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第49掌 フォーマス、惨敗

活動報告の方には載せたのですが、コングラの全体プロットが書きあがりました。

まあ、プロットだけなんで話自体はまだ全く書けていません。

でも、終わりはしっかり決めたので途中でエタることはないと思います。

ですので、心配はしないでください。

それでは今回の話です。どうぞ!



 朝食を終えた俺達は武具を装備して練兵場に向かった。


「遅いぞ!」


 そう言って怒鳴って来たのはフォーマスだ。


「なぁ」


 ダンガが俺に声をかけてきた。


「どうした?」


「いや、なんか昨日と性格違わねぇか?」


「あれが本来のフォーマスの性格なんだろう。昨日までは感情の起伏が弱かっただけで」


「どうしてだ?」


「詳しいことは分からんが、昨日まではアレがフォーマスに憑りついていたからな」


「なるほど」


 感情を抑制されていたんだろう。本人には自覚がないだろうがな。


「さて、全員そろったな」


 ベルモンドさんが俺達を見渡しながら声を出した。


「それでは始める。サム、いいな?」


「はい!」


 フォーマスに負けた人はサムと言うのか。まあ、名前は何でもいいけど。


「フォーマスもいいか?」


「ああ。構わない」


「それでは、はじめ!」


 ベルモンドさんの合図で試合が始まる。・・・が、決着はあっさりと着いた。勿論、俺の言った通りにフォーマスの負けだ。


「な、なぜ・・・」


 果敢に飛び出したフォーマスは剣でサムを攻撃したが、それをあっさりと避けられてしまい、サムの方が持っていた木刀で一太刀入れられたのだ。木刀はベルモンドさんの仕業だろう。こうなることが分かっていたのだ。だから殺傷性のない木刀をサムに持たせた。


「お前は誰かに利用されてドーピングを掛けられていただけだ」


 俺はフォーマスに多少ぼやかした説明をする。


「素のお前の強さなんてそんなものだ。レベルも10しかないし」


「そ、そんな・・・」


「分かったな?それじゃあこれからお前の性根を徹底的に叩き直してやる。ついでに多少は強くなれるから期待しておけ」


 俺のオールブーストの効力もどこまで有効なのか知りたいし、ちょうどいいだろう。


「まずはリリアスと戦ってもらう」


「うぇっ⁉わ、私ですか?」


「ああ。アメリアを除けば今、この中で一番弱いのはリリアスだからな」


「な、なんでアメリアさんを除くんですか?」


「だって、もう使用人じゃないとしてもさっきまではここのメイドだったんだ。客だったフォーマスを攻撃出来ないだろ?」


「た、確かに言ってることは理解できますけど・・・」


「頑張って来い。リリアスの対人戦の特訓にもなってちょうどいいじゃないか」


「頑張れ、リリアス」


「リリアスちゃん、ファイト!」


「ダンガさん、アメリアさんまで・・・」


 ゲンナリするリリアス。しかし、やるしかないと気合を入れ、フォーマスと向き合う。


「こんな弱そうな女が僕に勝てるとでも?」


「いいからやれ。調子に乗るな。負けた方は次にダンガとやってもらう」


「えっ⁉私にもリスクが?」


「おう。ダンガの次は俺だからな」


 まさに勝ち抜け戦。


「こ、ここで勝たなきゃタカキさんと⁉」


「なんだよ。そっちのおっさんの方が強そうなのになんでお前が最後なんだよ」


「俺よりタカキの方が強いからだ」


「嘘だー」


「それが本当か嘘かは戦ってみれば分かる。ともかく、リリアスと戦え。リリアスもいいな?」


「はい!タカキさん」


「・・・・ああ」


「それじゃあ、はじめ!」




               ・・・




 ここからはダイジェストでいこう。


 リリアスとフォーマスの戦いは少しヒヤッとする場面があったが、順当にリリアスが勝利。その後のダンガも言うまでもなくダンガの勝利。この時点でボコボコのボロボロなフォーマスを一旦休ませ、次は俺。もうどれだけ自分が弱いのかを分からせながら戦ってやった。結果、圧勝。


「お、お前が強いことは分かった。でも!なんでそこの女の方が俺より強いんだ!」


「そりゃあ、リリアスの方がレベルも経験も上だから」


「なんで俺と歳もあんまり変わらなそうな女が・・・」


 リリアス、十五歳なんだけど・・・。確かに童顔だけども。ほら、リリアスも自分より二、三歳下の子どもと同い年と思われてショック受けてるじゃん。まあ、俺もダンガもアメリアも大人びて見えるからな。実際にダンガは27歳だし。俺は高校の友人に言われているから言わずもがなだ。


「そりゃあ、命懸けて戦っているからな」


「い、命?」


「おう。これからお前にも懸けてもらう」


「な、なに?」


「まあ、実際に死にはしない。そのくらい危ない場面になったら流石に助けてやるからな。まあ、死にそうな目に遭うのは確定だけど」


「貴族の俺をそんな危険な場所に連れていく気か⁉」


「当たり前だ。じゃないと性根を治せないからな」


 まあ、俺のこの世界での考え方だから他にも方法はあるだろうけどな。時間もそこまでないし。ここは短期決戦でいく。


「とりあえず、外に行く準備をしておけ。午後からは依頼を受けて街の外に出る」


「い、依頼?」


「それじゃあな」


 俺はフォーマスとは取り合わず、ベルモンドさんに目線を少しだけ向け、それからみんなで練兵場を出た。


「あの、タカキさん」


「なんだ?アメリア」


「依頼って何を受けるの?」


「ん?ドラゴン討伐」


「え?」


「だからドラゴン」


 リリアスとダンガも俺の答えを聞いて固まっている。


「ああ、安心してくれ。ドラゴンの集団は相手にしないよ。一体だけ」


 それだけ言うとリリアスとダンガは安堵のため息をつく。


「いやいやいや!ドラゴンってだけでおかしいよ!」


「そうか?」


 アメリア、若干キャラ崩壊してない?そんなに激しくツッコミしない子でしょ?


「リリアスちゃんやダンガさんもなんでそんなに安心してるの⁉ドラゴンだよ?ドラゴン!」


「そう興奮するな。一体だけならなんとでもなる」


「そうです。最悪ピンチになってもタカキさんが助けてくれるから大丈夫ですよ」


「えぇ~?」


 納得がいかない様子のアメリア。


「じゃあ、今回はアメリアは見学ね。俺達の実力を改めて確認するために。それにこれくらいで驚いていたらこの先持たないし」


 俺の敵は神の眷属なんだから。


「は、はい。分かりました」


「それはそうと、アメリアはギルドで登録してる?」


「いえ、してません」


「それじゃあ、昼食は外で食べるとして、登録しにいこうか」


「え?ああ、そうだね。私もこれからタカキさん達と旅するんだし」


 まだ、言葉遣いが安定しないな。まあ、それはこれから喋っていけば慣れていくだろう。


「そういうわけで・・・・出発!」




読んでくれて感謝です。

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