力に頼ってきておいて自分は何もしていない。やっているのはハフナーさんやアルナスさんだ」


 そう。この姫、実は俺に依頼を出して以降、特に何もしていないのだ。ハフナーさんは俺達への対応の他に、色々と準備やら王子の捕縛やら色々と仕事をしていた。アルナスさんもその手伝いをしていたのだ。しかし、この姫は信頼していた執事から裏切られたからと拗ねて部屋に引きこもり、出てきたら今度はアルナスさんの仕事の邪魔をする。


 こんな人を好きになれるわけがない。恋愛感情云々の前に人としてな。子供がそうなるのは分かるが、この姫様は立場のある人間である。しかも、子どもと呼べる年齢でもない。年齢は実際には聞いていないが、成人してもいるだろう。


「まったく。最初のお淑やかそうなお姫様はどこに消えたんでしょうね?」


 思いっきり皮肉を言う。その言葉に俺の仲間三人は笑うのを堪えているようだ。神の使徒が仲間にいる以上、王族なんて怖くもなんともないだろうしな。


「さっきからあなた!私に対して失礼にも程があるでしょ!私は王女なのですよ!」


 俺は防音を風魔法で行う。


「なら、俺は神の使徒です。あなたこそ、失礼じゃありませんか?」


「うぐ」


 はい。防音の風魔法を解除っと。


「そもそも、気付いてくださいよ。ハフナーさんやアルナスさんたちにはさん付けであなたには様付けをしていることの意味を。ハフナーさんたちは気づいていましたよ?」


 俺の言葉に頷く二人。


「そもそも、公爵であり、王の弟であるハフナーさんにはさん付けで王の娘であるあなたのは様付け。おかしいとは思わなかったんですか?」


「何が言いたいのよ・・・」


「俺の本当に敬称を付けるならさん付けですってことだよ、王女様」


「さ、最初から馬鹿にされていたということ?」


「いや、馬鹿にはしていないんだけど。まあ、敬称を付けるほどの相手じゃないなと思っていました」


 その言葉に悔しそうに顔を歪めるマリアーヌ。


「俺に敬称を付けさせたいとかそう思うんなら、それだけのことを実行させるんだな」


 そう言って俺はマリアーヌから視線を外す。


「横道に逸れましたね。報告を聞きましょう」


 ハフナーさんに視線を戻して話を再開。ハフナーさんは若干、マリアーヌを気にしていたが、今は仕方ないと判断したのだろう。こちらを向いた。


「ああ。王子は無事に拘束した。これで王子派はこの継承争いからは脱落だ」


「そうですか」


「次の姫騎士派の連中だが、これはマリアーヌと一緒に作戦を実行してもらいた・・・・・かったのだが」


「あはは。止め刺しちゃいましたからね」


「いや、笑い事ではないのだが」


「どういう作戦だったんですか?」


「マリアーヌに君たちを姫騎士派の貴族たちの集まる舞踏会に連れて行ってもらい、そこで始末してもらおうと考えていた」


「あー。確かにそれは楽ですね」


「うむ。しかし、この有り様ではな・・・」


 真っ白に燃え尽きているもんな。


「ハフナーさんがマリアーヌ様名義でパーティーを主催出来ませんか?」


「う~む。そうだな、一応可能だと思う」


「なら、それでいきましょう。俺達はパーティを盛り上げる劇団とか大道芸人とかになって潜入しますから」


「なるほどな。しかし、降参したいと思ってもこれでは出来ないのではないか?」


 ハフナーさんは恐らく、一気に殲滅すると考えたのだろう。


「いえ、パーティー会場には檀上とかがありますよね?」


「ああ。ある」


「そこで聞きます。王弟派につかなければここで殺すと」


「だが、それで言うことを聞くものはいないだろう」


「はい。だから、最初に見せしめで一人派手に散ってもらいます」


「残酷だが、それが一番有効か」


「はい。それで、殺しても構わない者を教えて貰いたいのですが」


「分かった。あとで資料を渡そう」


「お願いします」


「ああ。これで今回の話し合いは終わりかな?」


 アルナスさんがちょうどいい区切りで声をかける。まあ、見た目はマリアーヌにもたれ掛かられてカッコ悪いことになっているけど。


「そうだな。タカキ君たち。この後、食事でもどうかね?」


「俺達は作法などは全くの無知ですが、それでもよろしければ」


「構わんよ。そもそも冒険者にそんなことは求めん。自分の子供の婚約者とかになら求めるがな」


 ハフナーさんの場合、アルナスさんが男だから、作法を求めるのは女性か。まあ、公爵、このままいけば王の息子の婚約者だ。身分の高い者が来るだろうから気にしなくてもいいんだろうな。


「そうですか。それではご相伴に預からせていただきます」


 それから食事を楽しんだ。結構高級そうなものがたくさん出てくるからついつい多めに食べてしまった。ダンガなんてガツガツ食うもんな。無礼ではないかとドキドキ物でしたよ、まったく。ちなみにマリアーヌはアルナスさんにくっついたまま結局、俺達が屋敷から出て行くまで何も話しはしなかった。




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