第67掌 すんなり了承するとは言ってない
今回は自分の決めた文字数のボーダーラインギリギリです。
なのでちょっと少ないです。
ごめんなさい!
俺達は意見も纏まったので部屋を出て、アネッサさんたちのいる隣の部屋へと戻った。
「あら?決まったの?」
「ええ」
俺はソファに座っているアネッサさんとマリアーヌの前に座る。三人は俺の後ろに回った。リーダーであり、交渉も俺がやるので必然、俺がこういう場面でも前に出る。
「この依頼、受けようと思います」
俺の返事にアネッサさんとマリアーヌが嬉しそうにする。特にマリアーヌが。
「ですが、条件を付けさせてもらいます」
「条件?」
アネッサさんが聞き返してくる。
「はい」
「いいわ。聞きましょう。姫様もいいですね?」
マリアーヌはそれに頷く。
「では。私共の条件は三つです。一つ目は私共の身の安全を確保するよう努めること」
「それは当たり前のことよ」
マリアーヌは同意する。ま、確かにこれは依頼を出す側からしたら当たり前のことだ。
「二つ目は俺達だけにやらせないこと。矢面にはマリアーヌ様も、それに王弟様にも出ていただきます」
殲滅対象に王弟が入ってないからな。マリアーヌの仲間なのだろう。
「それも構わないわ」
「三つ目は俺達には常に本当のことを話すこと。情報は全て俺達に公開してもらいます。あと、話さないってのもダメです」
「そ、それはいいのだけど、どうやって判断するの?」
若干どもったな?まあ、いい。こっちにはそういうののスペシャリストがいるからな。
「私共の仲間には嘘を見抜く能力を持つ者がいますので」
アメリアはちょっとドヤ顔している。おい。バレるからその嬉しそうな表情はヤメロ。
「あなたでしょ?」
おおっと。マリアーヌはいい具合に勘違いしてくれた。まあ、アメリアはメイド服だからな。メイドが俺に付いていたら主は俺と思われる。そんなメイドが嬉しそうにしているんだから主がすごいことが他者に理解してもらえてうれしいと思っている・・・なんて考えているんだろうな、マリアーヌは。
実際はこのメイド、保留にしている婚約者で、嬉しそうにしているのは自分が俺に頼りにされているからって感じか。
「それはご想像にお任せしますよ」
俺は勘違いさせるためにもワザとらしく肩をすくめる。ここでスキルである詐術も発動。俺の思う通りになった。実際、俺もやろうと思えばやれないことはないけどね。全掌握で相手の思考を掌握すれば、もしくは把握すればいいんだし。でも、それよりアメリアの審判の方がそういう方面では使い勝手がいい。発動しただけで分かるんだもん。俺のは発動してから相手を掌握して記憶やらなんやらを掌握、もしくは把握して~みたいなことをやらないといけない。めんどくさ。
「そう。でも、分かったわ。その三つは必ず守る」
仲間たちに視線を向ける。だが、本当の目的はアメリアにさっきの言葉に嘘はないかを確認することである。
アメリアはかなり小さく二回頷いた後に同じように左右に首を振った。どうやらさっきの言葉はグレーゾーンらしい。三つ目が嘘ってことかな。
アメリアの情報で俺は全掌握を発動。相手の考えを把握する。掌握したらバレそうだしね。
「どうかしたの?」
アネッサさんが動かない俺を不思議に思ったのか、声をかけてくる。
「・・・。いえ、なんでもありません。マリアーヌ様」
「なんでしょう?」
「三つ目に関しての同意は嘘ですね」
「っ⁉」
「嘘でも本当でもないことを言えばいいと考えている。違いますか?」
「っ!」
ポーカーフェイスは流石王族と思うけど、そこら辺も把握していたら動揺はあっさり俺の所に伝わる。
「ふむ。では、この依頼、断らせていただきます」
俺はそういうと立ち上がり、部屋を出ようと扉に向かう。仲間たちも俺に続く。こうなることは話していなかったけど、仲間達からしたらどちらでもいいのだ。依頼を受けても受けなくてもどちらにもメリットとデメリットがある。そして最後は俺の判断に任せてくれている。俺のワンマンではない。話し合って、メリットとデメリットを俺に提示し、それで俺にどちらを選ぶか任せている。本当にいい奴らだ。仲間最高。
「姫様!」
急な手のひら返しに呆然としている。そんなマリアーヌにアネッサさんが声をかける。
「っ!待って!」
「何か?」
「悪かったわ。先程言ったようなこともしない。きちんと全てを話す」
アメリアも頷いている。
「王弟様が言わないということもなしですよ。協力する者たちには三つ目の条件をしっかりと守らせてください」
「ええ。私の名に誓って」
「・・・分かりました。それでは先程の言葉は取り消しましょう」
俺の言葉を聞いてあからさまにホッとするマリアーヌとアネッサさん。まあ、恐らくもうそういう騙しなどが俺には通用しないことが分かったからだろうな。
「流石は黒の英雄様。恐れ入ったよ」
マリアーヌがそう言ってくる。ぐぅっ。俺の弱点を攻めてくるとはな。そんな中二病な名前で俺を呼ぶな。もしこんな名前を一年C組のあいつらに聞かれたら笑い転げるだろう。何人かではなく、クラス全員が・・・。
「ふぅ。それでは受けてもらえるということでいいですか?」
アネッサが俺に確認を取る。
「ああ」
「それではこの依頼の内容、つまりは何故このような依頼を姫様が出し、それを私が了承したのかを話そう。後ろの君たちも座ってくれ」
俺の後ろにいるリリアスたちにアネッサさんが声をかける。
三人はその言葉に従い、俺と一緒にマリアーヌとアネッサさんのソファに座る。
そしてアネッサさんは話し始めた。
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