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第461掌 残念な父親

ついに新編開始です!

ぶっちゃけ二部構成なんですが、後半が戦争の話になります。

前半が何の話になるのか。

それは読んでからのお楽しみにしていただければなと思います。

まあ、章タイトルに思いっきり書いているんですけどね。



 せっかくの談笑が不意になってしまい、残念なことは残念なのだが、重大案件が唐突に降って湧いてきたので仕方ない。


 そんなわけでトボトボと俺とファイズは家路についていた。


「ねえ。これってどうなるの?」


 不安そうに聞いてくるファイズ。


「どうなるってなんだよ」


「戦争でしょ?慌ただしくなるんじゃないの?それで済めばいいけど・・・そうならなかったとしたら」


「まあ、事が事だから軽いことは言えないけど」


 普通の戦争とかなら理由次第では俺も手伝うし、実力的にあっさり勝利することも可能かもだけど。相手がライドーク神国だからなぁ。どう考えても厄介事とかが転がり込んでくるだろうなぁ。


「あなたも参戦するの?」


「う~ん。場合によっては?」


「場合によってはってどういうことよ」


「戦争相手が普通の人間だけなら俺は出張るつもりはない。けど、敵がズルをしてきた場合とか俺の敵(・・・)が出張ってきたら俺も存分に力を振るってやるつもりだ」


「タカキの敵ってのは前に話を聞いたから分かるけど、ズルって?」


「ズルはズルだよ。明らかに国の力以外の部分を出してきた、とかな。あー、あと。俺の怒りゲージが一定数を超えたら出張るかな」


「どんな?」


「俺の知り合いとかが巻き込まれたり、傷ついたりとか。あと、俺の知り合いの知り合いぐらいまでなら助けようとするかもな。知り合いに悲しい思いはして欲しくないし」


「優しいところあるじゃない」


「優しくなんてないさ」


「照れないでもいいじゃない」


「実際に照れ隠しじゃないよ。結果的に敵を殲滅するって言ってるんだから」


「でも、その理論で言うと、王族と交友関係を結んでいるから戦争に即参加なんじゃないの?」


「・・・・・・確かに」


 まあ、この流れから言って、戦争参加は避けられないだろう。ファイズの言ったことは確かに俺の参戦条件に速攻で引っかかる。そうでなくても、うちの馬鹿神とか周辺の情報から言って勇者なクラスメイト達が出てくる可能性が高い。


 地球に帰った際に俺が原因でこの人は帰ってこれませんでした~なんてのは気まずいことこの上ない。俺が原因じゃなかったらそこまで気には病まないんだけどな。自業自得なんだし。クラスメイト達自身のせいじゃなかったらその原因の排除というか、敵討ちくらいならするかもだけど。まあ、やってもそれくらいだよね。


「ま、人死には出るだろうから。ハフナーさん達に頼まれたらそれを減らす手伝いはするよ」


 一番は俺が砲台にでもなって魔法をぶっ放せばいいだけなんだけど。下手したらこっち側の圧倒的な勝利で終わるんだけど。でも、相手はライドーク神国。俺の敵が潜伏している可能性が最も高い場所。絶対に何か仕掛けてくる。そんな相手に暢気に魔法を放っているだけだったら速攻で排除されかねない。


 こっちは前回、ガゼルに負けているからな。ギリギリ生きているから復帰も出来たけど、今度はどうなるか分からない。だからパワーアップしておきたいんだよな~。


 でも、レベル的なパワーアップはこれ以上やってもあんまり意味がないような気もするんだよな。勿論、自力が上がるのは大切なんだけど、根本的なことから言って、神力と魔力では違いがあり過ぎる。魔力は事象の変化に対して、神力は別の何かに干渉している気がするんだよな。


 それがどんなものなのかが分からないから上手くいかないってのもある。


 しょうがない。他力本願になるけど、教えてくれる人が現れるのを待つしかないか。


「兎にも角にも、帰ってみんなと相談だな。一応話していい許可をもらってはいるし。っていうか、どう考えても完全に俺を巻き込むつもり満々だよな、この対応・・・」


 情報をオープンにしているし、関係者になれって言ってるようなものだよな。


「まあ、王族とか貴族なら当たり前の対応じゃないの?利益になる方へと物事を進めたがるし」


「王族が言うと説得力があるな」


「えへへ。それほどでも」


 嬉しそうに頭をかくファイズ。


「これで格好とか仕草がオカマじゃなかったらなぁ」


 ちゃんとしたイケメンなのに・・・。


「なんか、不満そうな顔ね」


「残念なイケメンだなって思ってた」


「褒めたって何も出ないわよ?」


「大丈夫。全然褒めてないから」


 そんなわけで、俺とファイズは屋敷に帰ってきた。


「?」


 門のところにちょっと豪華な馬車がある。


「貴族か?」


「あなたのこの国の知り合いに王族以外に貴族っているの?」


「え?」


「だって、他国の貴族とかが簡単に他国の知り合いの屋敷に来れるわけないじゃない」


 なるほど。納得だ。


「となると・・・ああ、一人だけ思い当たるな」


「誰?」


「わが娘よ~~っっ!!!」


 そんな叫び声と共にこちらへと吹っ飛んでくる男の影。


「あちゃ~」


「え?え?」


 俺の方に吹っ飛んできたのでキャッチする。


 視線の先には肩で息をしているアメリアが。


「何やってるんですか、ベルモンドさん」


「おおっ!久しぶりだな」


 久しぶりにあったアメリアの父親はかなり残念な方向に変化したのであった。




読んでくれて感謝です。

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