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第475掌 戻ってきたベルルク その3

久しぶりの投稿です。

感想を頂き、書かなきゃって気持ちで何とか一話書きました。

近頃、世界が大変なことになっていますが、皆さん気を付けていきましょう。



 ダンガを除いたメンバーでやって来た冒険者ギルド。


 最初の頃にやって来た時にはそこそこ厳つい冒険者などがワラワラいたのだが、今はそんな剣呑な雰囲気はない。多少は昔からいた厳つい冒険者もいるみたいだが、若者や女性も増えている。それにどう考えても冒険者ではない者もいる。新人冒険者や依頼者が表立って冒険者ギルドに顔を出しているみたいだ。


「なんか、雰囲気変わっているな」


 俺は周りを見渡しながら呟く。こんなわいわいとした賑わい、前にはなかったのに。


「やっぱり、前がおかしかったってのはありますね」


 リリアスも俺に同意してうんうんと頷く。


 俺も少ししか滞在していなかったから確かなことは言えないけど、前はデリルがギルドに介入していたということが今の状況を見ているとよく分かる。てか、本当に変わりすぎだろ・・・。どこまで私欲のために介入していたんだよ。


「それで?シャーリはどこにいるんだ?」


「受付さんに聞いてみますね!」


 リリアスが冒険者の並んでいる列の最後尾へと並ぶ。


「いや、別に並ばなくてもいいだろ・・・」


 リリアスは律儀だからなぁ。俺ならそのまま手の空いている職員を捕まえてくるわ。


「リリアスー。わざわざ並ばなくてもいいぞ。戻って来ーい」


 俺の掛け声にトコトコと戻ってくるリリアス。


「わざわざ混んでいる受付嬢の所にいかなくてもいいじゃないか。ほら、そこの職員に聞くとかすれば」


「つい・・・」


 恥ずかしそうにしててかわいい。


「こほんっ。それじゃあ、気を取り直してと。聞いて来ますね!」


 受付嬢ではなく、隅の方で作業をしている職員に声を掛けるリリアス。


 話しかけているのは若手の男性職員なのかな?リリアスが話しかけて最初はちょっとビックリしているみたいだ。ん?顔を赤くしてなんか必死だな。あっ、リリアスが少し顔を赤くして困った表情でアワアワと首を振っている。・・・あ、帰ってきた。


「おかえり。どうだった?」


「今はギルドのお使いで外に出ているみたいです」


「そっか。待つか?それとも探しに行くか?」


 待っててもいいけど、早く会いたいなら探しに行くのも手だろう。俺がスキルを使えば場所もすぐに分かるからな。


「そうですね。それじゃあ、探しに行きます!」


「了解」


 それじゃあスキル発動っと。ふむふむ。そこね。


「見つけたぞ」


「それじゃあ行きましょう!」


 うきうきしているリリアスを先頭にして歩き出す俺達。


 シャーリのいる場所目指して町を歩く。


「それで?さっきの職員とは他に何を話していたんだ?」


 リリアスがあわあわしていたからな。気になる。


「あ、いや・・・。この後、食事でもどうかと誘われました」


「よし。ちょっとだけ待っててくれ」


「待ちなさい!どこに行こうとしているの」


 アメリアに止められる。


「ちょっとOHANASHIしてくる用事が出来た」


「止めなさい。相手は一般人よ」


 ちょっと一般人の定義が分からないです。向こうが一般人なら俺は何なの?別に芸能人とかじゃないぞ。


「いや、あなたは十分に有名人でしょ」


「・・・まあ」


 そう言えばそうだった。テレビとかそういう情報媒体がないから正確な見た目とかは伝わらないけど、普通に名前とか軽い風貌はそこそこ色んなところに伝わっている。


「我慢しなさい。リリアスも別について行ったりなんてしないから」


「分かったよ」


「分かればいいのよ」


「アメリアも我慢しろよ。シャーリは一般人枠なんだから」


 これを機にアメリアにも釘を刺しておく。さっきも嫉妬していたからな。


「うっ。わ、分かっているわよ」


 微妙に分かっていなさそうだけど、まあ大丈夫だろう。それこそ俺が止めるし、リリアスにも止められたらそこで止まるだろう。


「うん?」


 そうしてシャーリの反応を追っておると、急におかしな動きが起こる。


「どうしたの?」


「動きが急に変化した。さっきまで表通りを歩いていたのに急に裏路地に入った。しかもさっきまで目的地が定まっているような動きだったのに、今は誰かに追跡されても撒けるような不規則な動きをしている」


 これは怪しいな。


「早く行きましょう!」


 俺の話を聞いてリリアスが焦り出す。


「慌てるなって。大丈夫だ。すでに俺の魔法がシャーリを守れるように発動待機させてある」


 これで何があっても大丈夫だ。流石に町の誘拐犯が俺の魔法をどうにか出来るとは思えないしな。


「それに、こっちにはカリーナさんがいるからな」


「任せてください。大丈夫です。こういう輩の対処はお手の物ですから」


 カリーナさんがリリアスを落ち着かせるような優しい声色で囁く。


「それにこういう奴らには大体他にも仲間がいるもんなんだ。ここでこいつらだけ潰してもシャーリが危ないままだ。一気に危険は排除しておかないとな」


「そうですね!やってやりますよ!」


 リリアスが珍しく攻撃的だ。


 それに俺達がいなくなった時に何かあったら助けることが出来ないからな。俺達がいる時に行動を起こしてくれたことは僥倖と言わざるを得ない。まあ、毎回俺達がいる場所で事を起こすのは止めてもらいたくはあるけどな。


「ああ。やってやろう」




読んでくれて感謝です。

感想・評価・ブックマークをしてくれると嬉しいです。

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