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第466掌 久しぶりのフェルゲン その3

仕事上がりになろうのホームページを開いたら自分の小説が更新されてないということに気が付きました。

よくよく見ると予約した更新日を一日間違えていたという凡ミス。

本当にすみません。



 翌日。


 俺は皆に自由行動を伝えて街へと繰り出していた。


 俺は昼から街へと出発していた。なんで昼からって?朝は冷や汗全開のフォーマスが謝って来たからだ。最初は、「あ、昨日から来ていたんですね。気が付きませんでした、すみません」みたいな感じで来たのだが、カリーナさんを呼んで俺の隣に座らせたら即座に頭を下げた。


 まあ、綺麗な人が可愛らしい恰好で、しかも恥ずかしそうにしているんだ。ギャップ的にも可愛いと思うのは分かる。だけどお前、俺は昨日の昼前ぐらいからいるんだぞ?その時点で来いよ。


 という感じでひとしきりお叱りを与えた後で明日から修行するとだけ伝えて外に出たのだ。


 ぶっちゃけ、ちゃんと後で挨拶に来たんだから俺的にはいいんだけど、今後のフォーマスの立ち位置的にはきちんとしておかないといけないからな。貴族だけど、他家の貴族に養ってもらっている状態は結構複雑だし。


 そんなことを考えながら街を歩いている。


 ちなみに今回の同行者っていうか、一緒に街を回っているのはアメリアだ。せっかくなのでフェルゲン出身者に案内してもらおうと思ってのことだ。


 一応は他の皆も一緒にと誘ったんだが、今回はアメリアに譲ると女性陣から言われて何となく察しがついた。


 俺もアメリアとのデートは久しぶりな気もするし、いいか。


 ここのところ、旅以外ではあんまりゆっくりデートとか出来なかったし。っていうか、あんまりアメリアとデートとかしてなくない?アメリアは屋敷でメイドの仕事があるし。俺も忙しいってわけではないけど、たまに用があったりするし。


 よし。アメリアとのデート。たっぷり楽しもう。


 そう思いながら屋敷を出て街に繰り出した。


 繰り出した・・・のだが。


「それで?何の用だ?」


 そう思った矢先にこれだよ。


 現在、俺達は街中で冒険者に絡まれていた。


「あんた、綺麗なねーちゃんと一緒で楽しそうじゃねえか。俺達にもおすそ分けしてくれよ」


「そうだな。一週間ぐらいしたら帰してやるよ」


「まあ、その頃には俺達から離れられなくなっているかもしれないけどな」


「「ギャハハハハッ」」


 なんというか、うん。典型的な奴らだな。


 ここ最近はこういうのもあんまり見なかったから本当に久しぶりだ。拠点にしている王都ではすでに俺達のことは知れ渡っているから絡んでくるアホは全くいなくなってしまった。


 よそから王都に来た連中とかもいるんだけど、そういう奴も他の同業者とかに止められているからか、絡んでこないし。良いことなんだけどね。たまにテンプレ気分を味わいたいなんて気持ちは少ししか湧かないよ?


「はいはい。そういうのはよそでやってくれ」


「タカキ。いきましょ。私、久しぶりに知り合いの店に顔を出したいわ」


「ああ。そういうのもいいな。アメリアの知り合いの店巡りと行きますか」


 俺達は冒険者を無視して会話する。


「お前ら、俺達をなめてんのか⁉」


「俺らはC級冒険者だぞ!」


 どうやら高級冒険者ということをひけらかしたい連中のようだ。予想だけど、最近ランクアップしたばかりなんだろう。


「あっそ」


 それだけ返事をしてスタスタとアメリアと二人して歩いていく。


 そもそも相手は知らないとはいえ、A級冒険者相手にC級であることをひけらかすって滑稽じゃない?


「てめぇっ!余裕こいてんじゃねぇ!」


 そう言って殴りかかってくる冒険者の一人。どうやら俺が殴られている隙にもう一人がアメリアを攫うつもりのようだ。もう一人がコソコソと俺達の後ろに回っている。気配を消して移動いている訳でもないので丸わかりだけど。


「今更そういうのはいいから。間に合ってますから」


 そう言って俺は相手の殴りかかって来た腕を掴んでアメリアを攫おうとしたもう一人に向かって投げつける。斜線上にアメリアがいたけど、ひょいっとしゃがんで避けた。


 それで驚いたのは攫おうとした冒険者だ。まさか人が自分に飛んでくるなんて思わなかったようで、硬直している。まあ、普通は思わないけど。


 そして何も起こることなく、呆気なく冒険者二人は激突する。


「これでよし」


 立ち上がれないくらいのダメージはあるだろう。これに懲りたら力をひけらかす相手は選ぼうな。


「さて、アメリア。案内してくれ。まずはどこから行くんだ?」


 白目をむいてピクピクしている冒険者二人を放置して歩いて行く。周囲にいた人達は「うわぁ」という感じで冒険者達を見ている。今後、この街で生きていくのは中々の苦行になりそうだ。知ったことではないけど。


「最初に行きたいのはパン屋ね。あそこの人達には本当に色々とお世話してもらったから」


 話を詳しく聞くと、どうやらアメリアが小さい頃からたまに面倒を見てくれた人達らしく、返し切れない恩があるとのこと。そんな場所なら俺も行かないわけにはいかない。今、アメリアと一緒にいる者としてしっかりと挨拶して安心させてやらないとな。


「それじゃ最初はそこだな。早速行こう」


 俺はゆっくりとアメリアと一緒に目的の店に向かって歩き出した。




読んでくれて感謝です。

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